アーサーの分身は青く透き通り、美しく輝いていた。その彼が智也の前に立ちはだかり、剣を構える。カインは苦々しげにアーサーの分身を見つめる。負傷したカインを守るために、数人の兵士がアーサーの分身を取り囲み剣を抜いた。緊迫した状況で、魔法使いのギルドが口を開いた。「アーサー様の分身といえどもあの魔法使いが作り出したものだ。一介の兵士にかなうはずが無い!」その言葉の通り、早ってアーサーの分身に切りかかった兵士の一人が、分身と剣を交わすまでも無く胸から首にかけて斬られた。血を噴出しながら床に倒れこむ。ドロンとした目をした男の首から溢れ出た血が、床を赤く染めていく。壁に寄りかかるように立っている智也の足元にも血が流れてきて、智也は悲鳴を上げてしまった。「ひぃ……!」アーサーの分身は血にひるむこともなく、剣を構えて次の攻撃を待つ。カインが歯軋りをしながら、ギルドに命じた。「これが魔法使いの技なら、お前の範疇だろう。なんとかしろ、ギルド!」ギルドはカインに命じられると、抱きしめていたモモを背中に背負い、その手をアーサーの分身に向けてかざした。ギルドが何か呪文を唱えると一気に手のひらに炎が現れて、それがアーサーの分身に向かって放出された。燃え上がる炎がアーサの分身に直撃して、青い炎からできたアーサーの姿が歪む。「やったか!?」「アーサー!」智也がアーサーの名を呼んだときには、すでにそれはアーサーではなくなっていた。ギルドが放った炎をその手に軽々と受け止めニヤニヤと笑っていたのは、青く透き通った蓮の分身だった。蓮の分身は、ギルドが放った炎にさらに電撃を加えて、海パンの魔法使いに向かってそれを投げ飛ばした。蓮の分身が作り出した魔法の炎は強力だった。だが、智也は顔面蒼白になって蓮の分身に飛びついて叫んでいた。「蓮、駄目よ! ギルドを攻撃したら、モモが傷つく!」ギルドは直前で魔法の防壁を張ったのか、直撃は免れた。だが爆風を避けるために、モモを背負ったまま床にひれ伏した。防壁で二分された蓮の放った炎が王宮の見事な装飾の壁を吹き飛ばし、大きな壁の穴を二箇所作っていた。「ひぃいい、おにいちゃん、たすけてぇえーーーー!」モモがギルドの背にしがみ付いたまま、智也に助けを求めた。「蓮、お願いやめて!」智也は叫んだ。だが、蓮の分身はモモの身を案ずること
Last Updated : 2025-12-24 Read more