SPはこっちに来ているから、施設の警備がガラ空きだった。 たった1万円ほどの金欲しさにサトルを取り返しに坂崎が施設に乗り込んで来たんだ!「リョウ、待ってろ! すぐ行くっ!! サトルは? サトルは無事かっ!?」「わかんないっ……怖いよお……ひっく……うわあぁあぁーん!!」 リョウが電話口で泣き出した。よほど怖いのだろう。かわいそうに。「大丈夫、近くにいるからすぐ行く! 待ってろ、リョウ! サトルから目を離すんじゃねえぞ! 俺が行くまで頑張れ!!」 急いで電話を切って内藤の方を向いた。「説明は後だっ! 俺と一緒にマサキ施設に来てくれ! アンタが探している、サトルがいるんだ!! あいつ、今、大変な目に遭ってる! 急ぐぞっ!!」 敬語を使うのも忘れて、俺は内藤に向かって叫んだ。 SPも同行するよう促し、内藤の腕を引っ掴んで施設目指して走り出した。 俺がグズグズ悩んでだから、こんなことになったんだ。さっさと事情を話して施設に向かっていたら、子供たちを怖い目に遭わせることもなかったのに。ホント最低だ。 大急ぎで施設へ行くと、美羽とサトルと坂崎が施設の小さな広場でモメていた。 坂崎は恐ろしい罵声を美羽に浴びせているが、彼女は微動だにせず、大柄の力の強い坂崎から、サトルを取り返そうと必死になっている。 「悟っ、悟――っ!!」 泣き叫ぶ我が子の姿を見た内藤は、サトルの名前を呼びながら大柄の坂崎に体当たりした。 内藤は細いから坂崎はビクともしなかった。しかし負けていない。サトルを奪い返すと、ぎゅっと抱きしめて坂崎から守ろうとして、その場で蹲った。 「なんだ、テメエ、邪魔すんなっ!」 坂崎が内藤の背中を蹴飛ばした。しかし内藤はサトルを強く抱きしめて、サトルに危害が及ばないよう、
続きを読む