病院からの電話が鳴った瞬間、俺たちはまだ布団の中で裸で抱き合っていた。 昨夜は結局、涙と熱と愛を何度も交わしたあと、そのまま眠りに落ちた。 シーツは白い跡と汗でぐちゃぐちゃ、体はまだ熱を持ったままだった。 電話に出たのは颯音だった。 颯音「はい……え……ほんとに……!? 今すぐ行きます!」 颯音が受話器を置くと同時に、俺に抱きついてきた。 颯音「おばあちゃん……今日、退院できるって……!」 俺は言葉にならなかった。 ただ、颯音の背中をぎゅっと抱きしめて、 声を上げて泣いた。 颯音「生きてる……ほんとに生きてる……!」 急いでシャワーを浴びて、服を着て、家を片付ける。 台所は血痕を徹底的に拭き取り、 割れた皿は全部捨てて、新しいのを並べた。 おばあちゃんの部屋には新しいシーツと枕を用意して、 窓を開けて空気を入れ替え、 玄関には手作りの「ようこそお帰りなさい」のボードを飾った。 颯音「……蓮、ちゃんと笑えるかな」 蓮「……俺も緊張してる」 でも胸の奥は、熱くて、震えて、 生きている奇跡に、ただただ感謝しかなかった。 タクシーが家の前に停まった。 運転手さんに支えられて、おばあちゃんがゆっくりと降りてくる。 顔色はまだ悪いし、右半身が少し不自由そうだったけど、 確かに、生きて、笑顔で、 「おかえり」と言う準備ができていた。 おばあちゃん「……ただいま」 颯音が真っ先に駆け寄って、おばあちゃんの腕にすがりついた。
Last Updated : 2025-12-11 Read more