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All Chapters of 独占欲に捕らわれて: Chapter 41 - Chapter 50

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契約期間開始9

「まったく……。チサちゃんはどこまで俺を夢中にさせれば気が済むのかなぁ?」紅玲は千聖のラビアを舌から上に、クリトリスに触れないギリギリのところまで舐め上げる。「はうぅ……ああぁ! んくっ……はぁ……また、そんなに焦らして……」千聖はシーツを強く握り、小刻みに躯躯を震わせながら腰を振る。「すぐに終わったらつまらないでしょ?」紅玲はクリトリスに息を吹きかけると、再び丹念にラビアを舐め上げる。赤いワレメからは淫靡な香りと蜜が、チロチロと流れ出る。「ふ、うぅ……んんっ! そんなところじゃいやぁ! はやく……あぁ……っ! はやくちょうだい!」涙目になりながら訴える千聖に顔を近づけると、紅玲は彼女の額にキスを落とした。「泣かないで。今から、もっと気持ちよくしてあげるから……」「本当に……?」「本当だよ。たっぷり愛して、おかしくなるほど感じさせてあげる」紅玲は千聖の口を塞ぎ、やわらかな唇をゆっくり舐める。千聖は自らの舌で紅玲の舌を口内に導く。快楽を得ることしか考えられない今の千聖には、自分のヴァギナを舐めていた舌だなんて気にしている余裕などない。「んぅ、ふ……は、んんぐっ……!」互いに舌を潰すように押し付け合うと、紅玲は千聖の口内に唾液を流し込む。千聖は喉を鳴らしながら飲み込み、とろんとした目で紅玲を見上げる。「チサちゃんが欲しいもの、今あげるね」紅玲は再び千聖のヴァギナに顔を埋める。舌を勢いよくワレメに差し込めば、千聖は声にならない声を発しながら、飛沫を撒き散らして仰け反る。紅玲の顔は、千聖の愛液や潮でベタベタになる。それでも紅玲は顔を離そうとせず、ワレメに舌を抜き差ししながら愛液を吸い上げて飲み干す。「ひぃっ! あ、ああぁっ! すごいのぉ……! やああぁ!」千聖の躯は面白いほどよく跳ねる。ワレメから離れてクリトリスに吸いつけば、千聖は潮を吹きながら痙攣した。「ああああああぁっ!!! はぁ、はぁ……っ! んはぁ……」紅玲はベッドサイドに置いてあるコンドームを取ると、凶悪なほどに勃起したペニスに装着した。「ちょっとキツいかも……」苦笑しながら腰を揺らせば、鈍器のようなペニスも揺れる。
last updateLast Updated : 2025-12-16
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契約期間開始10

「チサちゃん……」紅玲は千聖に覆いかぶさり、抱きしめる。「はうぅ……!」感度が高まりきった躯は、抱きしめられただけで感じてしまう。「まだまだこれからだよ、チサちゃん。今度はオレのことも気持ちよくしてね?」囁くように言うと、紅玲は千聖のヴァギナにペニスを擦り付けた。「あうぅ……熱いの、ちょうだい……!」「欲しがりさんだね」紅玲は一気に腰を落とし、千聖の中に侵入した。「かはっ……!」凶悪な質量と勢いに声も出ず、千聖は大きく目を見開く。「っ……! はぁ……! チサちゃんのナカ、熱くてキツくて、すごくいい……!」ずっと挿入を我慢していた紅玲は理性など放り投げ、千聖に腰を打ち付ける。「あぁんっ! は、激しっ……! ひああぁっ! 死んじゃうぅ! 気持ちよすぎて……っ、死んじゃうのぉ!」「その時は一緒に死ぬから、もっと気持ちよくなっていいよ」紅玲は千聖を更にきつく抱きしめ、舌を絡め合わせる。「んふぅ!? んぁ、はぁ……っ! あぁ、らめっ、ふ、んんっ……!」千聖はそれに応えようと紅玲の背中に手を回し、舌を押し付け合う。紅玲の舌が千聖の口内を刺激する度に、彼女の膣はそれに合わせてキュウキュウ締まる。「くぅ……! そんなに締めたら、もう……!」紅玲は一心不乱に腰を打ち付け、千聖は彼の背中に何度も爪を立てる。興奮しきった紅玲には、引っかき傷ですら媚薬だ。「はぁ……いいよ、チサちゃん……! 好きなだけ引っ掻いて……」「あああぁっ! も、りゃめっ……! イクの! イきながらイクのぉ!」紅玲は千聖の最奥に入り込むと、身震いしながらゴムの中に欲を叩きつける。「ひゃああん! 深い……! あああああぁっ!!!」千聖ははしたなく舌を突き出し、紅玲の背中にギリリと爪を立てながら、本日最大の絶頂を迎えて意識を手放した。紅玲は千聖の上に崩れ、息を整える。「はぁ、はぁ……。ふふっ、こんなにセックスに夢中になったのは初めて……。やっぱりチサちゃんは、オレの運命の人だね」紅玲は自分の背中に回された千聖の腕を名残惜しそうにどかすと、彼女の頬にキスをして浴室へ向かう。
last updateLast Updated : 2025-12-16
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契約期間開始11

