異世界転移、魔法使いは女体化した僕を溺愛する

異世界転移、魔法使いは女体化した僕を溺愛する

last updateLast Updated : 2026-03-30
By:  月歌Updated just now
Language: Japanese
goodnovel18goodnovel
Not enough ratings
53Chapters
1.3Kviews
Read
Add to library

Share:  

Report
Overview
Catalog
SCAN CODE TO READ ON APP

高校生の草薙智也は、幼馴染の蓮と妹のモモと共に、謎のノートによって異世界へ飛ばされてしまう。目覚めた智也を待っていたのは、女体化して裸という最悪の状況だった。元の世界に戻る条件は「愛する人とセックスすること」。山賊に襲われ、王族の騎士に救われ、様々な出会いと危機を乗り越えながら、智也は自分の中で育っていく蓮への想いに気づき始める。果たして智也は元の世界に戻れるのか? 笑いとエロスと切なさが交錯する、異世界女体化ファンタジー! 月曜日/週4 更新

View More

Chapter 1

第1話 異世界で女体化生活開始!

草薙智也(くさなぎ・ともや)は、妹の草薙モモ(くさなぎ・もも)、そして幼馴染の五十嵐蓮(いがらし・れん)と──

よく分からないまま異世界へ飛ばされることになる。

◇◇◇

事の発端は、蓮が路上で妙なノートを拾ってきたことだった。

放課後、蓮は当然のように智也の部屋へ入り、モモも当然の顔でくっついてくる。

蓮のファンである中学生のモモは、すばやく彼の隣へ陣取り、ひたすら「蓮ちゃん」と距離を詰めている。智也は鬱陶しげに眉を寄せるが、この賑やかさが嫌いなわけでもない。幼馴染と妹がそばにいる──それだけで、空気はどこか明るい。

その明るさを、わざと冷やすように智也が皮肉を投げた。

「金持ちの五十嵐家の御曹司が、路上で知らないものを拾っちゃいけませんって教わらなかったのか?」

蓮はたいして気にした風もなく肩をすくめる。

「いや、我が家の家訓は、何でも拾え。何でも奪え。欲しい物は強引にでも手に入れろだ」

――なんだその教育。

智也の口が尖る。

「……なるほど、そうやってお前の家は金持ちになったんだな」

横でモモが手を叩いてはしゃぐ。

「蓮ちゃんのお嫁さんになるモモは、お金持ちの夫人になるのね。智也お兄ちゃんが路頭に迷ったら、私専用の運転手に雇ってあげてもいいわよ、ねー、蓮ちゃん!」

蓮は腕を組み、くすっと笑った。

「ペットの世話係で十分だろ、智也には」

智也はむっとする。だが、蓮がからかい半分で言っているのが分かる。この軽口の応酬は、高校入学前から続いているいつものことだ。

「モモも蓮も、僕の部屋から出て行ってくれ」

つい言い出したものの、智也に本気で追い出す気はなかった。口先だけの抵抗だ。

蓮は智也の抗議を軽く流し、ノートを取り出してページを捲る。そこには、汚い字で謎めいた文が記されていた。

『新たな世界に旅立つ勇気のあるものは、このノートに思い通りの物語を紡ぐがよい』

智也は思わず鼻で笑う。

「はぁ……これ絶対小学生の悪戯だろ。字は汚いし。デスノートの真似事か?」

「まあそう言うな。小学生の悪戯かどうかは書き込んでみれば分かる」

蓮は楽しげだ。こういう冗談にいちいち乗ってくる性格なのは昔からだ。

モモが身を乗り出す。

「うん、うん。蓮ちゃん、何か書き込んで」

彼女は智也の机から勝手にボールペンを拝借し、蓮へ差し出す。智也は止めようとしたが、この勢いはいつものことで、つい見守ってしまう。

蓮はさらさらとノートに文字を書き、ページをこちらへ向けてきた。

『俺たち三人は今から一分後に異世界に行く。草薙智也は女体化して、草薙モモは猫耳娘になり、五十嵐蓮は最強の魔法使いとなる。彼らの目的は、愛する人と出逢いセックスすること。それでこの物語は完了して、元の世界に戻ってくることができる。以上。』

