All Chapters of 異世界転移、魔法使いは女体化した僕を溺愛する: Chapter 11 - Chapter 20

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第11話 遂に処女喪失?

アーサーが智也の首筋に熱いキスを落とした瞬間、不意に蓮の言葉を思い出した。『アーサーを愛してセックスしろよ。そうすれば、元の世界に戻れるかもしれない』――ちょっと待って。このままいっちゃうと……処女消失しちゃうかも。でも、まだ心の準備が。アーサーはそりゃいい男だけど、ちょっと前まで男だったんだよ?おちんちんありの男だったんだよ。「ちょ、アーサー。いやぁ、待って……っあっ、んぁっ!」アーサーが智也の胸の谷間に唇を移し、肌をきつく吸って紅い痕を残す。彼は智也の胸を両手で揉みこみながら、顔を谷間に埋めると囁いた。「トモヤ、感じやすい体をしているな。乳首が布越しでも立ってるのが分かる」「嘘っ!? やだ、そんなこと言わないでよ」智也は頬を真っ赤にして、アーサーに抗議した。アーサーはくくっと笑いながら、布越しにピンと立った乳首を摘むと口に含んだ。布越しの愛撫だというのに、智也は涙目になって体の奥がじんじんするのを感じた。その熱は下半身へと移動して、股の間を濡らしていく。智也は恥ずかしくて、愛液が出たことに気づかれまいとした。でも、甘い香りがスカートの中から漏れ出る。アーサーはその甘い香りに気がつき、嬉しそうに微笑んだ。「うっ……やっ、恥ずかしい……」智也は恥ずかしくて両手で顔を覆った。アーサーはその手を掴むと左右に開けて、真っ赤な智也の顔を覗き込む。そして、アーサーが強引に唇を奪った。「ふっ……ん、んっ……」くちゅりと、アーサーの舌が智也の口内を犯す。その度に胸が高鳴り、彼が唇を解放した時に、思わず甘い吐息を漏らしていた。「はぁ……ぁあ、アーサー」「トモヤ……可愛いな」――ああ、私。完全に今夜……処女を喪失しちゃう。もしかしたら、これで一気に元の世界に戻れたりして。そうなったら、アーサーともお別れなのかな。――えっ、何この感傷的気分?ひょっとして、私はアーサーに惚れちゃったとか? 『愛する人』にいきなり出逢っちゃったって事なの?しかも、セックス目前。「すまない……トモヤ」――すまない事なんてないよ。遠慮せずに、ずこっとやっちゃって。こっちは元男なんだから大丈夫。ここまできたら男は性欲を止められないよね?「いいのよ、アーサー」――突っ込んでも許してあげる。ああ、私って寛大。「疲れて……ペニスが勃起しない。
last updateLast Updated : 2025-11-21
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第12話 温泉にようこそ

妹のモモは完全に猫柄水着を脱がされ、裸だった。ちょこんとしたさくらんぼのような乳首。産毛のない股からぽたぽたと湯が滴り落ちている。ほのかに甘い香りが立ち上った。「くそおぉ! お兄ちゃんが目を放した隙に、ロリ変態野郎に無理やり服を脱がされた挙げ句、お湯に浸けられたんだな。ピンクに染まったモモの肌に、舌なめずりしてやがったに違いない! うおおおおっ、ふざけるな。可哀想なモモ。大丈夫だからな。お兄ちゃんが、むぎゅーと抱きしめて守ってあげるから!」智也は言葉通り、むぎゅーと裸のモモを抱きしめて喚いていた。そんな智也を不思議そうに見つめるモモが、ふにゃっと笑って口を開く。「違うよ~。お兄ちゃんを、お風呂に誘いに来たのにゃ。メアリーと一緒にお風呂に入ってたんだよ。薔薇の花びらが浮かんでて、いい香りがするのにゃ~」「え、お風呂?」「そうだよ。気持ちいいから、お兄ちゃんも誘いに来たにゃ。いこー、いこー!」「あ、わわわっ」モモに手を引かれて、智也はベッドから転がり落ちた。「いたたっ」これほど大騒ぎをしているのに、アーサーは目を覚ます様子もない。――こんなにいい女……かどうかは分らないけど、据え膳喰わぬ奴なんて放っておこう。智也はモモに誘われるまま、メアリーがいるという風呂へ向かった。◇◇◇城の一角に、パルテノン神殿をミニチュアにしたような部屋があった。その部屋の中に湯船があり、良い香りの湯けむりが空間を満たしている。――そういえば、アーサーの母親が療養する為に王様が建てたお城だったな。ならば、このお湯は温泉なのかもしれない。智也がプリケツから可愛い三毛猫の尻尾をはやしたモモに尋ねると、モモが答えてくれた。「メアリーが温泉だって言ってたよ。それにね、この国のお風呂は混浴なんだって~」「混浴!? おおぅ、男のロマン!」――すでに女の身だけど……やっぱり混浴と聞くと興奮する。智也はドレスを脱ぎ捨てると、神殿の湯船にダイブした。湯が派手に飛び散り、その湯が誰かの顔に直撃する。「ちょっとぉおお!! どこの田舎者よ。こっちは優雅に湯を楽しんでいるのに、飛び込む馬鹿は誰よ!?」メアリーの顔に湯をぶっ掛けてしまったと知り、智也は慌てて謝った。「メ、メアリー! ごめん。つい開放感から飛び込んじゃって。ん?……メアリーって胸大きいね!」智也は上機嫌
last updateLast Updated : 2025-11-22
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第13話 裸マントの魔法使い