洗面台に行くと、紅玲は背中を鏡に映した。痛々しい引っかき傷がたくさんついており、1番大きな傷口からは、1筋の真っ赤な雫が垂れ落ちている。「まさかここまでなってたとはね……」滴る血を指で拭うと、ペロリと舐めて口角を上げた。「これはこれで、愛だよね」紅玲は上機嫌に鼻歌を歌いながら、浴室に入る。大きな檜風呂には、既に湯が張ってある。手を突っ込んでみると、すでにぬるま湯と化している。「女の子ってお風呂好きだからなぁ……。きっとチサちゃんも、楽しみにしてたんだろうね」紅玲は小さく呟くと、栓を抜いた。ゴポゴポと音を立て、ぬるま湯が吸い込まれていく。シャワーから水を出して熱めのお湯になると、いきなり傷口にかけた。痛みのあまり声を漏らすが、紅玲は笑っている。「これ見たら、チサちゃんはどんな顔するかな?」今度はスポンジを泡立てると、背中に腕を回して傷口ごと洗った。ひと通り躯を洗い終えた紅玲は、風呂に栓をして湯沸かしボタンを押す。ベッドに戻って襦袢を羽織ると、流れるお湯の音を聞きながら、まだ眠っている千聖にも襦袢を着せようとする。「そうだ……」なにかを思いついた紅玲はイタズラっ子の様な笑みを浮かべると、恥骨の部分に唇を寄せる。「気づくかな?」そう言って柔らかな肌に吸い付いた。静かな部屋に、リップ音が響き渡る。「うん、綺麗についたね」紅玲はつけたばかりの所有印を、満足げに指を這わせる。「んっ……」千聖は小さく声を漏らし、身動ぎをする。「ごめんね、チサちゃん。まだ寝てていいからね」紅玲は優しく話しかけながら、今度こそ襦袢を着せた。「お風呂沸く頃に、起こしたげるね」囁くように言うと千聖の髪にキスをして、彼女をそっと抱きしめた。15分もすると、お湯の音が止まる。「ちょっと可哀想かな……? チサちゃん、起きて?」紅玲は千聖の肩を揺らしながら、声をかける。「うー……」千聖は眉間に皺を寄せて唸るが、起きる気配はない。
last updateLast Updated : 2025-12-16
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契約期間開始12

