翌日、慎也は幾つかの墓地を訪ねて回った。何度も詩乃の遺骨がここに埋葬されているか尋ねたが、すべての管理者が首を振るばかりだった。慎也は完全に心が折れ、シミュレーションマップ上で今日訪れた墓地にバツをつけたが、地図を縮小すると、周りにはまだ何十も墓地が存在していた。地図を見つめながら、慎也は今まで感じたことのないような混乱に陥った。その時、彼の脳裏にひとつのイメージが浮かび上がった。今、助けてくれるのは彼女しかいないかもしれない。慎也は再び車を運転し、病院へ向かった。あの時の医師は診察室で患者を診ていたが、今回は慎也は無理に飛び込まず、外で医師が診察を終えて出てくるまでじっと待っていた。慎也を見た医師は、彼が自分を探しに来た理由をすぐに理解した。「先生……」慎也が話し始める前に、医師はすぐに彼を遮った。「もう言いましたが、これは朝月さんの遺志です。彼女はあなたに自分がどこに埋められているかを知られたくなかったんです。あなたは、それを知る資格すらありませんから」その言葉は慎也の心に深く突き刺さった。彼が今、詩乃の名前を口にする資格がないことを、慎也はよくわかっていた。医師が振り返ろうとしたその時、慎也は彼女を呼び止めた。医師は不快そうに振り返り、何か言おうとしたが、その瞬間、慎也がゆっくりと膝をついているのを見て、言葉が詰まった。病院の床は冷たく硬く、通りかかる人々はこの光景が一体何を意味するのか分からず、ただ慎也を不思議そうに見つめていた。慎也は周囲の目を気にすることなく、顔には懇願する表情を浮かべていた。これはおそらく彼の人生で初めてこんなにも低姿勢で誰かに頼んでいる瞬間だった。「先生、俺はたくさんの過ちを犯しました。でも、今俺は詩乃を家に連れて帰りたいだけなんです。年に何度かは、その場所に行ってお供え物をしてあげたいと思っています。そうすれば、詩乃があの世で少しでも安らかに過ごせるかもしれません。お願いです、詩乃が今どの墓地に埋まっているのか教えていただけませんか?」医師はその光景を見つめながら目を閉じ、詩乃が亡くなった時の悲惨な状況が頭をよぎった。「朝月さんはずっとあなたにチャンスを与えてきたことを知ってますか?もし一度でもチャンスをつかんでいれば、今みたいにどこに埋まっ
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