その夜はクリスマスイヴだった。 仕事終わりに相楽が急いでプレゼントを買いに行き、神崎は予約していたチキンを受け取ってから家に帰った。 彼はいったい何をくれるのだろうか。何をもらえても嬉しいが、ウカポンならもっと嬉しい。 わくわくしながら彼の帰りを待つこと、およそ一時間。「ただいまです」 やっと相楽が帰ってきた。「おかえりー」 と、神崎は声をかけて玄関の方を見た。相楽は脇に大きな袋を抱えていたが、何やら両手にも荷物を持っている。「どうしたの、その荷物」 たずねる神崎へ、相楽はテーブルの上に荷物を置きながら返した。「姫山さんからクッキー缶と、大家のおばちゃんから、かぼちゃの煮物のおすそ分け。あと、こっちは向かいの進藤さんから、みかんです」 神崎は思わずぽかんとしてしまった。「え、何? どういうこと?」「自分にもよく分かんないですけど、近所で子どものクリスマス会があったらしいんです。 それでアパートの前で姫山さんがおばちゃんと話してて、通りがかったら声をかけられて」「ふーん……?」 姫山さんは二つ隣の部屋に住む若い奥さんで、オーナーのおばちゃんは六十歳前後の気さくな人だ。「そうしたら、進藤さんの旦那さんまで出てきて、みかんもらっちゃいました」 進藤さんは歩道をはさんだ向かいの一軒家に住んでおり、引っ越しの時にたまたま顔を合わせた程度の知り合いだ。「何か全然分かんないけど、まあいいか」 とりあえずかぼちゃの煮物を皿に移し、電子レンジで温める。タッパーはきちんと洗って返さなければ。 寝室でコートを脱いできた相楽が、あらためて大きな袋を手にした。「寿直さん、これ。クリスマスプレゼントです」「ありがとう」 にこりと笑って受け取った。 大きさからしてそうだろうと思っていたが、可愛くラッピングされた袋を開けると、大きなウカポンのぬいぐるみが出てきた。「わあ、可愛い!」 手触りが良くてふかふかだ。 胸にぎゅっと抱くと気持
آخر تحديث : 2026-02-18 اقرأ المزيد