「あっはは、意外と寝起き悪そう。チサちゃん、はやく起きて?」さっきより大きな声で揺するが、千聖はうーうー唸るだけで、起きる気配がない。「しょうがないなぁ……。お目覚めのキスが必要かな?」紅玲はそっと、自分と千聖の唇を重ねる。激しいディープキスをしようと、舌先で千聖の唇をつつくと……。「んんっ!?」千聖は目を見開き、紅玲を勢いよく突き飛ばす。「うわぁっ!?」紅玲は後ろに倒れた後、横に転がりベッドから落ちてしまった。「いったた……。おはよ、チサちゃん」起き上がってベッドに肘をつくと、紅玲はにっこり笑って千聖を見上げる。「おはよじゃないわよ! なにすんのよ、バカ!」千聖は顔を真っ赤にして、枕を構える。「ちょっと、この距離で勢いよく投げられたら絶対痛いんだけど……」「知らないわよ、このキス魔!」千聖が勢いよく枕を投げると、見事に紅玲の顔面に入り、彼は奇妙な声を上げてまた倒れた。「容赦ないなぁ……。揺すりながら声掛けても起きなかったんだから、キスで起こすしかないでしょ」「その思考回路は理解できないわ……」当然と言わんばかりに言う紅玲に、千聖は頭を抱える。「あっはは、そのうち理解できるって。そんなことより、お風呂沸いたよ」「え?」一瞬言葉が理解出来ず、キョトンとする。「お風呂、入りたかったんだよね? あの後気絶しちゃったから、ぬるくなってたけど、入れ直しといたよ」紅玲に説明され、ようやく意味を理解した千聖はベッドから降りた。「それはありがとう。さっそくひとりでゆっくりしてくるわ」「あっはは、わざわざ言わなくても、邪魔するつもりはないよ。オレはシャワー済ませたしね」「そう、それはよかった」ヘラヘラ笑いながら手を振る紅玲に見送られながら、千聖は浴室へ行く。檜の香りが広がる浴室は、あたたかい空気で満ちている。お湯が張られた湯船に手を入れれば、少し熱いくらいだ。「意外と気が利くのね」千聖はお湯を自分の躯に一通りかけると、湯船にそっと、自分の躯を沈めた。「はぁ……極楽……。まさか檜風呂があるラブホが存在するとはね……」
last updateLast Updated : 2025-12-16
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契約期間開始13

ふぅ、と息を吐くと、千聖は咳き込んでしまった。同時に、喉の乾きに気づく。「あれだけ声出したんだし、仕方ないか……」盛大なため息をつくと、紅玲に抱かれていた時のことを思い出す。(あんな若い人にあそこまで……。っていうか、1回のセックスで気絶って、よっぽどよね……。正直、途中からほとんど記憶無い……。私、変なこと口走ってないかな……?)小さな不安を抱きながら、千聖は風呂から出た。襦袢を羽織って部屋に戻れば、紅玲は畳の上であぐらをかいて座っている。小さなテーブルの上には、2本のペットボトルがある。「おかえり、チサちゃん。水とお茶、どっちがいい?」「お水をもらうわ」「どうぞ」紅玲はミネラルウォーターを、千聖に差し出す。「ありがとう」千聖はペットボトルを受け取ると、紅玲の向かいに座って一気に半分近く飲んだ。「結構飲むね。ま、あれだけ啼いてたし、それだけ喉も渇いちゃうよね」ニヤつきながら言う紅玲を睨みつける。「うるさいわね……」「怒った顔も可愛いよ」後輩なら怯む睨みも彼には効かないらしく、千聖ががっくり肩を落とす。「なんだかあなたといると疲れるわ……」「そのうち慣れるって」「慣れたくない」再び睨むも、紅玲は笑うだけ。「さてと、そろそろここから出ようか? もうちょっとゆっくりさせてあげたいんだけど、これ以上ここにいたら泊まりたくなっちゃうからさ」紅玲は千聖に背を向け、襦袢を脱いだ。千聖の視界に、痛々しい傷跡が映り込む。「ちょっと……! それ、どうしたのよ?」驚いた千聖が声をかけると、紅玲は不思議そうな顔をして振り返る。「それって?」「背中の傷……。最近できたような傷だけど……」そこまで言って千聖はハッとし、そんな彼女を見て紅玲はニヤリと笑う。「ねぇ、まさか……」「さっきのセックスで、チサちゃんがつけてくれた傷だよ。嬉しかったなぁ」嬉しそうに言う紅玲に、千聖は怒りで顔を真っ赤にする。「わざと素知らぬフリをしたのね!? 信じらんない!」「そんなに怒んないでよ」千聖は返事をすることなく、早々と着替える。「はやくしてちょうだい」「はいはい」紅玲は苦笑しながら返事をして着替えた。
last updateLast Updated : 2025-12-16
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契約期間開始14