「れ、蓮! びっくりするじゃない。風呂に入っているのなら、先に声を掛けてよ!!」智也が湯船に浸かり胸を隠して蓮に抗議すると、幼馴染はニヤニヤ笑いながら湯船の縁から身を起こす。そして、こちらに近づいてきた。「智也が裸で湯にダイブした時はびっくりしたぞ。お前……女になっている意識が低いんじゃないか? 胸はぼよんって揺れまくるし、あそこは丸見えだった。男がここにいたら完全に襲われてたぞ」「あんただって男じゃない! 蓮、ちょっと近寄ってこないでよっ……ん? あらっ……ららっ」視界がぐらりと揺れて、智也は変な声を出してしまった。異変を感じた蓮が慌てて走り寄ってくる。――ちょっと待って! 私は裸なんだってば。近寄るなっての。あれ……目が回る。もしかして湯当たり? 鼓動は早いし眩暈がひどい。まずい、湯の中に沈んじゃう。「智也!」「お兄ちゃん!」「トモヤ!」湯の中に沈む瞬間、心配そうに智也の名前を呼ぶ声が聞こえた。でも、そのままドボンと沈んでしまう。気が遠くなりかけたその時、誰かが智也を抱きかかえてくれた。そして、そのまま湯船から出ると、冷たい大理石の床に寝かせてくれる。ゆっくりと目を開くと、そこには蓮がいた。蓮が智也の濡れた髪を撫でながら口を開く。「湯あたりしたな、智也。大丈夫か? 何か飲みたいものはあるか?」「……アクエリアス」「好きだなぁ、お前」蓮はそう言うと、何かを掴むように左手を天にかざす。すると、何もない空間にペットボトルが現れて彼の手に収まった。「本当に蓮は魔法使いなんだね」智也は湯あたりで意識がぼんやりしたまま、そんな事を呟いていた。蓮は微笑みながら、魔法でその蓋を開ける。そして、自身の口にアクエリアスを注ぐと、智也にキスをして甘い液体を流し込んできた。智也は蓮の唇から流れ込むアクエリアスを貪るように飲む。いつの間にか蓮の腕を掴んで、智也はさらに甘い液体を要求していた。それを察した蓮が、再び口に液体を含むと口付けする。口を開き流れ込む甘い液体を飲んでいると、口内に蓮の舌が入り込んできた。入り込む舌が智也の舌を絡めとり、艶かしく口内で触れ合う。「んっ、ふぅ、んっふぁ……はぁ」くちゅりと音を立てて蓮の唇が離れていく。同時に、智也の唇の端から甘い香りの唾液が零れ落ちた。蓮はにやっと笑って口を開いた。「美味いキ
last updateLast Updated : 2025-11-23
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第14話 心まで女になってきた!?