智也の目が飛び出そうになる。

「げっ! 何で僕が女体化なんだよ!」

モモは跳ねるように歓声をあげた。

「きゃー、蓮ちゃんは最強の魔法使いなのね。カッコイイ!」

「モモ、僕の女体化を心配してくれよ!」

蓮は落ち着いた様子で言う。

「落ち着け、草薙兄妹。とにかく、一分待つとしよう」

唐突すぎる提案だが、その冷静さが逆に馬鹿らしくて、智也は笑い出しそうになった。

◇◇◇◇

そして一分後──

空気がふっと抜け、世界が歪んだ。

目を開けば、三人は見知らぬ森の中に立っていた。背の高い木々。奇妙な形をした葉。湿った土の匂い。

智也は目を瞬かせる。モモは頭を撫で、自分に生えている猫耳を見てぴょこぴょこ跳ねる。蓮はいつの間にか立派なマントをまとい、"魔法使い"らしさを全力で醸し出していた。

……いや、それどころではない。

智也は自分の姿に気づき、絶句する。女になっていた。しかも──

「ぎゃぁあああーーーー、何で裸なんだよぉおおーーーーーー!!」

智也の悲鳴が森に響き渡る。揺れる胸が、視界の端でぶんぶん主張してくる。羞恥で頭が混乱し、森に不釣り合いな叫びが木霊した。

――いやいや、なんでだよ!

