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All Chapters of 独占欲に捕らわれて: Chapter 11 - Chapter 20

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淫らな一夜

義和が千聖をエスコートしたのは、高級ホテル。部屋に着くと、千聖は風呂に湯を張った。義和はフロントに電話して、シャンパンを頼んだ。千聖が義和のコートやスーツをハンガーに掛けていると、シャンパンが運ばれてきた。「千聖ちゃん、口直ししようか」義和はグラスにシャンパンを注ぎながら言う。「あら、ありがとう」千聖は義和の隣に座ると、グラスを受け取った。「それで、君が嫌がるってことは、相当面倒な合コンだったんじゃないか?」「えぇ、最悪だったわ……」千聖は参加メンバーの話を、特にしつこく話しかけてきていた紅玲の話をした。「なんか愚痴っちゃってごめんね……」一通り話し終えると、千聖はため息をついてシャンパンを流し込む。「私が聞きたくて聞いたのさ。それにしてもその紅玲くん、見る目はあるね」「え?」紅玲を褒める義和の言葉に、千聖は驚いて彼を見た。「千聖ちゃんのことをよっぽど気に入ってたんだろう? つまり、女性を見る目があるということだよ」「もう、ヨシさんは口が上手いんだから」千聖は笑いながら義和の肩を軽く叩いた。「私は本気でそう思っているんだがね。美人なのはもちろんだが、下手に媚びを売らないし、気遣いもちゃんと出来る。なにより、ベッドの上で乱れる君は、とてもそそる……」義和は千聖の耳元で囁くように言う。「じゃあ、さっそく乱れてみる?」千聖は挑発的な笑みを見せると、義和の唇をチロリと舐める。義和は千聖の頭を片手で押さえると、彼女の口内に侵入しようと舌を押し込み、千聖はすんなり受け入れる。柔らかな舌で歯列をなぞられ、千聖は快楽に小さく震える。(あぁ……っ! ヨシさんのキスってどうしてこんなに気持ちいんだろ?)どちらからともなく舌を絡め合い、口端からは混ざり合った唾液と千聖の甘い声が漏れる。千聖は息苦しさを感じると、義和の肩を軽く叩く。義和は数秒ほど解放すると、再び唇を塞ぎ、唾液を貪る。あまりにも濃密なキスに、千聖の腰は揺れ、ヴァギナからは愛液が垂れ流れてくる。
last updateLast Updated : 2025-12-16
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淫らな一夜2

息継ぎをさせるのに義和が唇を離すと、千聖は義和の胸板に頬を寄せる。「ヨシさん……私、もう欲しくなっちゃった……」トロンとした目で義和を見上げると、彼は小さく笑った。「まだキスだけだろう?」義和は千聖を優しく押し倒すと、大きな胸を揉みしだきながら、音を立てて首筋や鎖骨を舌で愛撫する。指は乳輪に触れるかどうかのところをぐるぐると回っている。「んっ……は、ぁ……焦らさないでぇ……!」じれったさに千聖が懇願すると、義和は喉を鳴らすように笑う。「千聖ちゃんは欲しがりだね」義和はニヤリと笑うと千聖の左乳首に吸い付き、右乳首は指先でこねくり回した。「はぁあんっ! 気持ちい……あぁ……もっと強くぅ……!」千聖は口端から涎を垂らし、腰をくねらせる。「君は本当にどうしようもない淫乱だね」義和は左乳首を甘噛みして引っ張り上げ、それに合わせて右乳首もぐりぐりとつまみ上げた。「ああぁっ、すごい……!」義和の指先は千聖の右乳首を離すと、すぅっと彼女の躯を伝い、太ももへたどり着く。今度は手のひら全体で千聖の滑らかな太ももを撫で回す。「ふ、んんっ……ヨシ、さん……はあぁ……」くすぐったさと小さな快楽に、千聖は小刻みに躯を震わせる。「ねぇ、こっちも……。お願いよ」千聖は恥じらう様子もなく、足を大きく開く。少しくすんだピンク色のヴァギナは愛液でテラテラと輝き、シーツに染みまで作っている。その上では陰毛が控えめに生えている。「千聖ちゃんの積極的なところ、好きだよ」義和がクリトリスにチュッと軽い口付けをすると、千聖の躯は小さく跳ねた。その様子を見て小さく笑うと、義和は千聖のクリトリスを舌でやわやわと刺激し、指でGスポットを擦り上げた。「ひあああぁ!! イイトコばっかぁ……やあん、感じすぎちゃうのぉ……!」千聖はガクガクと躯を震わせ、抑えることなく淫らに啼く。
last updateLast Updated : 2025-12-16
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淫らな一夜3

