Semua Bab 怖い話まとめ1: Bab 81 - Bab 90

99 Bab

神々と暮らす村

 最近体験した不気味な話。俺は彼女と同棲してる会社員。 その日は残業でギリギリ終電に乗って帰ってきて、飯も風呂もスルーして、ソファに寝そべった。 彼女に小言を言われたけど、もう動く気力がなくて、「風呂も飯も明日。もう動けない」って言うと、彼女はブランケットをかけて、常夜灯にしてくれた。 疲れ切った俺はすぐに寝て、不思議な夢の世界に迷い込んだ。 そこはまんが日本昔話に出てくる村みたいなところで、茅葺き屋根の家がぽつぽつあった。 村人達は畑を耕していた。 耕し終えると、変な石像の頭を撫で始める。石像は頭がふたつあって、手が何本もあった。たぶん5,6本くらい。「ナントカ様、ナントカ様。雨を降らしてくださいな」 村人達は石像の腕に何かを乗せ、片方の頭を撫でながら言う。名前のところは聞き取れなかったけど、何かを崇めてる感じだった。 数秒後、雨が降って、恵みの雨だと村人達は喜んでいる。中には変な踊りを踊ってるヤツもいる。 しばらくすると畑に水が張って、田んぼになった。 村人達はまた石像になにか持たせると、今度はさっきとは違う頭を撫でながら、「ナントカ様、ナントカ様。お天道様を呼んでくださいな」と言う。 これまた数秒後、雨が止み、雲一つない青空が広がった。 行く宛もないから彼らに近づくと、驚かれたけど、すぐに歓迎された。よく見ると村人全員、へんな石のペンダントをしている。 真っ黒な石に、穴がたくさんあいてて、穴のひとつひとつから、禍々しいオーラ? 気? が滲み出ていた。「新しいのが来た! 新しいのが来た!」 村人達は俺を囲んで踊る。困惑してると、白い着物を着た80歳とか90歳のよぼよぼのおじいさんが出てきて、村人達はおじいさんのために道を開けた。「よう来てくださった。ここは楽園じゃ。お前さんもここで神々と共に暮らすとよい」 おじいさんはそう言って、俺の首に村人達がしてるペンダントと同じものをかけようとした。ヤバいと思っておじいさんを突き飛ばして逃げると、追いかけられた。 振り返ってはいないけど、全員が怒りながら走ってきてる気がする。村人達の平均年齢は50歳くらいだったのに、すぐそこまで追いついてきてる。「待て、若造!」 しゃがれた声が聞こえるのと同時に、右腕に焼けるような痛み。「やめろおぉ!」 自分の悲鳴で起きる。常夜灯に照らされた
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-21
Baca selengkapnya

過去の栄光

 小学生の頃、クラスメイトに障害者がいた。ユウヤって名前なんだけど、障害で口が回らなくて、自分のことを「うーあ」「うーたん」「うーうん」と呼んでいた。 養護学校っていうのか? そういうところに入れればいいものを、親が「普通の子達と一緒に」と言って、無理やり入れたらしい。 ユウヤは休み時間だろうが、授業中だろうが、いきなりアニメの主題歌を歌いだしたり、アニメの内容を再現したりする。BGMやナレーションも、全部だ。 いきなり「ぱぱぱぱん、ぱぱんぱーん。今日もとってもいい天気」みたいな感じ。 これだけでも迷惑だけど、立ち上がって動き出すこともあってさ。皆迷惑してた。 特に可哀想だったのが、幼稚園と住んでる地区が同じの、Aちゃんっていう女の子。 担任が男で、1年から3年まで一緒だった。あ、書き忘れてたけど、少子高齢化のせいで、俺の学年は生徒が集まらなくて、クラスはひとつしかないんだ。 担任は幼稚園と地区が一緒だからって、Aちゃんにユウヤの世話係を任せて、席替えをしてもAちゃんはユウヤの隣だった。Aちゃんは世話係に任命された時に断ってたけど、「世話係っていうのは女の子がやったほうがいいんだよ。小学生から子育ての練習ができると思えばいいだろ」と言って、相手にしてくれなかったらしい。 そのせいでAちゃんは苦労し続けた。登下校は手を繋いで見てあげないといけないし、休み時間は友達と遊べない。 給食だってユウヤに食べさせないといけないんだけど、ユウヤは箸とかフォークとかを振り回して、なにかのごっこ遊びを始めることもあるから、危険が伴っていた。 1回、フォークがAちゃんの顔に当たって怪我をしたことがある。それでも担任は気にしなかったし、「保健室の先生には友達とふざけてたと言え」って圧をかけてた。 余談だけど、休み時間に担任が他の先生と話しているのを聞いたことがある。他の先生(女)に、「障害者の生徒の面倒を見てるなんてすごい」って言われてて「教師たるもの、どんな生徒も分け隔てなく接しないと」って言っててムカついた。 後から聞いたんだけど、ユウヤが振り回したフォークでAちゃんが怪我をした日、ユウヤ、Aちゃん、ふたりの両親、担任が集まって話し合いをしたらしいけど、ユウヤの両親も担任も、Aちゃんが面倒を見るのは義務だって言って聞かなかったらしい。 当時はボイスレコーダ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-21
Baca selengkapnya