智也の思考が空回りする。高校二年生の男子が、異世界で裸の女になっている。全てが、悪ふざけの延長にしか思えない。

ただ一つ、確かなことがあった。

三人は、本当に異世界に来てしまったのだ。

Expand
Next Chapter
Download

Latest chapter

More Chapters
No Comments
53 Chapters
第1話 異世界で女体化生活開始!
草薙智也(くさなぎ・ともや)は、妹の草薙モモ(くさなぎ・もも)、そして幼馴染の五十嵐蓮(いがらし・れん)と──よく分からないまま異世界へ飛ばされることになる。◇◇◇事の発端は、蓮が路上で妙なノートを拾ってきたことだった。放課後、蓮は当然のように智也の部屋へ入り、モモも当然の顔でくっついてくる。蓮のファンである中学生のモモは、すばやく彼の隣へ陣取り、ひたすら「蓮ちゃん」と距離を詰めている。智也は鬱陶しげに眉を寄せるが、この賑やかさが嫌いなわけでもない。幼馴染と妹がそばにいる──それだけで、空気はどこか明るい。その明るさを、わざと冷やすように智也が皮肉を投げた。「金持ちの五十嵐家の御曹司が、路上で知らないものを拾っちゃいけませんって教わらなかったのか?」蓮はたいして気にした風もなく肩をすくめる。「いや、我が家の家訓は、何でも拾え。何でも奪え。欲しい物は強引にでも手に入れろだ」――なんだその教育。智也の口が尖る。「……なるほど、そうやってお前の家は金持ちになったんだな」横でモモが手を叩いてはしゃぐ。「蓮ちゃんのお嫁さんになるモモは、お金持ちの夫人になるのね。智也お兄ちゃんが路頭に迷ったら、私専用の運転手に雇ってあげてもいいわよ、ねー、蓮ちゃん!」蓮は腕を組み、くすっと笑った。「ペットの世話係で十分だろ、智也には」智也はむっとする。だが、蓮がからかい半分で言っているのが分かる。この軽口の応酬は、高校入学前から続いているいつものことだ。「モモも蓮も、僕の部屋から出て行ってくれ」つい言い出したものの、智也に本気で追い出す気はなかった。口先だけの抵抗だ。蓮は智也の抗議を軽く流し、ノートを取り出してページを捲る。そこには、汚い字で謎めいた文が記されていた。『新たな世界に旅立つ勇気のあるものは、このノートに思い通りの物語を紡ぐがよい』智也は思わず鼻で笑う。「はぁ……これ絶対小学生の悪戯だろ。字は汚いし。デスノートの真似事か?」「まあそう言うな。小学生の悪戯かどうかは書き込んでみれば分かる」蓮は楽しげだ。こういう冗談にいちいち乗ってくる性格なのは昔からだ。モモが身を乗り出す。「うん、うん。蓮ちゃん、何か書き込んで」彼女は智也の机から勝手にボールペンを拝借し、蓮へ差し出す。智也は止めようとしたが、この勢いはいつものことで、つい見守
Read more
第2話 愛液は花の香
妖しげな森に突然連れて来られた智也は、とにかく愚痴るしかすることがなかった。ひたすらにぐちぐちと文句を垂れ流す。それ以外に、この異常な現実を受け止める術がなかった。「ありえねーーー、何かの間違いだ。こんな世界絶対ありえねーー。分かった、夢だな。夢に決まってる」智也は自分の頬を叩いた。痛みが走る。現実だ。「お兄ちゃん、いい加減諦めたらどうにゃ?」妹のモモが呆れたように言う。「そうだ、ここはどう考えても異世界だ。こんな巨大な花は図鑑でも見たこともないぞ」巨大な花を観察していた蓮が、ゆっくりと視線を智也に向けた。その目には興味が混じっているように見えた。「それにしても、何時まで智也は裸でいるつもりだ? 襲われたいのか?」智也は顔を引きつらせた。自分の状況を改めて突きつけられる。恥ずかしさと苛立ちが胸に湧き上がる。「襲われるって、誰にだよ!」声が上ずった。智也は咳払いをして、蓮の黒いマントに視線を移す。「それより……お前、そのマントを裸の僕に貸す気は無いのか?」「ない」蓮は即答した。マントの端を指で撫でながら、得意げな様子で続ける。「これは、魔法使いの証だ。たぶん脱いだら死ぬ!」「誰が決めたんだよ!」智也は叫んだ。怒りと焦燥が入り混じる。だが蓮は涼しい顔で肩をすくめるだけだ。