実況のマグダレナの開始の合図と同時に、張り詰めていた空気が破裂した。ドォンッ!! という爆音が二重に響く。カリナとカーセル、双方が同時に地面を蹴り砕き、弾丸のように肉薄したのだ。「はあぁッ!」「せやあぁッ!!」 舞台中央、激突の瞬間。カリナが腰に佩いた片手剣、聖剣ティルヴィングを抜き放つと同時に、カーセルの剣と激しく火花を散らす。互いの剣が噛み合い、鍔迫り合いの形になるかと思われた刹那――カリナの手首が柔軟に返る。「ッ!?」 カーセルが目を見開く。カリナは力での押し合いを拒否し、接触した刃を滑らせるように受け流すと、流れるような動作でスラッシュエッジを繰り出した。「くっ!」 カーセルは即座に盾を突き出し、防ぐ。ガギィンッ! と甲高い金属音が響き、カーセルが後方へタタラを踏む。『おおっと! 初手から速い! 英雄カリナ、目にも止まらぬ剣速でカーセル選手の盾を叩きました! しかしカーセル選手も堅い! さすがはルミナスアークナイツの団長、反応速度が素晴らしい!』 実況のマグダレナが興奮気味に叫ぶ。だが、解説席のレオン王は、顎に手を当てて冷静に分析した。『いや……今の攻防、カリナの方が動き出しがコンマ数秒遅かったはずだ。彼女は相手の出方を見てから、最適な角度で剣を入れている。恐ろしい動体視力だな』 王の言葉通り、カリナの瞳は冷静にカーセルの動きを捉えていた。体勢を立て直したカーセルが、気合と共に踏み込む。「これならどうだ! ブレードラッシュ!」 短距離を高速で詰めながら放つ突進斬り。シンプルだが、それゆえに回避が難しい実戦的な技だ。 しかし、カリナはその軌道が最初から見えていたかのように、わずかに半身を引いた。踏み込みの深さ、肩の角度から、来る技がブレードラッシュであると瞬時に看破しての回避だ。かつて自身が操っていたメインキャラであり、カーセルと同じ聖騎士である「カーズ」の記憶と経験が、相手の攻撃モーション、硬直時間、有効射程の全てを教えてくれている。「そこだ」 技の終わりの僅かな隙。カリナはティルヴィングを走らせる。クイック・リッパー。最短距離で振り抜く高速の一閃が、カーセルの脇腹を掠めた。「ぐッ!?」 カーセルのコーナーに設置された水晶に、ピシリと小さな亀裂が入る。「まだまだ! ツインカッター!」 カーセルが左右から素
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