All Chapters of カンタレラ〜毒公爵の甘い愛に溺れる〜: Chapter 21 - Chapter 30

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21 パーティー

しばらくして、その時が来た。 王宮の侍女に呼ばれて俺たちは控室を出て廊下を行く。 緊張でなんか足が重い。 それはマリアも同じなようで、彼女はぴたっと俺の横に張り付いて、手袋をした手を握りしめガチガチで歩いていた。 横ですっごい緊張している人がいると、ちょっと落ち着いてくる現象をなんて言うんだろう。 「うぅ……どうしよう……」 そう呟くマリアは下を俯いてしまう。 「だ、大丈夫だって。挨拶終わればあとはパーティーを楽しめばいいんだから」 そう俺が言うと、マリアはロボットみたいにガクガクっと顔を上げてこっちをみて、 「そ、そ、そうなんだけど」 震えた声で言った。 まじで緊張しまくってるんだな、マリア。 そんなことを言っている間に大きな大きな白い扉が現れる。 人々のざわめきと、ヴァイオリンぽい楽器の音。 それにこの男の人の声は国王陛下のものだろう。 「――我が妹が遺した大切な宝物を皆様にご紹介いたします」 なんかすっげーハードルあがってない? そんな大それたものじゃないのに。 扉が開いて、中の明るさに思わず俺は目を細める。 鳴り響く拍手と、国王陛下の声。 何言ってるのかわかんない。 だけど俺たちは拍手と群衆の中を歩き、国王陛下の横に立たされた。 やばい頭真っ白だ。 たくさんの目が俺を見てる。おかげで何を言われたのか、何を言ったのか思い出せない。 気が付くと俺は、たくさんの人たちの挨拶を受けていた。 「ルカ様、……公爵家のエリーゼと申します」 「ルカ様、こちらが……」 次から次へとあいさつに訪れる貴族や商人の娘たち。 なにがなんだかわけがわかんねえんだけど? 学校じゃあ腫れ物扱いで全然話しかけられたりしなかったのに。なんで今、こんなに人が寄ってくるんだよ。 「ル、ルカです。よろしくお願いいたします」 って愛想笑いを浮かべて対応していた。 次々とやってくる貴族たちにへきえきとしていた時だった。 見覚えのある白金の髪の青年が俺の前に立った。 珍しい、薄い紫色の瞳。色白の綺麗な人だ。たぶん俺より少し年上、二十代半ばって感じだろうか。 彼は俺の前に立つと、ニコッと笑い、優雅に頭を下げて言った。 「初めまして、僕はフェルディナント=カルファーニャと申します
last updateLast Updated : 2025-12-05
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22 中庭で

 広間の外の中庭にも、ちらほらと人の影がある。 それはそうだ。 庭もテーブルが出されて、人々が談笑をしている。 でも中に比べたらだいぶ人が少ない。 そのままエドは俺を連れて、奥へと進む。 木々が生い茂る中庭は、喧騒から離れると静かで、暗い。「ありがとう、エド。連れ出してくれて」 内心ほっとして、俺は彼に笑いかける。 するとエドは微笑み言った。「疲れてるみたいだったしそれに、兄様の前からさっさと逃げたかったから。あの人、俺のことを溺愛していて、近づく相手をけん制する悪いところがあるんだ」 そして彼は深くため息をつく。 あぁ、なんか変だって思ったのはそのせいか。 弟を溺愛するあまり、暴走しちゃうのかな。 ごめん、理解できないや。「そ、そうなんだ。なんかちょっと怖かったけど」「だろう? 俺もそう思うよ」 と言い、エドは俺を連れて中庭のさらに奥へと進んでいった。 夏だし少し暑く感じるけど、中にいるよりもずっと気持ちは楽だ。 生暖かい風さえも心地よく感じる。 木々の隙間には星が輝いて見える。 たまに寄り添い散歩する男女の姿を見つけ、俺たちは彼らを避けるように進んで行った。「どこに向かってるんだ?」「人けのないところ。もう少し行けば……」  そう呟き、ふと、エドが足を止めた。 「どうし……」 言葉はエドの手によって塞がれてしまう。 エドの視線の先を見ると、木の陰に誰かいるみたいだった。 なんか重なり合っているみたいだけど…… あ、あれはどこかの貴族の娘と商人の息子じゃないかな。 なんかキスしてる? それに気が付き、俺は思わず目をそらした。 人のキスシーンなんて恥ずかしすぎる。「あっちに行こうか」 とエドは言い、俺を連れて庭の奥に進んだ。途中に長椅子があって、俺たちはそこに腰かけた。 「さっきのは……?」 声を潜めて尋ねると、エドは肩を竦めて言った。「わりとこういうパーティーであることだよ。気が合った男女が人目を盗んでああいうことをするのは」 まじかよ、知らなかった。「ってここ王宮の庭……」「関係ないんじゃないかな。ふたりの世界しか見えていないだろうし」 そう言って、エドは持っていたグラスの酒をぐい、と飲んだ。 そうだ、一緒に飲もうってエドが渡してくれた酒、もってるんだった。 俺も酒に口を
last updateLast Updated : 2025-12-06
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23 ふたりきりの部屋