勃起した蓮のペニスに目が釘付けになっていたのは、智也だけではなかった。メアリーとモモが派手に騒ぎ出す。「うわぁー! メアリー様、あれが勃起っていうやつですかにゃ!?」「そうよ、モモ猫! ちゃんと見ておくのよ。男は女の裸を前にすると、ペニスがたちあがるのよ。ああ、私もはじめて見たわ。あれがあそこに入るなんて信じられない!」メアリーが顔を真っ赤にしながらモモににじり寄る。「ねえ、モモ猫。ちょっとあんたのあそこ触らせてよ。あれが入るサイズを測ってみるから」「きゃん! あぁ、メアリー様駄目にゃ。ひぃあ、あああっ♡」湯の中でメアリーがモモのあそこを触りだす。智也は胸をゆさゆさ揺らしながら走り、モモをメアリーのいやらしい手から助け出した。そして、メアリーに文句を言う。「こら、メアリー! 勝手に性教育してんじゃねーーーーー!」「あら、勝手に子供の前で性教育の実践を始めたのはどこの誰かしら? 」「うっ、性教育の実践は……あれは不可抗力よ。蓮が全部悪いんだから!」智也の言葉に蓮が苦笑いを浮かべて言葉を漏らす。「俺は湯船で溺れた女を介抱しただけだぞ?」「乳首にキスして何が介抱よ! 思わず感じそうに……っじゃなくて。とにかく、蓮が悪いの! それと、蓮は自分の事を心配しなさい」「自分の心配?」智也は蓮を指さして指摘する。「マントが絶対に脱げないってことは、セックスの時もマントを羽織って腰を動かすわけよね? その姿に女が耐えられると思っているの?」蓮の破廉恥な姿を想像して、智也は笑いだしてしまった。――間抜けすぎる! 変態プレイみたい!蓮は智也の言葉に不貞腐れつつ返事をする。「じゃあ、服とマントを着たままセックスしろってのかよ?」「うーん、それじゃあ女を犯しているみたいに見えるわね。それに、女から見て服を着たままセックスする男は、冷たい感じがするわ。やっぱり、男女が抱き合うなら肌と肌を合わせて……」智也はうっとりしながら呟くと、蓮は裸にマントという格好で堂々と裸体を晒しながら笑う。「なにを笑ってるの?」智也が蓮に向かってそう言うと、彼は更に笑って口を開いた。「お前は体だけじゃなく、考え方まで女みたいになってきたな? 『女から見て』だって? 元男の言葉とは思えない。元の世界に戻ってちゃんと男としてやっていけるのか、智也?」「うっ!」蓮は
last updateLast Updated : 2025-11-24
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第15話 彫刻凸凹のペニス棒

智也は異世界で一生暮らすつもりはない。もちろん、いずれは元の世界に還るつもりだ。この世界から脱出する方法は、『愛する人』とセックスすること。女体化した智也にとって、セックスの相手は男性ということになる。でも、できれば心まで女になりたくない。だって、元の世界に戻った時、体が男で心が女だなんて生き難そうだ。なのに、智也の心は男に抱きしめられると、妙に鼓動が早まり胸がきゅんとしてしまう。――ひょっとして……私って、元からそっち系もいける人間だったりして???湯に浸かりながら、答えのないことをぐるぐる考えているうちに、二度目の湯あたりをしてしまった。ぐったりした智也を助けてくれたのは、またも蓮で彼は智也をモモとメアリーの部屋に運んでくれた。モモが額に濡れタオルを置いてくれたり、蓮の魔法もあって、智也は二度も湯船で溺れたことも気が付かず、心地よいベッドで熟睡してしまった。そして、早朝爽やかな朝日と共に、鳥のさえずりと同時に目覚めた。そう……鳥のさえずり。にしては……なんだか、艶かしい気もするが。覚醒する頭が、その小鳥のさえずりだと思っていたものが、女の喘ぎだと理解したのは、数秒後だった。「ああん。モモ、やぁ……そんなに舐めたら、感じちゃうぁ……ひぁあっ」「メアリー様ぁ、穴からよだれがいっぱい出てきて舐めきれないにゃぁ」「ひぁ、モモ猫。それは、唾液じゃなくてよ。感じた時に出る、愛液というのなのよぉ。ああ、モモちゃん、なんてテクニック!! ひぁあ、クリトリス……そんなに舐めちゃ、あああん」「うわぁーー、メアリー様の穴から水が噴き出してきたにゃ」「舐めて、なめてぇえ。モモ、これで男のペニスをのみこみ易くする女の技ですのよぉ。よく憶えておきなさいねぇえ。ひぁあ、我慢できないわぁあ。舌を奥に突っ込んでえぇえ!!」「メアリー様、勉強になるにゃ。ぺろぺろぉーーー」「ひぃいいあっ」智也と同じベッドでメアリーが股を大きく開いてスカートの中に、妹のモモを入り込ませていた。メアリーは自ら小さな下着を指で横に寄せて、モモにあそこをぺろぺろと舐めさせていた。まさに性教育の実地訓練中。……。「つうかぁ、私の妹になにやらせてんだ、この色ボケメアリーがーーーーー!!」「ふぎゃぁあ!!」智也は、思いっきりメアリーを蹴り飛ばし、ベッドから蹴落とした。智也に抱き寄
last updateLast Updated : 2025-11-25
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第16話 アーサーの母、マリア

