翔は体調が悪化し、帰りたいと訴えたため、瑛司と翔は昨日の夕方、P市に戻っていた。現在、翔は高熱を出していた。瑛司はすでに翔を診察させるために医者を呼んでいたが、熱は一向に下がらなかった。瑛司は翔のそばに座り、ずっと付き添っていた。「熱は全く下がらないのか?」瑛司は里奈に尋ねた。「はい、社長。むしろ上がっています」メイド服を着た里奈は体温計を見せながら答えた。瑛司は再び翔の蒼白な顔を見つめた。翔は、昔絵理が買ってくれたコアラのぬいぐるみを抱きしめながらぐずり続けていた。「ママ……僕、頭が痛いよ、ママ。僕、ママと一緒にいたい」翔は両目を閉じたまま苦しそうにうめいた。「翔、ここにパパがいるぞ。今から病院に行こうな?」瑛司は翔の頭を撫でながらなだめた。翔は泣きじゃくりながら首を横に振った。「僕、ママに抱っこしてほしいよ、パパ……ママはどこ?」翔の悲痛な泣き声に、瑛司の心は切り裂かれるようだった。瑛司はすぐに翔の体を抱き上げ、自分が着ている厚手のコートで翔を包み込んだ。瑛司は素早く立ち上がり、翔の部屋のドアの前に立っている神谷に視線を向けた。「城田を呼べ!俺と翔を病院へ連れて行くよう指示しろ!」瑛司は焦燥感に満ちた顔で叫んだ。「承知いたしました」瑛司は翔を抱きしめ、腕の中でその体温が非常に高いことに気づくと、急いで家を出て車に乗せた。翔はずっとうなされ、眠りも浅かった。絵理奈のブティックから帰ってきたその夜は、うわ言を言い、ママに行かないでと泣き叫んでいたのだ。「パパ……パパ、どこにも行かないで、パパ」瑛司の腕の中で翔が言った。瑛司は小さく首を横に振り、翔の額に口づけをした。「ああ、どこにも行かないよ。病院に行こうな、翔……早く良くなるようにな」「痛いよ、パパ。僕、頭が痛い」瑛司の目頭が熱くなった。四年以上翔を育ててきて、翔が病気になったことは何度もあったが、ここまで酷い状態になったのは初めてだった。瑛司は、絵理にそっくりな絵理奈のことが頭から離れず、翔がこんなにも体調を崩してしまったのだと確信していた。病院へ向かう道中も、翔はずっと泣き続け、またママに抱っこしてほしいと言い続けていた。「しーっ、落ち着いて、翔。もうすぐ着くからな」瑛司は翔に囁いた。やが
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