 酔った。 でもその酔いは心地よくもあった。 だってエドがいっしょだから。 エドは俺を抱えて王宮に戻り、給仕に声をかけて部屋を用意してもらった。「よくあるんで、こういう部屋いくつか用意しているんですよー」 と言い、係の人は別室に案内してくれた。「この部屋をお使いください」 その部屋は小さな部屋で、簡易的なベッドが置いてある。っていっても天蓋がないってくらいでそこそこデカイベッドなんだけど。 ベッドに横たわった俺の耳に、かちゃり、という鍵がかかる音が聞こえてくる。 俺、今すっごい緊張していた。 さっき、大広間に向かう時に感じた緊張とも違う。 ぼうっとしていると、エドが俺の名前を呼んだ。「ルカ。お水、貰ったけれど飲める?」 そう声をかけられたあと、ベッドがきしむ音がする。「うーん……」 呻って俺は、顔を上げてエドを見た。 彼が俺に覆いかぶさりそして、そのまま顔を近づけてくる。 「エド……?」 ぼんやりと名前を呼ぶと、エドは黙って俺に顔を近づけると唇を重ねてきた。そして舌が入り込み、水が俺の口の中に流れ込んでくる。 そのまま舌が絡め取られて吸われ、俺は目を閉じエドの首に腕を絡めた。 おいしい。 水が? エドが? どっちか分かんねえけど、俺、今すっごくエドがほしくてたまんない。酔ってるからかな。 そう自分に言い聞かせて、俺は自分からも舌を動かした。 ぴちゃり、と絡まる唾液の音がなんかすっげーエロく聞こえる。 唇が離れて、俺はうっとりとエドを見る。 綺麗な顔が上気していてすっげー色っぽく見える。「エドー……」「その声、腰に来る」 甘い声で言い、エドは俺の頬をそっと撫でた。 さわられたところ、何かびりってして、思わず俺は息を漏らす。 「俺、このままだと理性、壊れるかも」 そう余裕のない声で言い、エドは俺に口づけた。 深い口づけに俺も理性、壊れそうだ。「好き……エドー……」「俺も、愛してる、ルカ」「んン……」 絡まる熱い舌と熱い吐息。 足の間に入ったエドの太ももに、俺は股間を押し当てた。 あぁそうだ。俺、こっちにきてから全然自慰、してねえじゃん。 出したい。 でもここ王宮だし。 理性と本能が、俺の中でせめぎ合う。「あ……エド……エド……」 口づけの合間に名前を呼ぶと、エドの手が、俺のシャ
last updateLast Updated : 2025-12-08
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24 エドの誘い

