二人は、竜也が澪とつながりがあるのではないかと考えていた。あるいは、死んでいないはずの裕一と連絡を取っているのかもしれない。そこで豪が先に切り出した。「柴田については、彼が生きているという前提での話だ。一応D国ではあいつの死亡が確認されているのだが、彼の部下のホルの遺体だけが完全な状態だった。しかし、柴田の方は……」現に、当初健吾の遺体を確認した際も完全ではなかったから、身元の確認を誤った事実があった。裕一の状況も、健吾の時と全く同じだ。だから、健吾が生きているのなら、裕一も生きている可能性が非常に高い。でも、D国における裕一の勢力はほとんど壊滅しているはずだ。もし生きているとしたら、一体どうやってあれほどの追っ手をかわしたんだ?豪は、D国でもう少し詳しく調べる必要があると感じていた。でも、杏奈の考えは彼らとは違っていた。彼女は健吾が死んだと思っていた時、事故現場へ向かったことを思い出していた。そこには、黒焦げになった上半身の遺体があった。コーリンは、警察が裕一本人だと断定したと言っていた。つまり、裕一はもう死んでいるはずだ。だとすれば、竜也の性格からして、よほど大きな見返りがなければ、澪に協力するはずがない。この件には、何か裏があるに違いない。「お父さん、お兄さん。竜也に見張りをつけましょう。彼はきっと何かを企んでいるはずですから」茂も豪も、その意見に賛成した。しばらく話した後、杏奈は豪との通話を終え、茂に言った。「それじゃ、お父さん、私はもう失礼しますね」そして、茂がうなずくと、杏奈は書斎を出た。それから彼女はいつものようにホットミルクを温め、健吾の部屋へ持っていった。健吾は飲みたがらなかったから、杏奈に自分で飲むように言った。「ごめん。代わりに飲むことはできないの。私、乳製品アレルギーだから」杏奈は健吾が飲みたがらないのを見抜いていたけど、にこやかにミルクを彼の前に差し出した。だって、ミルクはカルシウムが豊富だもの。骨を怪我しているんだから、たくさん飲まないと杏奈は思ったのだ。一方、杏奈の言葉を聞いた健吾は、一瞬きょとんとしたが、すぐに彼はミルクを受け取ると、一気に飲み干した。そして、杏奈が健吾の手にあったグラスを受け取ると、彼に改めて尋ねられた。「
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