城の廊下を歩くアーサーの横で、智也は必死で誤解を解こうとしていた。「アーサー、誤解だから。ねえ、聞いてる?」「トモヤ、お前にそんな趣味があるとは。気が付かなくてすまなかった。普通の男女の営みだけでは満足できないなら、レンに頼んで様々な道具を用意させよう。安心しろ、たっぷり楽しませてあげるから」「だから違うって! 蓮にそんな事頼まないで! やめて~~」アーサーにすっかり誤解されてしまった。メアリーもとんでもない場面を見られて、ベッドに倒れこんでしまうし。仕方がないのでモモに付き添いを頼んだけど……。――私の無垢で可愛い妹が、アブノーマルな世界に染まるかもと思うと、ちょっと楽しい……じゃなくて、心配すぎる!智也が色々と考えていると、アーサーが軽く笑って頭をポンポンと撫でた。――これ、女が大好きなシチュじゃん!元男の智也もなんかドキドキする。「お前を呼びに来たのは、母上がお前とレンに逢いたがっているからなんだ。二人と朝食を共にしたいと言っていてね」アーサーが部屋を訪れた理由はこれだったのか。「病弱な母はあまり人と会うのを好まれない方なんだ。でも、お前たちには興味があるらしい。母が二人と食事をすることを望んでいると聞き嬉しくてね……。二人で会ってきてくれないか、トモヤ?」「アーサーは同席しないの?」「ああ、俺は同席しない。母上によろしく言っておいてくれ」智也はためらった後に尋ねた。「アーサーはお母さんとあまり仲が良くないの?」アーサーは少し驚いたように智也を見てから、少し笑って答える。「そうじゃないさ。ただ、少しわだかまりがあるのは事実だ。でも、そんな事は気にせず、母と朝食を楽しんでもらえると嬉しい」アーサーは優しく微笑んで、智也の頬をそっと両手で包み込んだ。そして、軽いキスを唇に落とす。やがて唇はそっと離れて、アーサーは智也の耳元で囁いた。「ほら、廊下の先でレンが怖い顔して俺たちを見ているよ。嫉妬かな……あれは?」アーサーはくすくす笑いながら、智也の背中を押して廊下を進むように促した。振り返るとアーサーが踵を返して歩き去る。智也は廊下の先で待つ蓮に駆け寄った。蓮がにやにや笑いながら智也を見ている。それが気に入らなかったが、昨夜の失態を謝ることにした。「蓮、その……昨夜はごめんね」「いいさ。それより、アーサーの奴…
last updateLast Updated : 2025-11-26
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第17話 暗殺の危機

アーサーの母、マリアはローズティーを優雅に飲みながら口を開いた。「アーサーは生まれた時から、暗殺の危機に晒される運命だったの」マリアは一度言葉を切り、カップをソーサーに置いた。「今は病床にある王……私の夫ですが、元々異性との関係に淡白な方で、正妃を迎えても子供ができなかったの。子ができぬことを案じた側近のものが、王の興味を惹きそうな女性を身分かまわず集めたの。下級貴族の出自の私も、その一人だった」マリアは言葉を続ける。「そして、王は私を寵愛してくださって、アーサーが生まれたの。側室で子供を産んだのは私だけだった」マリアは過去を思い出しているのか、憂いを含んだ瞳をそっと閉じて言葉を切った。その言葉を引き継いだのが、蓮だった。「なるほど、よくある話だな」蓮は腕を組む。「それで、子供のない正妃が危機を感じてアーサーの暗殺を図ったか。ありきたりな、つまらない権力争いの話だ」「蓮!」智也は、あけすけな蓮の言葉に名を呼んで制した。蓮は智也をちらりと見ると、智也の意を汲んで黙ってくれた。マリアは瞳を開くとそっと蓮に笑いかけた。「いいのよ。魔法使いさんは、正直な方なのね」マリアは静かに息を吐く。「そう……つまらない、権力争い。でも、息子を毒殺されかけては、母親として黙っていられなかった」マリアの声が僅かに震えた。「でも、王は正妃がそんな事をすることはないと言って、私の言葉を取り上げてくださらなかった。正妃は、私と違って上級貴族の生まれですから。下級貴族の生まれの私が、簡単に疑いを口にするなど許されないことだったのよ」マリアは、その冷静な語気とは裏腹に、瞳には涙が浮かんでいた。それは、身分の壁に何もできなかった自分への怒りなのか。それとも、何もしてくれなかった王への怒りなのか、あるいは正妃への恨みなのか。智也は、物静かに見えるマリアの心の奥深くに、燃えるような怒りがあることに気が付いた。「王へ進言した私とアーサーへの正妃の憎しみは激しくなるばかりで、酷い嫌がらせを受けたわ」マリアはカップに視線を落とす。「そのうち体調を崩した私の静養の地として、王はこの城を造ってくださったの。あの当時の私には、王宮から離れる事のできるこの場所が、唯一安らぎの場所だった」智也はここで口を開いた。「でも、マリア様。たしか、正妃には王との間に、カインという王子
last updateLast Updated : 2025-11-27
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第18話 アーサーの過去