 朝食のあと、俺たちは場所をうつして話の続きをした。 場所は、いわゆるリビングだ。 ソファーにたくさんのクッション、それにじゅうたんが敷かれていて、寝転がっても怒られない場所だ。 ここではマリアとふたりきりなので、俺もくつろいで床に座っていた。「殿下ってお優しいのよ、本当に。ほら、私、ダンスが得意じゃないでしょう? パーティーで踊るのちょっと抵抗があったんだけどね、お声をかけてくれて一緒に踊ってくださったのよ」 そう、顔を紅くして語る姿にちょっと複雑な思いを抱える。 王子は従兄弟……だぞ? マジで大丈夫なんだろうなぁ。「ほ、他の人は?」「いろんな方とお話しできたし、お誘いもいただいたんだけどね、今度遊びに行ってくるの!」 と、自分の顔を手で挟んだ。 とりあえず王族だけど、デートとかあるんだ。 すげー、世界観。 苦笑して俺は用意してもらった冷たいお茶をいただく。たぶんハーブティーだ。なんていうお茶なのかわかんねえけど。「お兄ちゃんはお友達とご一緒でしたよね? その方とは仲良くしているの?」 その問いかけに、俺はドキン、としてマリアを見つめる。 痛い。マリアの純粋な目が超痛い。そんなキラキラした目で見ないでくれ。「え、あ……ま、まぁ……」 と、頬をひきつらせながら笑う。 するとマリアは、膝の前で手を合わせて大きく首を傾げた。「どうかしたの? 何か様子が変だけど」 「そ、そうかな? 普通だっての」 極力普通を装い言うけど、なんか声が上ずってる。 この世界、電話ないから連絡手段が手紙しかないんだよな。 だから会う約束をするにもすっげーハードルが高い。 エド、本気なのかな。 そう思いながら俺はお茶が入ったカップを見つめる。すると不安げな顔をした俺が映り込んでいた。 だって俺たち男同士なのに。 あー、思い出したら恥ずかしすぎて穴に入りたくなってくる。 俺は自分の胸にそっと触れる。 エド…… なんで今、夏休みなんだよ? なんでこんなに会うの、難しいんだよ? 会いたい。あってちゃんと確かめたい。酔った状態じゃなくって。 そう思っていると、扉を叩く音がした。 互いに床に座って大きなクッションに座って足を崩していた俺たちは、慌てて立ち上がり、ソファーに並んで座る。「失礼いたします」 そんな声がした後、メイドのひと
last updateLast Updated : 2025-12-10
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25 外出

俺が出かける頃にはマリアも出かけていなかった。 「マリア様、たくさんお誘いが来ているようですよ」 と、メイドのひとりが教えてくれた。 まじかよ、そんなに? 確かにマリア、色んな人の名前を上げてたけどさ。ヒロインだからモテモテなんだな。 俺は出かける準備をして、部屋で迎えを待つ。 落ち着かなくって俺、ずっと時計を眺めていた。 まだかな、エド。どこ行くんかな。 三時よりちょっと前、侍従が迎えが来たことを知らせてくれた。 「カルファーニャ様がお迎えに参りました」 そう言い切る前に、俺はさっと立ち上がる。 「あぁ、ありがとう」 俺は侍従に連れられて玄関に向かい外に出る。 夏の日差しはまだ強くて、じわっ暑さを感じてしまう。 正面を見れば、黒い車の横に立つエドの姿が目に入った。 黒い綿パンに紺色の半袖、だろうか。白金の髪が日の光を浴びてキラキラ光って見える。 野山を駆け回って育った俺とは違って、白磁みたいな白い肌で綺麗だなぁ。 思わず見とれてしまい、俺ははっとしてエドに走り寄る。 なんで今さら俺、エドに見とれてるんだよ。 エドは微笑み俺に手を振って言った。 「ルカ」 「エド。ありがとう、誘ってくれて」 礼を言うと、エドは小さく首を傾げて言った。 「だって、早く会いたかったから」 その言葉を聞いて、心臓が跳ねたような気がした。 俺も会いたいと思っていた。でもそれを口には出来なくって、必死に頭を回転させて言葉を考える。 「えーと、あの、どこに行くんだ?」 「うちの別荘。すこし離れているんだけどね。君の執事にはちゃんと泊まるって伝えているから心配しなくて大丈夫だよ」 って笑う。 え、まじで? 俺、じゃあエドと一緒に泊まるって、事? やばい、どうしよう。 「服とかはあるから大丈夫。さあ、行こう」 と言って、彼は俺の手をそっと握った。 車に乗って揺られること一時間ほどかな。 山の中にある静かな街に着いた。 白い壁の建物がたくさん建っていて、明らかに上品そうな女性たちが傘をさして散歩をしている。 「こっちは王都よりもすこし涼しいから、この時期は上流階級の人たちが休養を兼ねてやってくるんだ」 「へえ、こんなところあるんだ」 言いながら、俺は外を見つめる。
last updateLast Updated : 2025-12-11
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26 別荘での甘い時間(愛撫まで)