「お兄ちゃん、それより可愛い女の子になったね! 胸も大きいし、うらやましいにゃ」モモが猫耳をぴくぴくさせながら智也の周りをぐるりと回る。無邪気に褒めてくれるが、ちっとも嬉しくない。「うっ……」智也は言葉を詰まらせた。視線を落とすと、確かに膨らんだ胸がある。柔らかく、重く、明らかに女のそれだ。――大体、妹も露出が激しすぎる。猫柄のスクール水着に可愛い三毛猫の尻尾が付いている。中学生にこんなものを着せたら、ロリコン野郎を喜ばせるだけだ。智也はそう思いながら、自分の状態に意識を向ける。いや……その前に、智也自身もかなり男に目をつけられそうな状態だった。童顔に巨乳、すべすべの肌。恐る恐る触ってみる。胸は本物だ。揉むたびにピンクの乳首がぴんと立ってくる。感触が生々しすぎて、智也は息を呑んだ。下半身にはあるべきものがなく、薄く茂みがあるだけだった。確認の為に、股の間を触ってみる。妙な襞が指に当たった。そこを触っていると、なんだか体の芯がぞくぞくしてくる。――こ
Read more
第3話 セックスしたら?
――やべえっ……まじ、やべえ。智也は思わずこの世界では、唯一頼れる男である蓮を見た。だが、どう見てもこのひょろっとした男が山賊風の男三人に勝てるとは思えない。智也はモモを抱きしめたまま、それでも蓮のマントの後ろに身を隠した。「おいおい、そう怖がるなよ。可愛がってやるからよ」「ずっこんずっこん、しようぜぇ」――誰がお前らみたいな汚い格好の奴とずっこんずっこんするか。智也の喉が乾いた。いや……もちろん、綺麗な男でも嫌だが。なのに、蓮ときたら平然と言ってきた。「今思い出したが、この世界から脱出するには『愛する人』とセックスする事だとノートに書いたよな、俺。ふむふむ、智也……誰かとしたら?」「ふ、ふざけんな!!誰がこんな奴らとセックスするか!!大体『愛する人』としないと元の世界には帰れないだろうが!?」智也の声が裏返った。背後の男たちの視線が、まとわりつく。「あ、じゃあモモが蓮ちゃんとエッチしたら元の世界に戻れるにゃーー。蓮ちゃん、エッチしよ~」「ばかモモ! 中学生がエッチとか言うな。こら、蓮にくっ付くんじゃない」いつの間にか智也の胸を離れたモモが、蓮の背中に猫のようにしがみ付く。蓮は背中をよじ登ってきたモモをよしよしと撫でながら、とんでもないことを言い出した。「そうだなぁ、俺もモモちゃんが妹みたいに好きだし、モモちゃんも俺の事が好きならエッチすると元の世界に戻れるかもな。ということだ、俺たちは素敵な花畑を探してセックスしてくるな!」そう言うと、突然蓮は手を頭上にかざしその指先から眩しい光を放った。次の瞬間、蓮もモモも目の前から消えていた。智也の視界が白く染まり、剥がれた。――そうだった。蓮は最強の魔法使いって設定だった。「つうか、てめーーー。蓮、中学生に手を出す変態だとはみそこなったぞ!!」智也は大声で叫んだが、反応はない。声だけが宙に溶けた。「なんだーー、今の。男と獣人が消えちゃったぞ」「まあ、裸の女が残ったからいいじゃねーの。三人でヤろうぜ」「つうか、こいつ魔女かもよ?」――くそ……ピンチだ。非常にピンチだ。智也の背筋に冷たい汗が流れた。智也は男たちの隙を付いて逃げ出そうとした。だが、背を向けて走り出した途端、男たちに羽交い絞めにされ、そのまま地面に押さえ込まれてしまう。仰向けにされると、飢えた男たちがいきなり智
Read more
第4話 襲撃!
男に羽交い絞めにされたまま、大きく足を開かされる。その智也の股の間にもじゃ頭の男が身を割り込んできた。背後から智也の両腕を押さえ込んでいた男が、智也の耳たぶを舐めてくる。「ひぃ。やだ、やめてっていってるだろ!!」「こんな甘い蜜出して、誘ってるくせにやめられるかよぉ。なあ、皆」横から手が出てきて智也の乳首をつまむとぐいぐりと弄った。「ひぁあ!!」「さて突っ込むか」股を割って入っていた男がズボンを下ろして、毛むくじゃらの下半身を智也に見せ付けてきた。その男根は隆々と屹立していて、智也は真っ青になった。「やだぁああああーーーーー!!」「ねえちゃん、そう泣くなって。