電子機器接近禁止令

 子供の頃、私はずっとつまらない思いをしていた。ゲームはできないし、テレビも見れない。おまけに、どこにも連れて行ってもらえない。それは友達の家も例外じゃなくて、皆が誕生日会やお泊り会をしても、私だけ参加できなかったから、友達もどんどんいなくなった。 これは私の親が毒親だからではなく、私自身に原因があった。 というのも、私が触ったり近づいたりすると、電子機器が壊れるのだ。テレビとゲーム機の画面は砂嵐になって点滅し、そのまま動かなくなるし、電子レンジとか電気ポットも、私が近づくと壊れてしまう。 極めつけは遊園地で、乗ろうとしたアトラクションはすべて停止し、数日営業不可能になってしまった。 最初は私達家族の誰かは分からなかったが、父も母もそのような現象は初めてだから、ふたりは違う。5つ上の姉がいるけど、姉が産まれてからそういうことが増えたわけでもない。 じゃあ私が原因なんじゃないかってことになって、ちょっとした実験をしてみた。 この時期、地デジがどうとかで、テレビを買い替える人が多かったから、ブラウン管のテレビを知り合いからいくつかもらってきて、子供部屋にひとつ設置した。 テレビをつけっぱなしにして、ひとりずつ部屋に入ってテレビに触るというものだ。 集まったテレビはうちのも含めて6台。父、母、姉、私の順番で実験をすると、私が近づいた途端、テレビが壊れた。だいたいテレビを快適に見れる距離だった。 6台全部で実験してみたところ、結果はどれも同じで、私が近づくとテレビが壊れる。 この実験以来、私は様々なことを禁止されてしまったというわけだ。 その後、両親が色々調べたところ、霊が電子機器を狂わせることがあるというのを見つけ、霊媒師のところに行くと、「強い霊が憑いてる」と言い、お祓いをしてくれた。 けど、改善はされない。霊媒師を何人か訪ねたけど、結果は同じだし、高いから、霊媒師に頼ることはなくなった。 小学5年生の頃、親戚の集まりがあって、見たことない男の子がいた。男の子はSといって、親戚のひとりが一時的に預かってる子らしい。 Sは小学3年生で、ちょっと変わった子だった。なにもないところをじっと見つめたり、この辺の土地勘がない子なのに、ひとりで出かけて帰ってきたりしてました。 親戚の集まりは泊りがけで、二日目、私はSくんに遊びに誘われました。「お姉
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-21
Baca selengkapnya

