翌日。 祝勝パーティの熱気が心地よい余韻となって残る中、エデン王城の一角にある広間に、カグラと、ベルガーの護送や戦闘の後方支援を担った『相律鎮禍連』のメンバー達が集まっていた。 窓からは明るい日差しが差し込み、整列した精鋭達の顔を照らしている。彼らの表情は晴れやかでありながらも、一様に緊張感を帯びていた。 その視線の先に立つのは、彼らの長であり、エデンの特記戦力であるカグラだ。彼女はいつものように扇子を弄びながら、しかし真剣な眼差しで部下たちを見回した。「みんな、集まってくれてありがとう。……昨日の祝宴、楽しめた?」 カグラが問いかけると、最前列にいた部隊長格の男が一歩進み出て頷いた。「はい、カグラ様。エデンの皆様の温かい歓迎、そしてカシュー陛下の寛大なご配慮、一同心より感謝しております」 「ん、ならよかったわ」 カグラはふわりと微笑むと、パチンと扇子を閉じた。その音が合図のように、場の空気が引き締まる。「さて、本題に入るわね。……今回の戦いで、私達の宿敵だった『ヴォイド・リチュアル・サンクトゥム』の中枢は壊滅した。災禍伯メリグッシュ・ロバスも討ち取られ、あの組織は事実上崩壊よ」 カグラの言葉に、メンバー達が静かに頷く。それは彼らにとって、長きに渡る戦いの終わりを意味していた。「もちろん、まだ世界各地に支部や残党は残っているわ。でも、それはもう各国の軍や組合が連携して対応することになってる。私達が闇に潜んで、命を削ってまで追い続ける必要はなくなったの」 カグラは一度言葉を切り、全員の顔を一人ひとり確認するように見渡した。「だから――『相律鎮禍連』は、ここで解散とするわ」 その言葉が広間に響いても、動揺の声は上がらなかった。彼らも薄々、その時が来たことを悟っていたからだ。「今まで、私の我が儘に付き合ってくれてありがとう。みんながいてくれたおかげで、私はここまで戦ってこられた。……これからは、それぞれの道を歩んでちょうだい。故郷に帰るもよし、新たな場所で力を活かすもよし。みんななら、どこへ行ってもやっていけるわ」 カグラは憑き物が落ちたような、晴れやかな笑顔で告げた。 しかし――誰も動こうとはしなかった。静寂の中、先ほどの部隊長が口を開いた。「……カグラ様。解散の命、確かに承りました。ですが、一
Last Updated : 2026-02-15 Read more