食事が終わって外に出ると、ちょうどパレードが始まる時間だった。すっかりと夕闇に包まれた空は、そこかしこの電灯と相まって、とても幻想的に見える。 たくさんの人を掻き分けて、しっかり見える位置に場所を取った。しばらくすると、軽快な音楽が近づいてくる気配がする。キャラクターたちが、色とりどりのイルミネーションを纏いながらくるくると躍る様を、その世界に吸い込まれるように見ていた。 「ねえ、江藤くん、スーツだから王子様みたいだね」「じゃあ辻野さんは、お姫様だね」「え、私、スラックスなんですが」「斬新でいいじゃん。そういうお姫様もありじゃない?」「そうかなぁ?」 ドレスを着たお姫様が、優雅に裾をふわりふわりとさせながら、目の前を通りすぎた。その可憐な姿に、目がくぎ付けになる。 私も、あんなドレスを着る予定だったんだよ。ふと、正広とのことが頭を過った。なぜか時々思い出しては、自己嫌悪に陥る。そんな自分が情けなくて、たまらなく嫌だ。 そんな感情を知らない江藤くんは、私の隣で楽しそうに笑っている。その笑顔が、イルミネーションよりも眩しくて、胸がキュンとなる。嬉しくなる。 過去の影が差し込んでも、今の光がそれをそっと包んでくれるみたいだ。江藤くんの存在が、とても尊く感じた。
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