 こんなのやばいって。 そう思って俺は下を俯く。すると俺のそれが大きく膨らんでいくのに気が付いてしまう。それを見て俺はかあっと顔が熱くなるのを感じた。 執事っぽい人が、お茶を持って来てくれるって言ってたのに。「ちょ……エドってば……」 思わず身をよじると、すっとエドが離れていく。 え……? って思った時だった。 扉を叩く音がして、俺は慌ててエドから離れた。「……どうぞ」 笑いを殺したかのような声でエドが言うと、扉がゆっくりと開いてさっきの執事がお盆を片手に入ってきた。 「お茶をお持ちいたしました」「ああ、うん、ありがとう」 エドが答えると、彼は俺の腕にそっと触れる。 思わずびくっと震えると、笑みを浮かべて言った。「座ろう、ルカ」 妙に低い声に心臓が跳ねる。 エドは俺の返事を待たず、俺の腕をひいていく。 執事がお茶の入った白磁のカップをテーブルに置き、脇にティーポットとティーウォーマーをセットする。 俺たちがソファーに腰かけると彼は頭を下げ、「お食事のご用意が出来ましたらお声をおかけいたしますので」 と言った。「わかったよ、ありがとう」 そうエドが答えると執事は俺たちに背を向けて部屋を出ていった。 その間俺はずっと気が気じゃなかった。 だって、エドがぴったりと俺の隣に座っているからだ。 ドキドキしすぎて心臓、痛いんだけど? 心を落ち着けようと、俺はティーカップを持ってそれに口をつけた。 なんかのハーブティーっぽい。紅茶とかと味も色も違うけど、何のお茶なのかは全然わかんない。「ルカは面白いね」 笑いを含んだ声で言い、彼もカップをそっと手に持つ。 その仕草を見ていると、やっぱ貴族なんだなって思うくらい優雅だった。「お、面白くなんてねえし」 ぞうだ面白くはない。なのに……俺はエドに誘惑されてもう、限界寸前だ。 なんていうだこれ。生殺し? いや、生殺しも何もこのあと何するんだよ? 俺に男同士の付き合いに関する知識はゼロだ。それはそうだ。そもそもここは乙女ゲームの世界。男同士でどうのって世界じゃねえもん。 調べようにも何調べたらいいのかも分かんねえし。スマホもパソコンもないんだぞ。 俺がカップを置くと、エドもカップを置いて俺の方を向く。「あはは。ルカ、顔が紅い」 そう言いながら彼は俺の顎にそっと手を
last updateLast Updated : 2025-12-12
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27 ベッドの上で(愛撫)

 そのあとも、蛇の生殺しのような愛撫を受け続け、夕食の時間までふたりで甘い時間を過ごした。 正直身体、辛い。 だって、エド、全然俺のペニスに触ってくれなかったんだもん。 出したい。 そんな言葉で頭の中、埋め尽くされているのに。 エドは愛撫の手を止めると、妖艶な笑みを浮かべて俺の頭を撫でて言った。「夜までの楽しみだよ、ルカ」「エ、エド……」 俺はすっかり、エドの手のひらの中だ。 俺は俺の意思は俺のもののはずなのに、エドに操られているように感じる。 なのに俺、嫌じゃない。 もうすぐ夕食の時間だからと身支度を整え始めた頃には、窓からさす日が、オレンジ色に変わり始めていた。 何時間俺、エドに愛撫されてたんだ? 一時間か二時間か。いや、もっと長いかもしれない。 乱れた服を整えた頃、夕食の準備ができたという知らせが来る。「わかった、すぐ行くよ」 なにごともなかったかのようにエドが言ったあと、俺たちは一緒に部屋を出て一階にある食堂へと向かった。 思ったよりも広い食堂。 六人くらいが座れそうなテーブルに、俺たちは並んで腰かける。 夕食は、ハンバーグとご飯、スープにサラダ、それにワインだった。 「お酒……」 昨日の事が頭をよぎるけど、出されたものは残しちゃいけないっていう意識が強くって、俺はワインを飲み干した。 思ったよりこれ、強いかも。なんかふわふわする。 ぼうっとしていると、隣に座るエドの声がした。「ルカ、ワインつぐね」 って言ったかと思ったら、俺が制する暇もなくワインがつがれてしまう。「あ……」「開けちゃったからね、これ、全部飲まないと」 と言って、ハーフボトルのワインを俺に見せつけた。 う…… そう言われると弱い、残すの悪いと思ってしまう中身、現代日本人な俺。 俺は、ちょっとずつワインを飲み、食事を終えた頃にはすっかり酔ってしまっていた。「大丈夫? ルカ」「うーん……」 大丈夫だと思う。でもそこまで大丈夫じゃない。 俺はルカに連れられて部屋に戻り、奥にある寝室へと連れて行かれてしまう。 ふたつ並んだ、大きなベッド。漂う、なんだか甘い匂い。 エドは俺をベッドに寝かせると、当たり前のように俺に覆いかぶさって唇を重ねた。「ん……」「……酔った姿もかわいいね、ルカ」 満足げに言い、エドは俺の服を捲り上
last updateLast Updated : 2025-12-13
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28 お風呂のあと★