「カインに……アーサーは魔法使いを殺されたの?」――そんな過去があるなんて知らなかった。自分と契約した魔法使いを殺されて、アーサーはどれほど心を痛めたことだろう。彼の事を思うと、胸がきゅっと痛んだ。マリアは智也の動揺に気が付き、口を閉じてしまった。真相を知りたい。でも、アーサーの母に過去を聞きだすのが怖かった。――こんなにも臆病だったなんて。情けない。「智也、お前は臆病じゃないさ」蓮が静かに言った。「マリア様から過去を聞くことが、アーサーの傷を開くような気がして辛いんだろ。お前は優しいんだよ」蓮のまなざしが、すごくあたたかい。「でも、真実を知ることで、傷を癒すこともできるかもしれない」蓮が心を読んだことは明らかだった。でも、智也は蓮の行為を責める気にはならなかった。蓮がそっと背に触れた。『がんばれ』とその手が囁いていた。智也は、アーサーの母親に視線を向けて口を開いた。「アーサーが契約した魔法使いの事を、教えてください。どうして……カインに殺されてしまったのかも。知りたいです」智也の言葉に、マリアがにっこり笑った。「聞いていただきたいのは、こちらの方ですわ」マリアは遠い目をした。「あの子が魔法使いの女の子と契約したのは、12歳のとき。王宮に飽き足らず、密かに街に出ていたアーサーが、ある少女と出逢ったの」マリアの声が柔らかくなる。「その子は魔法使いだった。ただ、女の魔法使いは力が弱い。ほとんど普通の人間と変わらないのよ」マリアは首を横に振った。「王家の者が契約するなんてありえない。でもアーサーは、その少女を傍に置きたがった。契約すれば堂々と王宮に連れて来られるから」――アーサーの初恋?傍にいて欲しくて契約したんだ。「母としては、もっと強い魔法使いと契約してほしかったわ」マリアは苦笑した。「だから最初は、その少女が気に入らなかった。嫉妬かもしれないわね」マリアの表情が和らぐ。「でも、楽しそうに戯れる二人を見て、これでよかったと思えた。あんなに楽しげに笑うアーサーを、私は見たことがなかったから」マリアの指先がティーカップの縁をなぞる。「力の弱い魔法使いと契約すれば、王位継承権も失う。それでいいと思ったの……でも」マリアの顔が曇る。それでも、過去を語ってくれた。「正妃の息子カインは、側室の息子に先を越さ
last updateLast Updated : 2025-11-28
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第19話 蓮の悪戯