すぐに気持ちよくさせてやるからよ」男の硬く膨らんだものが秘所の入り口に押し付けられる。智也は泣きながら男が萎えそうな言い訳を叫んだ。「僕は病気持ちだ。やったら、お前ら死ぬからな。死ぬぞ」「安心しろ、俺も病気持ちだ。だから気にするな」――うおおおお、気にするっての。つうか、僕って童貞つうか……今は、処女だ!!相当痛いかもしれないじゃないか!? 嫌すぎる!!智也の思考が悲鳴を上げる。ずぶっっと突き込まれるかと思ったその時、男の首がいきなり千切れて飛んで行った。智也は首から下だけの男に押し付けられたまま、唖然と飛んでいった頭を目で追った。「ひぇえええーーーー」智也が叫ぶ前に無様な声をあげたのは、首をはねられた男の仲間だった。その男たちも、一人の男の剣によって腕を切られ足を切られて地面に血をぶちまけて肉片となる。智也はがたがたと震えたまま、剣を持った男を見上げた。その男は返り血さえ浴びていない状態で、剣についた血を死んだ男の服で拭うと鞘に収めた。そして、智也ににやりと笑いかけた。「こんな森の中で、女が一人とは珍しい。みれば、服を引き裂かれた様子もないが、裸で森を歩いていたのか? 魔物の類ではなかろうな?」そう言いながら、男が納めた剣に指をかけるのを見て智也は焦った。「魔物じゃないよ。普通の人間。仲間はいたけど、こいつらが現れたら逃げていっちゃって。と、とにかく助けてくれてありがとう」智也は立ち上がると、男に向かって垂直に礼をした。すると、目の前でぶらんと二つの大きな胸が弾み、思わず恥ずかしくなって胸を押さえる。男はじろじろと智也を見ていたが、ようやく剣から指を離すと名乗
Read more
第5話 蓮のバカ
アーサーの馬車に乗って走ること数十分、やがて森を抜けて視界が広がった。晴天の空の下に草原が広がり、色とりどりの花が風に揺られて咲き乱れている。馬車の小さな窓からその風景を眺め、智也は妹と幼馴染の姿を探していた。「あ、いた! 馬車を止めて」アーサーが御者に命じて馬を止めさせる。智也は馬車が止まると花畑でじゃれあう二人の元に向かって走った。そして、蓮の背中に思いっきり蹴りを入れる。蓮は智也の蹴りでごろごろと派手に花畑に転がったが、すぐに体勢を整えるとすくっと立ち上がる。マントに付いた草花を払い落としながらにやりと笑って口を開いた。「サド系お姫様に蹴られたと思って、快感に身を震わせたのに。お前、智也じゃないか! 何だその格好は? 姫コスプレか?」「お兄ちゃん、よく似合っているですにゃ。お姫様みたい!」――また妹の語尾が変だ。智也はそう思いつつ、妹の猫モモを抱き寄せる。妹は猫のように咽を鳴らしながら、智也の背中にしがみついた。体重をほとんど感じない。――本当にどうなっているんだこの世界は。いや、そんなことより……。「おい、蓮。妹に手を出していないだろうな?」「もふもふの猫の尻尾を少し触った」「変態!」智也は蓮の足に蹴りを入れていた。蓮が痛そうに足をさすってなお言い訳をする。「智也だってもふもふに触れたいはずだ」「妹のもふもふに触れるか、アホ。この、変態!!」蓮を睨んでいると、背後からモモの声がした。「あのね、モモは蓮ちゃんとエッチしたかったのに……断られちゃった。ショック!尻尾で誘惑したのにダメだって……蓮ちゃん冷たい」「流石に親友の妹とはできないからね」肩を竦める蓮の姿に智也はホッとする。とにかく中学生で処女喪失なんてことにならなくてよかった。モモには性教育と倫理観を教え込まねば……。智也がそんな事を考えていると、蓮が智也の事をじろじろと見て口を開く。「それで、お前はあの山賊たちにやられたのか?」「はぁ?」「セックスした?」「……するか、アホ。そういえばお前、僕を放って逃げたな!!」「そう怒るなよ。助かったわけだし。それにしても……いいドレスを着ているな」「ああ、山賊から助けてくれたアーサーって奴の妹から、このドレスを借りたんだ」「アーサーお兄様を、呼び捨てにするなんて信じられない。お兄様は王族の血を引く高貴なお
Read more
第6話 僕から私に変更する羽目になる