「あ、あ、あぁっ! もう、や、あぁ……!」千聖が絶頂を迎える寸前で義和は責めるのを止め、顔を上げた。「もう少しだったのに……」「そう言いながらも焦らされるの、好きだろ?」不服そうな顔をする千聖に、義和は意地悪く笑ってみせる。「そうだけど……」「そんな顔しないで、今度はイかせてあげるから」義和は千聖の額にキスをしながら、自らのペニスにコンドームを被せた。義和のペニスは昔から遊んでいるせいか黒ずんでいるものの、日本人の平均よりは大きい。ペニスがヴァギナの入口にあてがわれると、千聖の口から悩ましげな吐息が漏れる。義和の大きなペニスは、じゅぷじゅぷと水音を立てながら千聖のナカに侵入する。「ああああぁ……! これよこれぇ!」千聖はうっとりと義和を見上げる。「千聖ちゃんにそう言って頂けるのは光栄だね」序盤だというのに、義和は強く腰を打ち付けた。ぶつかり合う度に結合部からは愛液か飛び散る。「はうぅ、ああっ! いきなり激しっ……! あぁ、いいの!」義和の動きに合わせて腰を振り、ペニスが侵入する度に緩め、抜かれる度に締め付けた。千聖のあまりにも淫らな腰使いに、義和は思わず小さく唸る。「くぅ……! そんなことされたらすぐにイッちゃうよ……」「んあぁ! はぁ……! いいの、いくらでもイッていいの! あっ、んん! 千聖で……千聖でたくさんイッてぇ!」「はぁ……! 千聖ちゃん……!」義和は千聖の腰を掴むと、さらに激しく腰を打ち付ける。今まで以上の快感に、千聖はさらに義和を締め付け、仰け反りながら嬌声をあげる。「あ、あっ、あああぁ! い、あぁ!イッちゃ、んあああぁ!!!」「あぁ、イきなさい……私ももうイク……!」千聖の声にならない声が、室内に響き渡る。「はぁ、はぁ……ふぅ……」義和はある程度息を整えると、千聖のナカからペニスを引き抜いた。「はぁん……!」千聖はビクリと躯を跳ねさせる。義和がコンドームを捨てようとゴミ箱にその手を伸ばすと、千聖はコンドームを奪い去った。「千聖ちゃん?」「ふふん」訝しげな顔をする義和に、企むような笑みを見せる千聖。千聖は上を向くと、コンドームをひっくり返した。義和の精液が、千聖の口に流れ込む。絞るようにして飲み干すと、千聖はドヤ顔でカラになったコンドームを見せつけ、こう言うのだった。「ごちそうさま」し
last updateLast Updated : 2025-12-16
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予想外