学校に来た手品師

 うちには両親祖父母がいて、5人で暮らしてる。爺ちゃんは現実主義なのか、デリカシーがないのか、夢を壊すような発言ばかりする。 例えば、子供の頃って特撮見て、自分も〇〇戦隊や〇〇ライダーになりたいって思ったりするだろ? 変身シーンにワクワクしたりさ。 爺ちゃんはそういうの見て、「作り話だよ」って言うし、「これはワイヤー」とか「これはセット」とか言う。 ドラマで魚捌いてるシーンは、捌いてる人の顔と魚が交互に映ってて、「これはこの人が捌いてるわけじゃない。だから手元だけと顔だけのが交互なんだ」とか言う。 アニメも同じく仕組みを説明してくるんだ。俺のノートにパラパラ漫画を描いて、「これを色塗りとか本格的にやって、アニメができる。声をあててる人がいる」ってさ。 んで、爺ちゃんは手品師やってたんだけど、テレビでマジシャンが活躍すると、同じマジックをやった後、ネタバレをしてみせる。 マジックを見破るコツなんかもよく教えてくるから、マジックにも興奮しなくなった。 物心付く前からこんなことされ続けたんで、俺は冷めた子供だったと思う。友達がアニメとかマジックの話で盛り上がってても、うまく入っていけなかったし。 ここからが本題なんだけど、小6の頃、5時間目と6時間目は皆でマジックを見ることになってさ。テレビでも時々見るすごいマジシャンがうちの学校に来て、色々見せてくれるらしい。 皆大興奮で、休み時間の度にその話ばっかしてた。 でも俺は見ても仕掛けが分かって面白くないだろうなって思って、興味持てなかった。授業しなくてラッキーくらいにしか思ってなかったな。 給食食べて、昼休みに思いっきり遊んだこともあって、すごく眠かったから、俺は寝ることにした。 5時間目、体育館には俺達6年と5年が用意したパイプ椅子が並んでいる。そこに座って見るんだけど、前が1年生で、後ろが6年生だから、俺達は後ろの方。 座って待ってる間も、皆ソワソワしてるけど、俺はさっそく眠りやすいように、腕を組んで俯いた。 マジシャンが現れてにぎやかになったけど、前日こっそりゲームして寝不足だったこともあって、俺はうとうとしてた。 どれくらい寝てたんだろ? ちょっと起きた時に、マジシャンが協力してくれる人を探して、同じクラスのAが選ばれて、壇上に向かって歩くのが見えた。 まだ眠くて、俺はAが壇上に登り
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-21
Baca selengkapnya

階段裏のごみ子

 高校生の頃、ごみ子と呼ばれるクラスメイトがいた。名前はAで、顔はぱっとしないけど、どちらかといえば可愛いけど、地味な子だった。 Aと同じ中学の子達がいじめてるようだった。私は平穏に暮らしたかったので、彼女達に関わらないようにした。 1階の階段裏は掃除道具置き場になってて、Aはよくそこに追い込まれては、暴力を振るわれていたらしい。私も1回だけ、彼女が汚れたモップで顔を拭かれてるのをみたことがある。 9月下旬、Aは珍しく上機嫌だ。いじめっ子達はトイレに行ってていないので、Aに声をかけてみた。「今日は上機嫌だね。というか、先生に相談した?」「階段裏にね、友達がいるの」 相談の部分はスルーして、Aは答えた。 その日は日直で、窓を閉めたり、黒板を綺麗にしてから帰る。もうひとりの日直は、体調不良で早退したので、私ひとりだ。 廊下を歩いてると、楽しそうな声が聞こえる。よく耳を澄ませてみると、階段裏からだ。 もしかしたらAかもしれない。そう思って覗き込むと、Aだった。 Aは何かを抱えて、鼻歌を歌っている。「Aさん?」「あれ? どうしたの?」 階段裏から出てきたAは、ボロボロの人形を抱えていた。サイズは10センチくらいで、オパールのような首飾りをつけている。よく見ると頭にボールチェーンがついている。「この子がお友達。私のこと、助けてくれるんだって。これから連れ帰って綺麗にしてあげるの」 Aは人形を大事に抱えながら帰っていった。 翌朝、いじめっ子達の机の上に、菊の花が飾られていた。先に来ていた生徒はチラチラ花を見ながら、「やばいよね」「誰がやったんだろ」とか話してた。 後から来た生徒も気味悪そうに、彼女達の机の上にある菊の花を見ていた。 Aだけが上機嫌で、昨日の人形で遊んでいる。人形はAに綺麗にしてもらって、昨日と見違えるほど可愛くなっていた。「おい、なんだよこれ!」 いじめっ子達は遅刻ギリギリの時間に教室に入ると、自分の机にある菊の花を見てブチギレていた。「ざっけんなよ、クソが!」 彼女達は勢いよく菊の花を払う。花瓶が割れて、水や破片が床に飛び散る。「おい、てめぇだろ、ごみ子!」 胸ぐらを掴まれても、Aは楽しそうにしている。それが不気味で目をそらしたいけど、何故か目が離せなかった。 いじめっ子は3人いるんだけど、3人それぞれ、Aを
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-21
Baca selengkapnya