「なあ、蓮。お前、アーサーの心を覗くことができるか?」智也は城の廊下を共に歩く蓮に、囁くように聞いた。蓮はちょっと眉を顰めながら、口を開いた。「アーサーの心の何が知りたい、智也?」「んっ。それは……カインを恨む心がまだあるのかとか、王位に付く野望があるのかとか」智也がそう言うと、蓮は薄く笑って口を開いた。「違うだろ、お前が知りたいことは?」蓮はそう言うと立ち止まって、智也の腕を掴むと廊下から中庭に抜ける回廊の方に向かい歩き出した。「ちょっと、なんだよいきなり!」「中庭に、恋人同士にぴったりの白いベンチがあるんだ。薔薇の植え込みに隠れて目隠しになる。そこへ行く」「……恋人同士? そこで、元男の私と野外プレイでもするつもりか?」智也が笑ってそう言うと蓮も悪乗りしてきた。「元男でも、体は女だろ? 野外プレイも悪くないな。まさしく燃えるようにセックスができるぞ。アーサーとの契約を破った罰で青い紋章の炎で焼かれるんだ。アツアツのセックスだな」「前から聞きたいと思っていたんだけど……その契約違反で青い炎で焼かれるのって、セックス後の事なのかな? セックス中にお前がもし焼けちゃったら、私も焼けちゃうことになるだろ?」蓮が笑って智也を抱き寄せると耳元で囁いた。「何なら試してみるか。青い炎に共に命を焼かれながら、セックスするのも官能的じゃねーの?」智也は、蓮にペニスを突き込まれながら、青い炎に包まれている自分と蓮の姿を想像してしまって不意にドキドキして、蓮の腕を振り払ってしまった。赤くなる頬を隠すように、智也は回廊を抜けて綺麗に整えられた中庭を一人ですたすたと歩いていく。薔薇の真紅の色が、自分の頬の色をイメージさせて余計恥ずかしくなってしまう。「智也?」蓮が背後から声を掛ける。智也は、蓮の顔を見ないまま口を開いた。「やめとく。あの青い炎に手を焼かれた私としては、あんな痛い思いは二度とごめんだもの。まあ、セックス後にお前が焼かれるなら、やってやってもいいけどね。最強の魔法使いなら、青い炎に焼かれても不死身そうだし」「いや、もしかしたら……本当に死ぬかもよ。死ななくても、ずーっと青い炎燃えさせてうろついてたら、お前とセックスしたの皆にばれまくりだろうな。恥ずかしいよな、それ」蓮の言葉に、智也はむっとして口を開いた。「どうせ私は、元男だよ
last updateLast Updated : 2025-11-29
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 第20話 『愛する人』とセックスすること

「正直に言っていいか、智也?」蓮が薔薇園の色とりどりの薔薇を見ながら口を開いた。智也も蓮と同じように薔薇を見ながら口を開いた。「いいよ」「アーサーの心の中には今もしっかりと、魔法使いの少女が居座っている」蓮の声が静かに響く。「まあ、当然だよな。初恋の女が目の前で切り殺されて何もできなかったんだから。あいつの中では、魔法使いの『トモ』は美化されて今でも心で生きてる。そして、カインを恨んでる……殺したいほどにな」「そう……」蓮の言葉が智也の胸をちくちくと突き刺す。いつの間にか智也の手は、スカートの布地をぎゅっと握り締めていた。その手が僅かに震えている。蓮が言葉を続ける。「智也……お前が、魔法使いの少女の事を気にするのは、嫉妬だよ」「嫉妬?」「そうだ。お前は、アーサーに惚れているんだよ」――元男の私が、女になって数日しか経っていないというのに、男に惚れている? そんなことって……「元男とかそんな事関係ないだろ。お前は今、女なんだよ」蓮の声が優しく響く。「心も女になりかけている。女体化って心身ともに女になるって事なんじゃないのか?」「そうなのかな……って、また私の心読んだな、蓮!!」智也がそう言うと、蓮は困ったような顔で口を開いた。「仕方ないだろ、お前の思考が駄々漏れなんだから」蓮は薔薇に視線を落とした。「まあ聞けよ。気分の悪いことかも知れないが、アーサーはお前に『トモ』の面影を重ねている部分がある。そうでなければ、得体の知れない俺たちを城に連れて来て甲斐甲斐しく世話することなんてなかっただろうからな」「やっぱり、そうなんだ」智也の声が沈む。「黒い髪と黒い瞳の魔法使いの少女……『トモ』は顔つきも私に似てたのかな?」「いや、アーサーの母親の記憶を探ったが、お前と少女はそう似ているとも思わなかった」蓮が智也を見つめた。「お前の方が、ずっといい女だと思うぜ」「ありがとう、蓮。でも、ちっとも嬉しくない」「なんだよ、褒め損かよ。どうせなら、アーサーに言って欲しいってか?」蓮は肩をすくめた。「でも、これではっきりしただろ?」「何が?」「お前は、アーサーに惚れているってことが」蓮の声に力が入る。「つまり、チャンスなんだよ。分るか、智也。この世界から脱出する方法は『愛する人』とセックスすることだ。ラッキーなことに、お
last updateLast Updated : 2025-11-30
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