義和と熱い一夜を過ごして半月後の金曜日。この日は千聖の給料日でもある。仕事を終わらせた千聖は銀行でお金をおろすと、アイスクリーム屋へ足を運んだ。店内に入ると若い女性やカップル客がたくさんいる。千聖はいくつか席を空いているのを確認すると、レジへ並んだ。色とりどりのアイスクリームを眺めながら、自分の順番が来るのを待つ。前に並んでいる客は女子高生2人組だけだったので、すぐに順番が来た。「いらっしゃいませ、店内でお召し上がりでしょうか?」大学生くらいのアルバイトはにこやかに注文を聞く。「えぇ、店内で。バニラアイスとチーズベリーアイスのダブルをワッフルコーンでお願い」「バニラとチーズベリーのダブルで、ワッフルコーンですね。520円になります」アルバイトは金額を伝えると、テキパキとアイスクリームを用意し始める。千聖はお金を用意してアイスクリームができあがるのを待った。「お待たせ致しました、バニラとチーズベリーのダブルです」「ありがとう」千聖がアイスクリームを受け取ると、アルバイトは会計をしてレシートとクーポン券を渡してくれる。千聖は会釈をしてそれらを受け取り財布にねじ込むと、奥にあるふたり掛けの席に座る。なんとなくスマホを見てみると、母親から何回も電話がかかっていたことに気がつく。「会社出てからマナーモード切るの忘れてた……。なんの用なんだろ?」店内で電話するのはまずいと思った千聖は、メールアプリを開いた。大抵はLINEで済ませるが、スマホに抵抗がある母親とだけ、メールでやりとりをしているのだ。「何事よ……」メールも何回も送られていたようで、件名は「助けて」「どうしたらいいの?」「お願いだからはやく!」など、ただならぬ雰囲気だ。最初に送られてきたメールを開くと、とんでもない文章が書かれていた。件名:助けて本文:ヤクザがうちに押しかけてきたの。マサが100万円もの借金をしたっていうの。千聖、お母さんを助けて「はぁっ!?」あまりにも予想外な文章に、思わず大きな声を出してしまった。他の客達の視線に気づき、軽く頭を下げてから他のメールも確認していく。
last updateLast Updated : 2025-12-16
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予想外2

「もう……マジでありえない……」メールを全て読み終えた千聖は、テーブルに突っ伏した。そのはずみで、上に乗っているチーズベリーのアイスクリームがテーブルの上に落ちてしまった。「うっわ、最悪……」千聖が紙ナプキンを取りに行こうと立ち上がると、見覚えのある人物と目が合った。「あっれ? チサちゃん?」「げ……」この前の合コンでやたらと千聖に構ってきた紅玲だ。手にはチョコとバニラのダブルアイスクリームを持っている。「あーらら、落としちゃったの? ちょっとこれ持ってて」「え? ちょっと……」紅玲は自分が持っているアイスクリームを千聖に押し付けると、どこかへ消えてしまった。「どうしろっていうのよ……」千聖は持たされたアイスクリームと紅玲が消えた方向を交互に見る。紅玲はすぐに戻ってきた。手にはふたつのアイスカップと布巾。「おまたせー。はい、これでいいのかな?」千聖の前に置かれたアイスカップには、チーズベリーのアイスが入っている。驚いて顔を上げると、紅玲は空のアイスカップに千聖が落としたアイスクリームを布巾で滑らせ、綺麗に拭いていた。「ありがとう……」混乱した思考で出てきた第一声は、お礼の言葉。これには彼を毛嫌いしている千聖自身も驚いた。「ふふっ、どういたしまして。アイス、持っててくれてありがと」紅玲は千聖の向かいに座ると、千聖からアイスクリームを受け取り、ペロリとひと舐めする。「これ、いくらだっけ?」「いいよ、それくらい。それより、チーズベリーでよかった?」紅玲は片手で財布を取り出す千聖を制止すると、千聖の前に置いたアイスクリームを見ながら言う。「えぇ、あってるけど……。本当にいいの?」「いいって。高いものじゃないし。それより、はやく食べないと溶けちゃうよ?」「あ……」紅玲に指摘されてアイスクリームを見ると、バニラアイスはだいぶ溶けていた。「そうね……、ごちそうさま」千聖は落ち着かない気持ちでアイスクリームを食べ始める。(はぁ、気まずい……。どうしたらいいんだろ? もう、色々と……)母親からのメールと先程のアイスクリーム騒動で混乱しきった千聖は、天井からぶら下がる新商品のPOPを睨んだ。
last updateLast Updated : 2025-12-16
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予想外3