花畑で抱き合う智也と蓮を見ていたアーサーが、何故か不機嫌そうに腕を組み口を開いた。「トモヤとレンは恋人同士なのか?」――はぁ?智也は誤解を解く為に蓮から身を離そうとしたが、蓮のやつはニヤニヤしながら智也の耳たぶを噛んできやがった。「はぅっ!!」智也は思わず変な声を出してしまう。顔を真っ赤にして幼馴染を睨むと、蓮はげらげらと笑いながら智也をその胸から解放した。そして、アーサーに向かって口を開く。「ただの幼馴染ですよ、智也とは。ところで、あなたは質のよい服を着ていらっしゃるし、気品がありますね。高いご身分の方とお見受けいたしますが?」蓮の質問に口を挟んだのは、アーサーの妹だった。「当たり前です!! アーサーお兄様は、王家の血を引く方なのですよ。あなた達のような庶民が言葉を掛けるなどもってのほか。身分をわきまえなさい、特にトモヤ!!」アーサーの妹に名指しされて、智也はムカつきながらも黙っていた。その妹をたしなめたのはアーサーだった。「よせよ、メアリー。王家の血を引くといっても、母の身分が低くて王宮にもたまにしか行けぬ身分。持っているものといえば、小さな城とそれに見合う少ない領地。あとは、母上とメアリーと数人の召使だけだ。豪商や豪農の方が、まだ金を持っているよ」「そんな事ありません! お兄様を次期王にと望んでいる貴族たちが沢山いるのはご存知でしょ。母親の身分が高いからと言って、あんな無能なカインが王位を継ぐなんて国が乱れるに決まっているわ。ああ、お父様がアーサーを王位継承者に指名して下さったらいいのに!!」――なんか……ややこしそうだな。そんな智也の心を読んだのか、アーサーが智也を抱き寄せながら耳元で囁く。「父上は病の床でね。俺の弟のカインが王宮で幅を利かせているのが、メアリーには我慢ならないんだよ。まあ、俺は王位を継ぐなんてごめんだけどね。こうやって気楽に馬車を走らせて、妖しげな女と出逢うなんて冒険もできなくなってしまう」そう言うと、いきなりアーサーが智也の唇を奪ってきた。歯列を割って入り込む舌が智也の舌を絡めとり、智也の口の端からは唾液が零れだす。「っ、んんっ……っ、」それが胸の谷間にたらたらと落ちていくと、胸がカッと熱くなる。智也は自分でも乳首がぴんと立つのがわかった。「んっ、はぁ……っ!」ようやくアーサーが唇を離した時、智也は
Read more
第7話 蓮と同部屋でオッケーです
 アーサーが招待してくれた城は、規模こそ小さいが美しかった。 王家の血筋のみが彫ることを許される紋章。それが瑠璃色の石に刻まれ、白亜の城壁の中央にはめ込まれている。 馬車が城門の前に着くと、アーサーが先に降りて智也に手を差し出した。智也は慣れない男性の仕草に照れながらも、その手に自分の手を重ねて地面に降りる。 そして、改めて城を見上げた。 ――これは圧巻。 「わぁ、すごく綺麗な城!」 智也が素直に褒めると、アーサーの妹メアリーは気を良くしたのか、えへんと咳払いをしてこの城の経緯を語り始めた。 「この城は、まだお父様がお元気だった頃、王宮にお住まいだったお母様の為に別邸として建てられたものなの」 「別邸として」 智也がそう応じると、メアリーはさらに言葉を続ける。 「お母様は王宮での生活に慣れなくて、よく体調を崩されていたわ。それを気にされたお父様が、この国随一の城作りの一族に『母上の心が休まる城を』と命じられたの。そうして静養の地に、この白亜の城ができたのよ」 智也が城を見上げていると、蓮がメアリーに話しかける。 「メアリー様、先ほどはお城を小さいと貶していらしたのに、実はお気に入りなのでは? 実際、とてもよくできた城だと俺は思います」 蓮の言葉にメアリーは顔をぽっと赤くして口を開いた。 「確かに気に入っています。でも、やっぱり王家を継ぐかもしれないお兄様には、もっと大きくて立派な城に住んで欲しいんです」 メアリーの言葉にアーサーが気のない返事をする。 「王家なんて継がない。跡
Read more
第8話 蓮に胸を揉まれる