ホテルから出ると、千聖はさよならと短く言って、早歩きでその場から離れた。「はぁ……、このまま今日が終わるの、なんか癪だわ……」千聖がカリカリしながら帰路を辿っていると、スマホが震えた。「誰かしら?」画面を見れば、浩二郎という男性からLINEが来ている。彼はパパリストのひとりで、千聖から彼に連絡することはない。というのも、浩二郎はどこにでもいるサラリーマンで、セックスはまぁまぁ上手いが羽振りがイマイチだ。食事に行けばファミレスの中でも1番安いところで、ホテルに行っても宿泊料金にならないよう、時間をこまめに気にしている。千聖としてはどんなに安い食事でも構わないが、この男は千聖が注文した後に財布の中身を確認し、自分の注文を決める。ホテルに関しても千聖は高望みしないが、浩二郎は料金看板と自分の財布を交互に見てから決めるのだ。千聖に渡すお小遣いも、ほかの男性は平均5万円だが、浩二郎は1万5千円、多くくれても3万円と渋い。「どうしよっかなぁ……。まぁ……アイツで終わるよりはマシかも……?」悩んだ挙句LINEを開くと、ご飯とホテルの誘いだ。千聖はイエスと答えて待ち合わせ場所を決めると、スマホをしまって待ち合わせ場所へ向かった。待ち合わせのビル前に行くと、くたくたの薄手のコートを着た中年男性が、そわそわしながら立っている。背は165センチ程度で、千聖と大して変わらない。むしろ千聖のほうが少し高いくらいだ。浩二郎は千聖を見つけると、小さく笑って手を振る。(相変わらず、ぱっとしない男ね……)千聖は内心後悔しながら、手を振り返して近づいた。「久しぶりだね、千聖さん」浩二郎は鼻の下を伸ばしながら、声をかける。「そうね。さっそくごはんにしない? 私、おなかすいちゃった」千聖は悟られないように明るく振る舞い、はやく終わらせようと食事を催促する。「僕もだよ。さっそく行こうか」浩二郎はおずおずと手を差し伸べ、千聖はその手を握った。身長同様に小さい手は、どこまでも頼りない。
last updateLast Updated : 2025-12-16
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契約期間開始15

ふたりは格安のファミレスに入ると、雑談をしながら食事を楽しむ。……といっても千聖には退屈で、誰でもいいからホテルでも食事でも誘ってほしいと思っていた。千聖の願いが通じたのか、彼女のスマホに着信が入る。画面には優奈の名前が浮かび上がる。「ちょっとごめんなさいね」「うん、いいよ」千聖は断りを入れると、ファミレスから出て電話に出た。「もしもし、優奈?」『千聖ー! ね、今暇?』やたらハイテンションな優奈は、叫ぶように言う。「……ずいぶん元気ね。暇だけど、なに?」『一緒に呑もーよ。聞きたいこともあるし?』(なんだろ? 聞きたいことって……)千聖は内心首を傾げた。「よく分かんないけど、いいわよ。どこ行けばいい?」『んーとね、駅前の居酒屋!』「オッケー、今から向かうわ」『あーい!』千聖は電話を切ると、申し訳なさそうな顔を作って店内に戻る。「ごめんね、浩二郎さん……。親友がヒステリック起こして大変だから、帰るわね」浩二郎は一瞬残念そうな顔をして、ぎこちない笑顔を浮かべた。「大丈夫だよ。千聖さんは友達思いだね」「数少ない友達なの。お詫びにここは奢らせて」千聖は5千円札をテーブルに置くと、早歩きで店を出る。2人分で2千円弱なのだが、手切れ金として5千円置いてきたのだ。「格安だけど、手切れ金置いていくだけ律儀よね」千聖はそう言いながら、浩二郎の連絡先をブロックして消した。駅前の居酒屋に行くと、優奈は大好物のカシオレ片手に、野菜スティックをポリポリとかじっている。「おまたせ、優奈。連絡くれて助かったわ」千聖がお礼を言いながら座ると、優奈はニヤニヤしながら彼女を見る。「それはどういたしまして。ところで、どういう風の吹き回しよ?」「はい?」なんのことか分からず、素っ頓狂な声が出る。「とぼけなくてもいいわよ。紅玲くんよ、紅玲くん。アンタ、あんなに嫌がってたのに、一緒にいたんだって?」「なんで知ってんのよ!?」千聖は思わず大声を出し、店内の人々の注目を集めてしまう。千聖は慌てて謝ると、優奈をじっと見つめる。
last updateLast Updated : 2025-12-16
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契約期間開始16