執着

 中学の頃、クラスにいじめられてる女子がいた。名前はA。Aはありえないほどブサイクで、それが原因でいじめられてた。 目は一重で、鼻はやたらデカい上に団子っ鼻。唇なんてたらこ唇の上位互換と言っていいくらいパンパンだった。誰もがAの顔を見て不快になり、消えてほしいと思っていた。 最低だけど、俺もそのひとりだ。 なんて言えばいいんだろう? あの顔を見るとイライラする。攻撃的な気持ちになるんだよ。 特にいじめてたのがBで、A菌が移ると騒いだり、椅子から蹴り飛ばしたり、アルコールをぶっかけたりしてた。 ひどい時は階段の途中から蹴り飛ばして、そのまま踏みつけたりしてた。 中学を卒業すると、皆Aのことを忘れていった。というのも、どういうわけか、Aはどの高校にもいなかったからだ。 クラスのライングループがある。Aはいないけど。皆そこでどの高校に行った、受験に受かった落ちたって話しててさ。 一応Aはいくつかの高校を受験したらしい。グループ内で、「Aも同じとこ受験受けてたんだけど」とか「あんなのと高校まで一緒とか最悪」とか、そういったチャットが飛び交っていた。 なのに、Aと同じ高校になったっていうチャットはない。 俺と同じく気になった人がいたらしくて、「そういえばAってどこ行ったんだ?」と聞いてきた。でも、誰も「うちの高校にはいない」と言ってたんだ。 死んだ説が出て、ちょっと盛り上がったくらいで、あとは皆、Aのことなんて綺麗さっぱり忘れてった。 ちょっと飛んで社会人になってからの話。社会人になっても交流のあるヤツが数人いて、そいつらと呑もうって話になった。Cが予約するって言うから、Cに全部まかせた。 当日、駅前で待ち合わせして、居酒屋に行く。やっすい居酒屋に行くのかと思ったら、ついたのは個室の飲み屋だ。「おい、ここ高いんじゃないのか?」「リーズナブルだから安心しろって」「予算オーバーしたらお前が出せよ」「何言ってんだよ」 俺、C、Dの3人は、店員の案内で奥の個室に入った。中はこじんまりしてて、落ち着く。「なんでわざわざ個室なわけ?」「ちょっと話したいことがあってな。とりあえず呑もうぜ」 Cはちょっとおかしかった。呑もうなんて言いながら、自分はソフトドリンクだし、運ばれてきた料理もあまり手をつけていない。「なんか元気ねーな。てか、話って?」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-21
Baca selengkapnya

山神の苗

 まだ小学1年生の頃の話。子供の頃、やたらかさぶたを剥きたがってた人って一定数いると思う。私もそのひとり。 今思うとなんであんなことしてたのか分からない。そんな悪癖が治った――というか、やめざるを得ない出来事があったの。 私は都会に住んでたけど、おじいちゃんの家は田舎にあった。夏休みとかはよくおじいちゃんの家に行ってた。おじいちゃんは大好きだけど、近くに遊べるところなんてないから、退屈だった。 その夏も退屈で、私はひとりで山の中に行ったの。山の中って行っても、そんな遠いところじゃなくて、麓よりちょっと上くらい。 ひとりで探検してたら、奇妙なものを見つけたの。 石がいくつも積み上がってて、苔がびっしり生えてたっけ。石の中になにかあるかもって思って、石を倒したの。 そしたら、遠いところから、唸り声が聞こえた。「んぐおぉおおぉ――。ぬぅおおおおおおお」 上の方から聞こえた気がして見上げたら、化け物がこっちに向かってきてた。顔は猿みたいにしわくちゃで、目が3つ。真ん中の目が異様に大きい。体は大きくてけむくじゃらで、足が6本はあったと思う。もしかしたら8本かもしれない。 大きな口を開けて、よだれを垂らしながら、こっちに来る。でもそれはものすごくゆっくりで、小学1年生の私でも逃げ切れた。 帰って家族に泣きつくと、父と母は私を抱きしめてくれたけど、おじいちゃんは難しい顔をしてた。「山神だろうねぇ」 おじいちゃんは山神について教えてくれた。 神といってもいい神様ではなくて、その姿を見た者は不幸になると言われている。 私が怖くて泣いてると、おじいちゃんは何度も大丈夫と言ってくれた。 その晩、おなかが痒くて目が覚めた。触ってみると、何かある。寝室には両親がいるし、電気をつけたら怒られると思ったので、トイレに行っておなかを見たら、小さなかさぶたがあった。昨日まではなかったし、虫に刺された記憶もないのに。 いつもの悪癖で、かさぶたを剥きたくなった。でも、かさぶたはなかなか剥けない。 何度も何度も爪の先でカリカリ引っ掻いて、つまみ上げて引っ張ると、とんでもないことになった。 かさぶたは剥けたけど、かさぶたに毛のようなものがびっしり生えてて、獣臭かった。 そのまま叫んで失神した。 気がつくと、私は知らない部屋にいた。天井が高くて、線香のにおいがする。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-21
Baca selengkapnya

