輝く私の背中に、夫は必死に追いつこうとした のすべてのチャプター: チャプター 371

371 チャプター

第371話

今の悠真は、望美という存在に対して、異様なほど神経を尖らせていた。芽依はその剣幕に圧倒され、しばし呆然としていたが、やがて我に返ると、再び悠真を激しく責め立てた。「お金、お金って!お兄ちゃんは本当にお金のことばっかりね!やっぱりママと一緒にいると、そんなに現金な人になっちゃうの?そんなにママが好きなら、ずっとママの子でいればいいじゃない!私は望美さんが好きだし、望美さんの娘になるわ。もういい、お兄ちゃんとは話すことなんて何もない。用がないなら、これからはもう連絡してこないで」言い放つや否や、芽依は一方的に電話を切った。悠真が慌ててかけ直したものの、耳に届くのは虚しく響く話中音だけだった。どうしてもこの状況に納得がいかず、悠真は今度は征樹に連絡を入れた。「悠真か……いいかい。パパが意識を取り戻したこと、それから記憶を失っていることは、まだママには内緒にしておくんだ。君はそのままママのそばにいなさい。時期が来たら、一緒にこちらへ戻れるよう手配するから」征樹は重々しい口調でそう告げた。悠真は拭いきれない違和感を覚えたが、今の彼には他に頼れる相手もいない。征樹にまでそう言われてしまっては、この胸のざわつきを心の奥へ押し込めるしかなかった。一方で芽依は、悠真をブロックしたものの、彼の言葉が何度も頭の中で反芻されていた。まだ幼いとはいえ、「相続権」がどれほど重大な意味を持つかは理解している。――もし本当に望美さんに子供ができたら、その時も、今と同じように自分に接してくれるのだろうか。その夜、芽依は望美を引き止め、なかなか離そうとしなかった。「望美さん、もう一冊だけ読んでくれる?」望美は絵本を閉じると、芽依の頭を優しく撫でた。「どうしたの、芽依ちゃん。眠れないの?」芽依はその慈しむような表情を見つめながら、頷きかけては首を振り、複雑な思いを抱えたまま逡巡していた。「芽依ちゃん、誰かにいじめられたの?私に話してごらん。絶対にお仕置きしてあげるから」望美は真剣な表情でそう言った。――ママだったら、きっと道理や正しさを説くだけ。でも、望美さんだけは違う。正しいかどうかなんて関係なく、ただ一心に私の味方でいてくれる……芽依はそっと望美の胸に顔を埋めた。「望美さん……もし将来、自分の子供が生まれ
続きを読む
前へ
1
...
333435363738
コードをスキャンしてアプリで読む
DMCA.com Protection Status