誠は呆れた。「……」店員も混乱した。誠を見る目は一瞬にして複雑になって、震える手は今にもポケットのスマホに伸びて警察に通報してしまいそうな勢いだった。この男、見た目はちゃんとしてるし、背も高くてイケメンなのに、どうしてこんなクズなの?奥さんが死んだのをいいことに義妹を口説いて、お金は使わせないくせにDVまでするって?誠は奥歯をきつく噛み締めた。「九条さん」しかし真理は彼が怒っているのなどお構いなしで、ブレスレットをつけると、しばらく眺めてから手首を振ってみせた。「これに決めたわ。私、買い物する時はグラム数なんて見ないの、デザインが良ければそれでいいのよ。お会計お願いね、お義兄さん」誠はスマホで支払いを済ませたが、その間も店員からの驚きと軽蔑の入り混じった視線を一身に浴びる羽目になった。若い女の子を店に連れてきてゴールドを見せたくせに、たった四、五グラムのブレスレット一本しか買わないなんて、本当にケチな男だ。誠は店員の言いたげな視線をじっと見つめ返し、真理を連れて店を出た。「私はこの後仕事がある。九条さんは一人で帰ってくれ」真理は彼を見つめた。これだけ冷たい目を向けられたというのに、男の顔には全く不快な色が見て取れなかった。本当に、どうしようもなく図太い神経をしているようだ真理は彼に向かって手を振った。「オッケー、また週末ね、お義兄さん」プレゼントはしっかり受け取ったのだから、週末の食事会には当然行くつもりだ。誠は彼女のしなやかな後ろ姿を、数秒間見つめていた。やがて、仕方なさそうにフッと笑った。私も私だ。あんな小娘相手に、何をムキになってるんだか。……週末の朝早く、真由美は遥を呼び出し、結婚式の準備について相談していた。遥が家に入ったばかりの時、麗子が別棟の方から血相を変えて駆け込んでくるところだった。彼女は真由美の手をガシッと掴んだ。「お義姉さん、今朝お爺様から電話があってね、真理にあのお爺様が決めた相手とお見合いしてこいって言うのよ!」麗子は、お爺様が本格的に動き出す前に、何とか真理を嫁がせてしまおうと焦っていたのだ。まさか淵のあのバカが、あんなに役立たずだとは思わなかったのだ。お爺様の周りにいる家政婦たちをからかい、お爺様を怒らせた以外、あいつ
Read more