Semua Bab 久我探偵事務所の灯りの下で: Bab 81 - Bab 82

82 Bab

灯りの下③

 やわらかな灯りの下でレイは続ける。「誰もぼくを必要としてくれなくて、いらない存在なんだって、悪夢が……」 彼を蝕んでいたのは、いじめられた時の記憶だ。 茶々丸という、社会とのつながりを保つ唯一の理由を失って、迷子になっていたのだ。「だから、変なことすれば、みんなかまってくれるって、思った」 それが帯裏ミステリーだった。「なのに、タケがずるをした。だからムカついた」「すまなかったな。だが、見過ごすわけにはいかなかったんだ」「追いつめてやろうと思った。ぼくをいじめたやつらと同じだと、思ってた」 その言葉には誰も反応できなかった。ただ、璃久が言う。「ボクもそうなんですけど、人って、自分の知っている範囲でしか、物事を捉えられないんですよね。 新しいことや未知のものを、無意識に、すでにある知識や経験にあてはめちゃうんです」 何人かがうなずき、感心してから、レイを見る。「狭かったな、お前の世界。でも、これからはそうはさせないぜ」 間遠はそう言ってレイの肩へ腕を回した。「いつでもここに遊びに来い。神崎はだいたいいるし、オレがいる時なら話し相手になってやる」 レイが小さく嗚咽を漏らした直後だった。「待て、間遠。僕はまだ許していないぞ」 温かくなりかけた空気が一気に冷めた。「ここは僕の事務所だ。最終的な判断は僕がくだす」 正論だった。「まあ、そうだよな。久我ちゃんの言う通りだ」 と、鯉川は缶ビールを開けた。「ボクは部外者なので黙ってます」 璃久はお寿司をいくつも皿に取り、神崎も言う。「その前に浩介の意見も聞いてやってください」「え、自分? あー、えっと」 注目された相楽は困惑しつつも、立ちあがってレイを見た。「正直、許せません。レイのやったことは悪質だし、事情があったからって同情もしません」 相楽の声は大きくてよく通るだけに、レイの心へまっすぐ届くように思われた。「けど、大事なのは過
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おまけ:その後の灯りの下

 楽しく会食が続く中、久我がふとたずねた。「康人はレイのどこがよかったんだ?」「目」「即答かよ。というか、答える前に失礼だとか文句を言うのが普通だろ」「どうせ聞かれるって思ってたからな」 康人はけらけらと笑い、久我は息をつく。「それで、何で目なんだ?」 レイこと如月零は色が白く細身の男で、顔はどちらかというと童顔だ。 彼から敵対する態度が失われた今、どこか守ってやりたくなる雰囲気がある。「切れ長の一重っていうの? あの目ににらまれると、ぞくっとしてさぁ」 と、康人が熱っぽく語り、久我は冷たく言う。「もういい、分かった。お前がド級の変態だってこと、失念してた」「その言い方はひどいなぁ。まあ、否定はしないけど」「まさかとは思うが、自ら僕の代わりに狙われることを選んだのも、不純な動機からなのか?」「いや、あの頃はまだ半々だったよ」「半分あるじゃないか」「だって、見知らぬ他人から蔑まれるなんて、俺にとってはご褒美でしかなかったし? こんなチャンス逃せるかよって思って」 そんな二人の会話を聞いていた間遠は、レイへたずねた。「レイは康人さんのこと、好きなのか?」「いや、好きっていうか……断りきれなかったというか」「あんな変態だけど、大丈夫か?」 困惑した様子で、レイは伏し目がちになった。「分からない。誰かと付き合ったこと、ないから」「あー、そりゃそうだよな。質問したのが悪かったな、ごめん」「ううん、いいよ。それに、康人って犬みたいなんだよね。ちょっと茶々丸に似てるっていうか」 レイが康人へ視線を向ける。 顔の似ていない双子はいまだに言い合っており、仲睦まじい様子だ。 間遠も彼らを見ながら言った。「人懐っこいんだよな、康人さんって」「うん。あっち行けって言っても、追ってくる」「犬だな」 と、間遠は思わず苦笑した。 康人がそんな人だとは思わなかったが、分
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