いい子ポイント

 小学2年生の頃にあった不思議というか、不気味な話。小2の担任は、その年にうちの学校に来た男の先生だった。 先生は変わった人で、挨拶が終わると、私達を連れて古びた神社に行った。普通小学生が皆で外に行く時って、学年ごとなんだろうけど、うちのクラスのヤツだけだった。それが特別って感じがして、すごく楽しかった。 神社に着くと、先生はカードの束を神社の前に置いて、お祈りをした。その後、全員に自己紹介をさせ、カードを持ち帰って学校に戻った。 教室に戻ると、先生はカードを俺達に配る。カードのサイズは名刺より少し大きいくらいで、10個のマスと、名前を書く場所があった。「名前を書いた人は、こっちに来てください」 言われた通り、名前を書いた後に先生のところに行くと、色んな色のシールがあった。シールは小さい丸の形で、赤、ピンク、黄色、青、紫――。他にもいくつかあったと思った。「好きなシールでマスを埋めてください」 俺達ははしゃぎながら好きなシールでマスを埋めた。 先生はカードの隅に穴を開けると、好きな色のリボンを選ばせてくれて、ひとりひとり丁寧に結んでくれてた。「さっき作ったカードはいい子ポイントカードです。今、全員が10ポイント溜まってます。これが1番大きい数字です。悪いことをするとポイントが減っていって、いいことをするとポイントが増えます。悪いことをいっぱいして、シールが消えた後に悪いことをすると、黒いシールを貼ります。黒は悪い子ポイントです。悪い子ポイントが10溜まると、こわーいことが起きるので、皆いい子にしましょうね」 俺達は特に深く考えなかった。最初から10ポイントあるし、先生がいちいちシールを貼ったり剥がしたりするのかな、大変そうだな、くらいにしか思ってなかった。 1週間もすると、不思議なことに気づいた。皆、カードは机の横にひっかけてあるんだけど、数人のカードからシールが数枚なくなってた。でも、先生が皆のカードに触ったところなんて、見たことない。 きっと放課後剥がしてるに決まってるってことになったけど、なんせ好奇心旺盛な小学生だ。ちょっとした実験をしたくなった。 休み時間。俺達はカードを持って、校庭に行った。Aのカードを俺達で見て、Aは木の枝を折る。するとAのカードに貼ってあったシールが、1枚消えたのだ。 皆で騒ぎ立てて、もう1回やる。その後、
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-21
Baca selengkapnya

