あれから雑務を片付け、美羽を呼びつけたホテルの部屋に到着した。 最上階の、超高級ロイヤルスウィートルーム。 ワンフロアにたったひとつしかない、ゴージャスな部屋。 この部屋、一泊100万円くらいするんだけど、エスティンの社長が、土産の和菓子の礼にと、特別に用意してくれたから支払いは不要。 さらに今日の会見では、彼が溺愛している娘との久々の食事の予定があったから、こちらは俺に任せてくれと家族の時間を大切にすることを進言した。娘をいちばんに考えて欲しい、と。俺が幼少期辛かったから、子供の気持ちになって欲しいと説得したら、彼にとても感激された。 この部屋は、その見返りってわけだ。料金タダっていうのがいいな。 俺も結構、無料というキーワードが嬉しくなってきた。美羽の影響だ。節約術も身についてきたと思う。 1泊100万円なんて、破格だよな。 俺はそんな金があるなら、寄付するか投資するか、子供たちに玩具のひとつでも買ってやりたいって思うようになってしまった。昔は平気で使ってたけど、今じゃもうできない。 矛盾しているのは解ってる。俺はこんな金額の支払いが当たり前の世界で生きてきたし、それをまだまだ儲けるビジネスとしてやっていくつもりでいる。 その裏で、大金があるなら少しでも寄付して困ってる子供たちを救いたい――そう、思うようになったんだ。 海外では日本よりも、更に貧困で苦しむ子供たちが大勢いる。 親に盗みを強要されたり、身体を売ったり、草を食って生きていたり、悲惨な暮らしを余儀なくされている。 俺が立ち上げた機関で、一人でも多く救ってやりたい。 今回ビジネスチャンスを与えた医療会社に、多くの良質なワクチンや薬を作らせた。医療もまともに受けられない子供たちに、少しでも食料や作った薬を届けたいと思う。 俺の会社で得た利益の5パーセントのうち、医薬品には1パーセントを充てる。残りの1
더 보기