「で、なにがあったわけ? ずいぶんと動揺してるっぽいけど」唐突に言われ、千聖の肩が大きく揺れる。「……どこから見てたの?」「険しい顔でスマホを見てるところから」(……ということは、大声上げたのは見られてなかったのね、たぶん……)千聖は自分の都合のいいように解釈すると、紅玲の顔を真っ直ぐ見つめる。(コイツ確か金持ちなのよね……。若い男は苦手だけど、背に腹は変えられないか……)「チサちゃん?」「え? あ、なに?」紅玲から金を巻き上げる算段をしていると、急に顔を覗きこまれた。「大丈夫?」「うーん、ちょっとね……」千聖はわざと言葉を濁し、目をそらす。「アイス食べたら、一緒にごはん食べに行く? 個室の方が、話しやすいんじゃない?」(しめた……)紅玲の提案に、千聖は内心ほくそ笑む。「いいの……?」「もちろん。オレにできることならなんでもしたげるよ」「ありがとう、今とても心細いから嬉しい」千聖はそう言って微笑んでみせる。「じゃあ決まりだね。ちょっと予約してくるよ」紅玲は席を立ち、外へ行く。「ふぅ……。私としては助かるけど、あんなにあっさり騙されて、よく生きてくれたものね……」千聖は不思議そうな顔をして、外で電話している紅玲を見る。「おまたせ、ちゃんと予約できたよ」電話を終わらせて戻ってきた紅玲は、無邪気な少年のように笑顔で言う。「ありがとう、助かるわ」「どういたしまして」ふたりはアイスクリームを食べながら他愛のない話をし、食べ終えると外へ出た。「ねぇ、あなたが予約したお店ってどこにあるの?」「電車で2駅乗って、少し歩いたところだよ」紅玲はそう答えると、手を差し出した。(繋げって? ……仕方ないわね)千聖は渋々紅玲の手を握る。骨ばった大きな手に、彼が男性だったことを思い出す。紅玲は満足げな顔をして歩き出した。駅に着くと帰宅ラッシュで混雑している。「うわぁ……やっぱりこの時間って人がすごいね……。オレ、基本的この時間家に篭ってるから忘れてたよ……」気弱な声に横目で見れば、紅玲はげんなりした顔で人混みを眺めている。「人混み苦手なの?」「んー……、まぁ……。でもそんなこと言ってられないしね。行こっか」改札を抜けてホームに行くと、ちょうどお目当ての電車が来た。
last updateLast Updated : 2025-12-16
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予想外4