私のすべてを捧げます

 私には、小学校からずっと一緒のAという親友がいる。Aは控えめな性格の優等生で、両親も優しい人だった。けど、困ったところがある。 宗教に入ってて、決まった時間にお祈りを捧げないといけないらしい。それは授業中でも、遊んでる時でも例外じゃない。 9時、12時、15時はお祈りの時間らしくて、授業中なのに急に床に座って、数珠を擦り合わせながらなにか唱えている。 小学生の頃、先生が注意したけど、Aの両親が学校に来て揉め事があったらしい。それから誰も何も言わなくなった。 高校1年生の秋。Aは学校に来なくなった。電話をしても出ないし、メールも返ってこない。心配だけど、見舞いに行こうかどうか迷っていると、先生にプリントを届けるように言われた。 チャンスだと思い、Aの家に行く。 インターホンを押すと、何故かAの両親がふたりで出てきた。「あの、プリントを届けに来ました」「あら、お久しぶりねぇ」「わざわざ来てくれたのか。きっとAも喜ぶぞ」 ふたりは私を歓迎し、家に上げてくれました。前遊びに来た時はリビングに通されたけど、奥の和室に通された。 中に入って私は絶句した。 白装束を来たガリガリのAが、胸の前に手を組んで祈りのポーズをしていた。「A?」 声をかけても反応はない。「Aはね、神様になるの」「神様?」「そうだよ。体という俗世にまみれたものを捨てて、神様になろうとしてるんだよ。素晴らしいだろ?」 ふたりは本気で素晴らしいことだと思ってるようだ。うっとりとガリガリになったAを見ている。「Aはね、ずっと飲まず食わずで祈りを捧げているのよ」「神になる行為は、選ばれた人しかできないんだ」 ふたりに恐怖していると、インターホンが鳴った。ふたりは私を出迎えたように、一緒に行く。 私はAを助けなきゃと思い、スマホで動画を撮り始める。Aの姿を映した後、カメラが出るように胸ポケットに入れた。「セールスマンだったわ」 Aのお母さんはうんざりしたように言う。「あの、さっきの話、もうちょっと聞いてもいいですか?」「えぇ、もちろん!」 この場から逃げ出したかったけど、Aを見捨てるわけにはいかない。私はふたりからさっきの話をもう一度してもらった。 話が終わった後、宗教のパンフを押し付けられて、これから施設に行こうとか言われたけど、用事があるからと断り、急いで
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-21
Baca selengkapnya

私だけの

 俺は生まれてこの方、まともに恋愛ができないでいる。モテないってわけじゃない。一応やることはやったし、恋人も今まで何人かできた。けど、すぐに別れてほしいって言われる。 俺がなにかしたってわけじゃない。 楽しくデートした翌日に、いきなりメールで別れてほしいって来て、着信拒否されたり、デート中に楽しくおしゃべりしてたのに、彼女の顔がいきなりひきつって、別れてほしいと言って逃げられたり――。 大学生の頃、R子って女の子を紹介された。友達と待ち合わせ場所のファミレスに行くと、彼女はいた。でも、どっからどう見ても女子高生だ。近くの高校の制服も着てるし。「あの、高校生に手を出すつもりはないんだけど」「あー、違う違う。R子ちゃんを紹介したのは、彼女候補としてじゃないんだ」 R子を紹介してくれたAは、そう言ってとにかく座るよう促した。「どう?」「えぇ、Aさんの予想通りですね」 R子はちらっと俺を見てから、Aの問に答える。話が見えない。「あの、話が見えないんだけど」「まずは俺が話すよ」 AはR子について話しだした。彼女は霊感が強くて、見える人らしい。最近は霊感が更に強くなった上に、除霊師の知り合いができて、除霊もできるようになってきたとか。 そういう話をまったく信じないので、どう反応して良いのか困る。「あなたには女の子の霊が取り憑いています。それも、焼身自殺した女の子の霊が」 思わず目を見開いた。中学の頃、B美という女子が焼身自殺した。それも、俺の目の前で――。 そのことは大学に入ってから知り合ったAには言ってない。「その子が、あなたの周りにいる女性に嫉妬して、「私だけの瑛太(俺のこと)に近づくな」って言ってるんです。今も私を睨んでますね」 R子は立ち上がって、通路側に座ってるAに退くように言うと、俺の隣に座ってきた。 俺の肩を軽く叩く。肩についてるゴミを払うように。「あ、なんか軽くなった気が――?」「祓いましたので。これで彼女ができると思いますよ」「あの、お金は――」「私はまだ見習いですので。代わりといってはアレですが、ここをごちそうしてください」 元々女子高生に金を出させるつもりなどなかったので、了承した。3人で食事を終えた後に店を出ると、昨日俺を盛大にフッた女とばったり会った。「え? あれ?」 彼女は不思議そうに俺を見る。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-21
Baca selengkapnya
Sebelumnya
1
...
5678910
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status