「誰から聞いたのよ? その口ぶりからして、人に聞いたみたいだけど……」「かずくん」優奈はそれだけ言うと、半分もないカシオレを飲み干して店員を呼び止めた。「すいません、カシオレください」「私は泡盛を」千聖はまだ注文していないことを思い出し、とっさに注文した。「カシオレと泡盛ですね、かしこましましたぁ!」店員は威勢よく言うと、厨房のスタッフに注文を伝えに行く。「それで、かずくんって誰?」「誰って、私の新しい彼氏よ。ほら、紅玲くんもいた合コンで知り合ったの」優奈に言われて合コンメンバーを思い出すが、興味がなかったせいで顔と名前が一致しない。「え? 誰? 髪型イケメン?」「……それはたぶん、さとるくんだね。かずくんはこの子だよ」優奈はスマホを出して写真を見せた。幸せそうな笑顔で優奈と一緒にピースサインをする童顔には、確かに見覚えがある。「あぁ、この子ね。付き合ったことすら初耳だわ……。で、彼氏くんはなんて?」「今朝、駅でふたりが改札通ってるの見たって。さっそく旅行デートにでも行ってるのかと……」「やめてよ、おぞましい」千聖はキツい口調で、優奈の言葉を遮る。冷えきったこのタイミングで、カシオレと泡盛が運ばれた。「カシオレと泡盛でーす」店員はそれぞれの前に酒を置くと、他の客に呼ばれた。「彼氏じゃないんだ。じゃあ、なんなの?」(相変わらずデリカシーないんだから……)ぐいぐい聞いてくる優奈に内心苦笑しながら、千聖は泡盛をひと口飲んだ。「セフレよ、セフレ。それも、期間限定のね」「え? ますますどゆこと? 千聖、若い子は嫌って言ってたくせに」優奈は身を乗り出して聞く。「優奈は私の家庭環境知ってるから言うけど、誰にも言わないでよ?」「うん、もちろん」“家庭環境” という言葉を聞いた瞬間、優奈の顔が引き締まる。千聖と都会に出てきた優奈は、ある程度は彼女の過去を知っているのだ。
last updateLast Updated : 2025-12-16
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契約期間開始17

