とりあえずエドに見合いの事を言えてよかった。 でも心配は消えない。 屋敷に帰って明日提出予定のレポートの用意をしていると、扉を叩く音がした。 来たのはメイドで、マリアがお茶を一緒に、と言ってるらしい。 俺はレポートを持って妹の所に向かった。 一階の、いつも俺とマリアがお茶を飲む部屋。 床に座りこんで何かを書いているマリアの姿がそこにあった。 マリアは俺の姿を見ると、大きく手を振った。「あ、お兄ちゃん!」「マリアお帰り」「うん、ただいま。今お茶とケーキ、用意してくれてるからもう少し待ってね」 と言い、マリアはニコニコと笑う。 この様子だと、マリアは俺の見合い相手のこと知らねえんだろうなぁ。 だまっとこう。 俺はマリアの向かいに座り、テーブルにレポートを置いて続きを書き始めた。「お兄ちゃん、宿題?」「うん、まあそんなもん。マリアは何書いてるんだ?」 そこで初めて俺はマリアが書いている物を見る。 それはスケッチみたいだった。 人形の服かな。 ドレスの絵がいくつか書いてある。わりとうまい。「これはねー、お人形のお洋服なんだー。部活で作るんだけど、どんなデザインにしようかなって思って」 言いながらマリアは紙に絵を描き始める。「へえ、そう言うのも考えるんだ」「うん、そうだよ。芸術祭に出品するから」「芸術祭なんてあるんだ」 マリアの顔を見ると、彼女は大きく頷く。「うん。夏にあるんだー。去年は一年生だったから出してないけど今年は出すんだー」 マリアはスケッチを見つめてどうしよう、って呟く。 そんな妹の姿を見て、ちょっと安心する。とりあえず充実してるんだなぁ。 マリアにも見合いの話があったと思うんだけど、どうしたんだろう。「マリアは見合いするの?」 俺の言葉に、マリアはピタッと手を止める。 そして、うーん、と呻った後顔を上げて苦笑した。「そうねぇ。国王陛下の紹介だし断るのはちょっと……」「だよなぁ……」 やっぱりそう思うよな。俺もそう思うもん。 マリアはうんうん、と頷いて言った。「だからとりあえず会おうとは思ってて。来月にはお相手と会うことになったみたい」「来月かぁ……俺、まだ何にも言われてねえぞ」 いつ会うか、なんて話はしてない。たぶん。 するとマリアはちょっと驚いた顔になる。「あれそうなの?
최신 업데이트 : 2026-02-18 더 보기