電車からはたくさんの人が降りてきたが、乗り込む客数も相当なもので、あとから来たふたりに座れる席などなかった。(慣れててもすしずめ状態はうんざりするわ……)千聖が内心ため息をつくと、紅玲は千聖を隅に立たせ、盾になるように立った。「優しいのね」「なんのことかな?」紅玲は素知らぬ顔で首を傾げる。それからふたりは駅に着くまでお互いに無言でいた。駅の外に出ると紅玲は小さく息を吐き、千聖をエスコートする。連れてこられたのは、高級フレンチ。「ここだよ」「ここ、高いんじゃ……」「気にしない気にしない」千聖が動揺するのもお構い無しに、紅玲は店に入る。品のいい初老のウエイターが、個室に案内してくれる。「さ、好きなの頼んで」差し出されたメニュー表には、金額は書いていない。「ありがとう」千聖はメニュー表を見ながら、目の前の若者が金持ちだと改めて実感した。だからこそ、こうして一緒にいるわけなのだが。「チサちゃん決まった?」「えぇ、決まったわ」紅玲は千聖から注文を聞き出すと、ウエイターを呼んでまとめて注文してくれた。「お話は料理が来てからにしようか」「そうね」千聖はうなずき、料理が来るのを待った。紅玲は夜景を眺めていて、千聖に話しかけてくる気配はない。おかげで頭の中を整理するのに集中できた。料理が運ばれてくると、紅玲はようやく千聖に目を向ける。「それで、なにがあったのかな?」「実は……私もまだよく分かってないんだけど……」千聖は前置きをすると、スマホを操作して母親から送られてきた最初のメールを開いた。「私には年子の兄がいるの。いい歳してまだバイトの、ロクでもない奴なんだけど……。それが借金したって、母からメールが来て……」千聖はスマホを紅玲に差し出した。紅玲は真剣な顔をしてスマホを見る。「メールはそれだけじゃないの……」「ほかを見てもいい?」「もちろんよ」千聖がうなずくと、紅玲はスマホを操作してほかのメールも確認していく。
last updateLast Updated : 2025-12-16
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予想外5

「全部読んだよ……」紅玲はスマホを千聖に返しながら言う。「ちょっとまとめてみようか。チサちゃんのお兄さん、マサって人が100万円もの借金して、借金取りが実家に来た。借金取りが利子が1日1万円なんて言ってるくらいだから、闇金だろうね。それでおにーさんは1万円しか借りてない……」「えぇ、そういうことになるわね。にしてもあのバカ兄貴、どうしたら1万円の借金が100万円になるのよ……。もう少しマシな嘘はつけないのかしら?」千聖は片手で頭を抱え、ため息をつく。「おにーさんの言い分は、たぶん本当だと思うよ?」「え?」思ってもいなかった紅玲の主張に、千聖は顔を上げる。「どういうことよ?」「んー……、闇金全部が全部ってわけではないだろうけど、こうやって水増しするところがあるんだよねぇ。きっとこいつらは、そういうタチの悪い連中なんだと思う」紅玲は淡々と説明し、千聖はその情報にぽかんと口を開ける。「水増しって……、犯罪じゃない……」「だから闇金融なんだって」紅玲は当然と言わんばかりに言うと、水をひと口飲んだ。「……ねぇ、あなたなんでそんなに詳しいの?」千聖が疑問を口にすると、紅玲は一瞬だけ真剣な顔をする。(まずいこと聞いたかしら?)千聖が自分の軽率な発言を悔いていると、紅玲は妖艶な笑みを浮かべ、人差し指を自分の唇に添えた。「ヒ・ミ・ツ。それよりさ、チサちゃんはどうするつもりなわけ?」「そうね……。貯金を切り崩せば利子含めて払えるの。でも、あんなヤツのために、貯金を切り崩すのもなんか癪……。そんなこと言ってる場合じゃないんだけど……」言葉にしていて、兄の愚かさと自分の幼稚さに嫌気がさした。「あっはは、チサちゃんは素直だねぇ。じゃ、オレと取引してみない?」「取引って、どんな?」「とぼけちゃって。本当は取引が目的で、オレとこうして食事してくれてるんじゃないの?」そう言う紅玲の声も表情も穏やかなものだが、なんとも言い難い圧がある。
last updateLast Updated : 2025-12-16
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予想外6