「実はね、この前うちのバカ兄貴が借金したって連絡来たの」「え!? それ、ここでしない方がよくない? カラオケ行こ、カラオケ」優奈は一気にカシオレを飲み干すと、勢いよく立ち上がった。だが目眩を起こし、再び座る。「もう、お酒飲んだのにいきなり立ち上がるからよ……。でも、気遣いありがと。カラオケ行きましょうか」千聖は泡盛を飲み干すと、優奈に肩を貸しながら店を後にした。近くのカラオケ店で優奈にお冷を飲ませたところで、ようやく話せる状況が出来上がる。「えっと、お兄さんが借金したって?」「そう。それも闇金にね……。1万円だけ借りたらしいんだけど、あいつらの悪知恵で100万円になっちゃって……。しかも利子が1日1万円とか、馬鹿げた金額でさ……」「はぁ? なにそれ……。それで、お兄さんどうしたの?」優奈は前のめりになって、真剣に話を聞こうとする。「それが行方不明だってさ……。まぁ今は家にいるかもだけど、お母さんと実家の電話番号ブロックして削除したから、もう知らない」「うんうん、それがいいよ」力強く首を縦に振る優奈に、千聖は嬉しくなる。「仕事終わりにいつものところででアイス食べてたら、お母さんから連絡が来てたの気づいてさ、それで借金のこと知ったの。それで動揺してるところに、アイツが来てね……」「アイツって、紅玲くん?」「他に誰がいんのよ……。まぁいいや。それで合コンの時にお金稼いでるアピールしてた気がしたから、利用しようと思って相談したの。そしたら今日、借金返してくれたの。……その代わり、1ヶ月間アイツのセフレだけどね……」千聖はうんざりしたように言うと、お冷をひと口飲んだ。「へぇ……。にしても、1万円だけ借金するっていうのもずいぶん変な話じゃない? 何したんだろう?」「さぁ? バカの考えなんて分かりたくもないし、どうでもいいわ。そんなことより、歌いましょ」千聖は気持ちを切り替えるように明るい声音で言うと、十八番の曲を入れた。深夜2時までカラオケをして解散すると、千聖はようやく帰宅した。「久しぶりに優奈振り回したかも……。まぁいっか、いつも振り回されてるし」千聖は独り言を言うと、シャワーを浴びて眠った。
last updateLast Updated : 2025-12-16
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契約期間開始18

翌日の日曜日、紅玲からもパパからも連絡がなく、千聖は久しぶりにゆっくりした1日を過ごした。午前中には掃除と買い物、午後はサスペンスの再放送を見ながら、紅茶を飲んでいる。「平和だわ……」千聖が呟くと、インターホンが鳴った。「誰かしら?」玄関を開けると宅配業者の男性が、箱を持って立っている。「どうも、綾瀬千聖さんのお宅で間違いないですか?」「はい」「こちら割れ物なので注意してくださいね」箱を受け取ると、ずっしりしている。業者は一礼してその場を去った。「なにかしら?」リビングに持って行って送り主を確認すると、優奈からだ。箱を開けると、2本のボトルが並んで入っている。ボトルの間には、メッセージカードが挟まっている。カードには“遅れてごめんね。合コンのお礼”と書かれている。「そう言えば、そんな約束してたっけ」千聖はさっそくテキーラを開けて、お酒を楽しみながらその日を終えた。水曜日、千聖はパパと食事をしてホテルに行った。翌日も仕事があるため、セックスとシャワーが終わると現地解散してひとりでホテル街を歩く。(コンビニでなんか買って、宅呑みしようかな? とりあえず日本酒でしょ。あと、ワインと……)「あれ? 千聖さん?」宅呑みの計画を立てながら歩いていると、若い男性に声をかけられた。髪をワックスで遊ばせ、黒と青で統一されたラフな服装は、どこか紅玲に通づるものがある。柔らかい雰囲気のある整った顔をしているが、見覚えはない。「どちら様?」千聖が怪訝そうな顔をすると、男性はあぁ、と思い出したように声を出すと、ポケットからメガネケースを出してメガネをかけた。千聖にもようやく、彼が誰なのか分かった。「あなた、この前の合コンの……名前は忘れたけど」「斗真です」斗真は苦笑しながら答えた。「なにしてんの、こんなところで」「あなたと同じですよ」そう言って斗真は、茶封筒を振って見せると、ポケットに入れた。「金持ちの熟女抱いてきたのね」千聖がストレートに言うと、斗真は吹き出した。「オブラートに包まないんですね、面白いからいいですけど」斗真はクスクス笑いながら言う。第一印象とかけ離れた彼を、千聖は不思議そうに見る。「なんだか意外ねぇ……。結構堅物な人かと思ったのに。そうだ、敬語なんてよしてよ。どうせ歳近いんだし」
last updateLast Updated : 2025-12-16
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