寝室の奥にお風呂があって、いつでも入れるようになっていた。 風呂は想像以上に広かった。 大人ふたり入っても余裕のある湯船。洗い場もけっこう広い。 「やば……ひろ……」 「王宮に比べたら狭いでしょ」 言いながらエドはシャワーをひねる。 「うわぁ!」 立っていた場所が悪くって、頭の上からもろにシャワーを被ってしまい俺は声を上げた。 シャワーから逃げる俺を抱き締めたエドは、笑みを浮かべて言った。 「ごめん、大丈夫?」 「だ、だ、大丈夫」 俺もエドも裸だ。 だからエドは俺の素肌に触れているわけで、おかげで俺、すっげードキドキしてる。 エドから離れようとするけど、彼はぎゅっと俺を抱き締めたままだった。 「ねえルカ」 エドが笑ってる。 何かを企むような目をして。 「な、何」 心臓をバクバクさせながら、俺は彼に答えた。 「綺麗にしてあげるよ」 と言い、彼は俺の背中をすっと撫でた。 綺麗にする。 の意味を俺は完全に勘違いしていた。 身体を綺麗にされるだけだと思ったんだ。 でもそれだけじゃすまなくって、体の中まで現れるなんて思わなかった。 風呂から出て、バスローブをまとった俺はベッドにベッドに寝転がっていた。 風呂入ってこんなに疲れるとは思わなかった。 そんな俺の頭を愛おしそうに、エドが撫でている。 二十歳超えた大人なのに、そんなことされて悦んでいる俺がいることにちょっと驚く。 室内に漂う甘い匂い。さっきより強い気がした。 「エド」 「なに、ルカ」 「この匂い……何?」 言いながら俺はエドの顔を見る。 するとエドは頭から頬へと手をおろし、俺の頬を撫でながら言った。 「あぁ、たぶん薬だよ」 「薬?」 「ここはね、色んな薬や毒について学ぶための場所だから。俺はここで叔父から色んな薬物について学んだんだ。だからここには、たくさんの薬物が保管されているんだ」 「ま、まじで?」 驚いて、俺は思わず身体を起こす。 「それって大丈夫なやつなの?」 そう問いかける俺に、エドはおかしそうに笑って言った。 「大丈夫だよ。あのね、ルカ。毒は薬に、薬は毒に。使い方次第で変わるんだよ。危ないものは鍵がかかっている場所にしまってあるし。でも匂いが
last updateLast Updated : 2025-12-14
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29 繋がる★