 「れ、蓮。お前は何をしてるの?」 「見て分からないか? お前の胸を揉んでる」 蓮は淡々と答えた。 「あのノートは本物だったんだな。本当に智也が女になっている」 馬乗りになってまだ胸を揉む幼馴染に呆れて、私は呟いた。 「例のノートの真偽を私の胸で確認するのはやめてくれない? それに、この異世界にいること自体が、あのノートが本物だって事を示していると思うけど?」 蓮は胸を確認し終わると、今度は私のスカートの中に手を入れてきた。 「おいっ!」 「確認、確認」 「確認って……お前、森で裸体の私を見ているだろうが!」 「自らの手で確認することは重要なことだよ、智也」 蓮の手が太ももに触れ、どんどんスカートの奥に迫ってくる。 「ひぁ、どこ触ってるのよ!」 「……智也。この国のパンツは小さいな。いかにも中を触ってくれと言わんばかりだ」 「ひぃ、ちょっと。やばいとこ触ってるって、はぅうあっ……指、触れてるってのぉ!」 「お、ちょっと周辺に触れるだけで愛液が出てきたぞ。感じやすい体なんだな」 蓮が指先を確認して、小さく息を吐く。 「ん、いい香りがしてきた」 「はぁ……ひぁあ」 女の子の大事なところの周辺を触っていた蓮が、スカートから手を抜き出す。
Read more
第9話 酷いよ、蓮!
 「あの時の俺は、お前を『女の形をした男』だとしか認識していなかった。だから、男にやられても『痛かった』ってぐらいで、精神的ダメージは少ないと思ってた」 「なんだよ……それ……」 智也は辛くなって唇を噛む。 蓮はそんな智也を見つめながら、更に言葉を続ける。 「でも、魔法で遠視していたら、お前はあいつらに捕まって泣き出して。これはまずいと思って助けようと思ったら……アーサーに先を越された」 ――男達に襲われていたところを蓮に見られていたなんて。 恥ずかしいし腹立つ。しかも、遠視って魔法を使いこなせてるじゃないか。 「……俺はお前を実験台にしても、元の世界に戻る方法を探りたかった。三人のうち誰か一人でも元の世界に戻れたら、ノートに『残りの人間も元の世界に帰ってくる』って書き込める。そうすれば全員が異世界とはおさらばできるだろ?」 バシッ。 智也は蓮の頬を思いっきり叩いていた。 目から涙が溢れ出して止まらなくなる。 「酷いよ、蓮! 私を実験体にするなんて。山賊に酷いことされて、すごく怖かったんだから。なのに、蓮は魔法であいつらに私が色々されているところを見ていたなんて!」 「智也……」 「最低だよ、蓮。本当は助けるつもりなんてなかったんでしょ! アーサーが現れてがっかりしてるんじゃないの? 実験が失敗して!」 「それは違う! 俺は本当にお前が山賊に襲われ泣いているのを見て目が覚めたんだ。酷いことをしたって後悔してる。お前を実験
Read more
第10話 トモヤとのセックスを禁じる
 アーサーが放った青白い光に包み込まれた蓮は、智也が近づこうとするのを手で制した。 「蓮!」 「智也、この光に触れるな。部屋の隅にいろ!」 「でも!」 「俺に従え、トモヤ」 蓮の真剣な声に智也はハッとして部屋の隅に移動する。 蓮は青白い光に包まれても、飄々とした様子でベッドから降り立つ。そして、アーサーに向かって口を開いた。 「二つ聞きたい。契約を結びたくない場合はどうすればいい? それと、あんたと契約した後で、その契約を解く方法はあるのか?」 攻撃しているはずのアーサーの方が、脂汗をかいて酷く疲弊している。 アーサーは剣から出る青白い光で蓮を絡み取ったまま口を開く。 「一度青い炎に絡み取られたら、契約者を殺さない限り魔法使いは炎からは抜け出せない。契約後に契を解くには主を殺すしかない」 「……なるほど」 「ただし、契約成立後は大抵は絶対服従を命じられるので、主を殺すことはできない。要するに、主が死ぬまで飼い殺しだな」 アーサーが息を吐く。 「くそっ。レン、お前……この光を身に受けて、どうして平然としていられる? なんて、能力の持ち主なんだ!」 アーサーが全力で目の前の魔法使いと契約しようとしている。 その思いが智也にも伝わってきた。 ――青白い光を受けても平然としている蓮に、男のプライドを傷つけられたのかもしれない。 アーサーはさらに力
Read more
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status