「……全部お見通しで連れてきたの?」「まぁね。だってチサちゃん、オレのこと嫌いでしょ? なのにアイス屋さんでオレのお節介素直に受け入れたし、同じ席に座っても文句を言わなかった。それどころか、こうしてオレに相談を持ちかけてきた。ということは、裏があるって考えるのは自然なんじゃない?」紅玲は笑顔を崩すことなく、見抜いたものを語っていく。「そこまで分かってるなら、なんで……」「チサちゃんが好きだから」あまりにもストレートな言葉に、千聖は固まる。「オレは、チサちゃんが運命の人だって信じてるから」千聖は茶化そうとしたが、紅玲の表情は真剣そのもので、とても茶化せる雰囲気ではなかった。「運命の人が、こんな取引持ちかけるかしら?」茶化すかわりに、嫌味ったらしく言った。「それはチサちゃんが本気で困ってるからでしょ?」「あなたって……」「まぁまぁ、嫌味言い続けても仕方ないでしょ? 取引の内容決めよっか」紅玲は千聖の言葉を遮ると、メモ帳の白紙のページを破り、ボールペンと一緒にテーブルの真ん中に置いた。「……そうね」紅玲の思考など到底理解できるものではないと悟った千聖は、渋々うなずく。「千聖ちゃんは明日休み?」「え? まぁ、カレンダー通りの休みだから休みだけど……」「じゃあ明日借金返しに行こっか」サラリと言う紅玲に、千聖は目を丸くする。「ずいぶんと急ね……」「あ、もしかして明日用事あった?」「いや、ないけど……」「それなら話の続きするよ」紅玲は気を取り直すように水を飲むと、もう一度千聖に視線を戻す。「メールからして、チサちゃんはこっちに出てひとり暮らししてるっぽいけど、それであってる?」「えぇ」「それなら実家の近くにある闇金だろうから、明日はふたりでチサちゃんの実家に行こう。それで……」「待った!」千聖は紅玲の言葉を遮り、あからさまに嫌そうな顔をする。「なぁに?」「実家に行こうって……。あなたも来るの?」紅玲は一瞬キョトンとしてから、小さく笑った。「さすがにオレは外で待ってるよ」その言葉を聞いて、千聖は胸をなで下ろす。
last updateLast Updated : 2025-12-16
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予想外7

「オレは近場にいるから、チサちゃんはお母さんから借金取りの話聞いてきて。名刺でも置いていってくれてればいいけど……。金融名と、できれば事務所の住所も聞き出してくれると助かるかも」「それはいいけど、事務所に乗り込むつもり?」千聖が眉間にシワを寄せると、紅玲はおかしそうに笑う。「乗り込むって、別に喧嘩ふっかけるわけじゃないんだから。マサくんの代理人を名乗って、借金返してきたげる」「そう……。それで、借金返済の見返りに、私は何をすればいいの?」千聖が身構えて聞くと、紅玲は長い人差し指をすっと伸ばした。「1ヶ月、オレのセフレになって」「それだけ?」「そうだよ」(よかったけど、拍子抜け……。運命だなんだ言ってるから、結婚を前提に彼女になれとか言われると思った……)「あ、肝心なこと聞き忘れてた」「なに……?」「チサちゃんの実家って、ここからどれくらい?」紅玲は固い顔をして聞く。「電車で2時間弱ってところかしら」「よかった、とんでもなく遠いところじゃなくて」小さく息を吐いて表情を緩めると、紅玲はボールペンを持った。「明日、オレが利子も含めて借金を肩代わりする。その代わり、チサちゃんは1ヶ月オレのセフレってことでいいね?」「えぇ」千聖が頷くと、紅玲はボールペンを走らせる。「じゃあ、これはチサちゃんが持っててね」紅玲が差し出した紙には意外と綺麗な文字で、借金はすべて紅玲が肩代わりするということと、千聖が明日から1ヶ月、紅玲のセフレになるということが書いてある。セフレ期間に至っては、ご丁寧に時間まで書かれていた。「意外と几帳面ね」「口約束だけじゃ、チサちゃんも不安だと思って」「そういうの、嫌いじゃないわ。安心して取引ができるもの」千聖は手書きの契約書を丁寧に畳むと、財布にしまった。「明日は9時に駅に集合ってことでいいかな?」「えぇ、構わないわ」「じゃあ、連絡先交換しとこうか」紅玲はスマホを出しながら言う。
last updateLast Updated : 2025-12-16
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