 エドのペニスを口にして、俺は懸命に舌を、頭を動かした。「んン……」 唾液が絡まる、びちゃびちゃ、って音がすげーエッチに聞こえてくる。 男のペニス、舐めたことなんてないからすっげー拙いだろうけど、エドが吐息を漏らすのが聞こえてきて、俺は嬉しくなった。 感じてるんだ。 俺はエドのペニスの裏筋を舐めて、先端の鈴口を吸い上げる。 するとエドは、俺の頭のそっと手を置き軽く腰を揺らし始めた。「いいながめ」 って言ってぐい、と奥までペニスを突っ込む。 苦しい。でも嬉しい。「気持ちいいよ、ルカ」 うっとりとした声で言い、エドは腰を動かす。 口の中でエドのペニス、どんどん大きくなっていく。先走りが口の中で広がって正直にがいし辛いけど、エドに気持ちよくなってほしくって、俺は頭を動かした。 これ、俺の中に入るんかな? そう思うとすっげー変な気持ち。 男同士のセックス、何するのかは何となくは知ってる。風呂で腹の中、綺麗にされたし。 エドと繋がるんかな。こんなデカいの、あの狭いところに入るのかよ? エドがずるり、とペニスを俺の口から引き抜いて、俺は思わず息をついてエドの顔を見上げた。「ほんと、可愛いなぁルカ。早く君と繋がりたい」 嬉しそうに言うエドに、俺は頷いて答えた。「俺も……エドと気持ちよくなりたい」 言いながら俺は、エドの勃起したペニスをすっと撫でた。「うれしいよ、ルカ。同じ気持ちで」「だって俺、エドのこと好きだし……」 そう言葉にすると、きゅん、と腹の奥が疼いてしまう。 エドは移動して俺の足を抱え上げると、ペニスの先端をすぼみにあてた。「あ……」 入るの? アレが。「ちゃんとゴム、するから」 と言い、エドはなんかごそごそとしだす。 ここゴムあるの? ファンタジー世界なはずだけど、ところどころつくりが雑じゃねえかな。 そう思った時だった。 「挿れるよ」 と、エドが言い、ゆっくりと腰を埋めた。「ひっ……」 慣れない異物感に、俺は短く悲鳴を上げて腰をひこうとする。 でも逃げられるわけがなくって、俺は大きく息を吐いた。 やばいやばい。きつい。 なんだよこれ。まだちょっと入っただけだよな? なのになんかすごい苦しい。「う、あ……」 口をぱくぱくさせていると、エドが覆いかぶさってきて俺の顔を心配げに見つめた。「
last updateLast Updated : 2025-12-15
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30 別荘地

 翌朝。 目覚めると目の前にエドの顔があった。 え、なんで? って思ったけどすぐに思い出す。 そうだ、俺、エドと一緒に寝たんだった。 昨夜、エドと何をしたのか思い出すと、一気に身体中の体温が上がっていくような気がした。 俺、エドとシたんだ。 まさかそんなことにまでなるなんて思わなかった。 そう思って俺はじっとエドの寝顔を見つめる。 エド、まだ寝てる。 室内もまだ暗いから、まだ朝は遠いのかもしれない。 エドからほんのりと、甘い匂いがする。 薬の匂い、何だろうな。エドの身体に染みついているのかも。 そう思って俺はエドの胸に顔を埋めた。 この匂い、初めは何か変な感じしたけど、今は慣れたせいか心地よく思う。 その時だった。エドの目がうっすらと開かれ、俺をじっと見つめた。 やばい。起こした? ドキドキしていると、寝ぼけた声でエドが言った。 「ん……ルカ?」 俺の名前を呼んだかと思うと、腕が俺の背中に周りぎゅっと抱きしめられた。「おわぁ!」 嫌でも当たる、膨らんだアレ。 朝だし、俺だって勃起してるし、これは生理現象だから仕方ねえけど。 お互い裸だから、ダイレクトにあたるんだけど? 俺は恥ずかしさに身をよじりながら言った。「ちょ……エド、あたってるっての」「うん。ルカのも」 そう言いながら腕の力を緩めてはくれなかった。「当たり前だろ。朝だし」「でしょ。だから普通だよ」 その言葉の後に、欠伸が続く。「うーん、もう少し寝ていようよ、ルカ。俺、もっとこうしていたいから」「え、あ……」 エドは俺の額に口づけた後、ふたたび寝息をたてはじめた。 結局そのまま二度寝をし、部屋が明るくなった頃に目が覚めた。 朝食のあと、俺たちは外に出かけた。 王都は暑かったけどこっちはけっこう涼しい。 俺は思わず大きく息を吸った。 なんか爽やかな気持ちになれる。 木々の隙間から見える青い空に、ゆっくりと流れる白い雲。 こんな風に空、見上げたのは久しぶりかも知れない。「少し行くと池があるからそこまでいこうか」「池?」 俺の問いかけに、エドが頷く。「うん。散歩にもちょうどいいし。池の近くにはカフェもあるからそこまでいこう」 と言い、彼は俺の腕をそっと掴んだ。「ちょ……」 思わず俺は辺りを見回す。 辺りに人影はない。 
last updateLast Updated : 2025-12-16
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