数日後。琴音の誕生日パーティーの日がやってきた。絵理奈はそのイベントを、伊達家が所有する星付きホテルで開催した。招待客たちが次々と到着した。子供たちから、伊達家と親戚関係や良好なビジネス関係にある大人たちまで、様々だった。スカイブルーのドレスに身を包んだ琴音は、とても愛らしかった。風船で遊ぶ美しい琴音の手を引きながら、絵理奈は招待客に挨拶をして回った。「うーんと……お兄ちゃんはどこ?どうしてまだ来ないの?」琴音は唇を尖らせて、小さな声で呟いた。「琴音、あそこに琴音のお友達の恵ちゃんがいるわ。早く挨拶してきなさい、琴音」絵理奈は愛娘を促した。「やだ。琴音はここで待ってるの」琴音は答えた。琴音は手に三つの風船を持ったまま、入り口の近くから頑なに動こうとしなかった。その美しい目は外の方向をじっと見つめ、待ちきれない様子で不安げな表情を浮かべていた。それを見ていた絵理奈も戸惑い、不思議に思った。「琴音、誰を待っているの?パパはまだ帰ってこられないのよ」絵理奈は身を屈め、愛娘の頬を撫でながら言った。絵理奈は、琴音が今日宗介が来るのを待っているのだろうと考えた。むっつりと黙り込んでいた琴音だったが、突然満面の笑みを浮かべた。琴音は思わず前方の方を指差した。「お兄ちゃーん……!」琴音は大声で叫んだ。絵理奈のハグから抜け出し、琴音は小さな足で急いで外へ走っていった。絵理奈と志津香はすぐに前方へ目を向けた。琴音のために巨大な白いクマのぬいぐるみを持って現れた人物を見て、絵理奈は両目を大きく見開いた。「神崎社長……翔くん?」絵理奈は驚いて呟いた。絵理奈は少しの間立ち尽くし、考えた。私はあの人たちを招待していないのに、どうしてここにいるの?!あちらでは、琴音が翔の到着に大喜びしていた。小さな琴音は翔に強く抱きついた。翔も琴音へのプレゼントとして、大きなぬいぐるみを持ってくるようパパに頼んでいた。「うーーん……お兄ちゃん!琴音、お兄ちゃんは来ないかと思ってたよ」琴音は翔に抱きついたまま言った。「来たよ。パパが、君が誕生日パーティーに来てほしいって言ってたって教えてくれたから」翔は甘く微笑んだ。「お誕生日おめでとう、琴音ちゃん……」「うん。ありがとう、お兄ちゃん」
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