Semua Bab 怖い話まとめ2: Bab 61 - Bab 70

97 Bab

お犬様

 若い頃、100万円貯めてから旅に出た。子供の頃、棒を倒して、倒れた方に曲がっていくってやったことない? あの方法で旅をしてたんだ。 流石に木の棒を電車やバスに持ち込むわけにはいかないので、指示棒を買って、それを使った。先っちょに指し指がついてるやつな。 電車とかバスに乗る時は、路線図を広げて、指示棒で決める。分かれ道があった時もそう。 なんなら、メニューを決める時でさえ使う時もあった。 指示棒の向くまま旅をしてたら、ザ・田舎ってところにたどり着いた。店もなければ宿もないようなところで、隣の家が数百メートル先にあるようなところで、民家よりも田畑の方が圧倒的に場所を占めている。 どういうわけか、犬がたくさん歩いてる。最初は野良犬かと思ったけど、皆首輪っていうか、紅白のしめ縄みたいなのを首につけてた。 それだけでも不気味なのに、村人達は犬を見ると土下座みたいな体勢になって、崇めていた。「それ、なにしてるんすか?」 気持ち悪いと思いながら老婆に聞くと、「この村にとって、お犬様は神様なんだよ」って言ってた。 例えば、田畑を決めるのにもお犬様頼りらしい。普通、田んぼって決まった場所は何かない限り田んぼだし、畑って決めた場所も、ずっと畑で、植える野菜や果物も変わらないだろ? まぁ、俺のイメージなんだけど。 でも、この村では犬が1軒1軒回って、家主の顔を見て吠えたら田んぼ、吠えなかったら畑になるんだと。 俺みたいな客人が来た時も、犬が客人のにおいを嗅いでから、どこかの家に案内する。その家の人は客人をもてなさないといけない。 他にも色んなことを犬に決めてもらってる。 どっちが畜生か分からないなと思ったけど、口に出すのは辞めておいた。「おぉ、お犬様じゃ」 老婆と話し込んでると、1匹の犬が来て、俺のにおいをかぐ。「きっと家に案内してくださる」「いや、泊まるつもりは――」「お犬様に逆らうのは、お客人でも許されないよ」 老婆は俺を睨みつけながら言う。なんとも言えない気味の悪さに、背筋が凍った。 犬は数歩歩くと振り返って吠える。「ついてこいと言っておる」 うさんくさいと思いながらついていくと、民家の前で止まり、何回か吠えた。家からは小柄な女性が出てきて、俺と犬を交互に見ると、「お客様ですね、どうぞ」と家の中に招いてくれた。 断りたかったけど、断
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-21
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身代わり人形

 まず、私はこの話の関係者ではあるけど、当事者ではないことを伝えておく。 社会人になると、Aという同僚と仲良くなった。Aは芸能人と言っても信じてしまうくらいには可愛いし、優しい上に細かい気配りもできるから、人気がある。 1年経って仕事にだいぶ慣れた頃、Aが神妙な顔をして、「話があるんだけど、仕事終わったあといい?」って言ってきた。 1年も経つとお互いの好きなものや性格が見えてくる。意外と共通点が多いAとは親友といっても過言ではないほど仲が良いので、「もちろん」と即答する。 仕事が終わると、Aの希望で個室の飲食店に入った。食事が運ばれてくると、Aは話しだした。「私ね、ストーカーに困ってるの」「え、誰!?」「Bさんなんだけど――」 Bというのは30代の既婚者で、私達の上司だ。面倒見が良くて、私達の教育係も自分からやってたし、教え方も丁寧で尊敬していた。「入社してすぐ、何かあった時のためにって、連絡先交換したでしょ? 最初は普通に仕事の話しかしてなかったんだけど、少しずつ内容が変わってきてね――」 AはBとのやり取りを見せてきた。最初は私もしたような仕事の話だったけど、徐々に変わっていった。 まずは仕事の話のついでに、ちょっとしたことを褒める。「今日の髪型似合ってた」とか「いつも珈琲飲みたいって思った時に持ってきてくれるから嬉しい」とか。 そのうち「今日の服可愛かったけど、もう少し可愛い色でもいいんじゃない?」とか「肌綺麗だよね。もっと見たいな。資料室でこっそり見せてよ」とか、セクハラ発言に変わっていく。「どうして返事くれないんだ?」「この服絶対似合うから着てみてよ【URL】」「グロス変えた? ぷっくりしててえっちだね。舐めてほしいな」「この前教えた服、まだ買ってないの? 買ってあげようか」「柔軟剤変えた? それとも香水? 前の匂いの方が好みだったな」「今週の有給同じ日だから、デートしようよ」「少し胸大きくなってない? 大人になっても胸って膨らむんだね」「うなじ見たいからポニーテールにしてきてよ」「好きだよ」「照れてるの? 返事してよ」「おーい」「どうしたの?」「おいってば」「返事しろ」 他にも、Aの隠し撮りした写真を送り、感想を書いたり、AV女優の写真を送って、「この子より胸大きそうだよね。触りたいな」とか、気持ち悪いこと書いてあった。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-21
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ケッソン村

 僕がまだ漫画家の卵として色んな出版社に原稿を持って行きつつ、会社員をしてた頃、同級生だったAから電話があった。「よぉ、久しぶり。お前、まだ漫画描いてるのか?」「あぁ、描いてるよ」「だったら、今俺が働いてるところ来いよ。きっと、いいネタになると思うぜ」 誘いは嬉しかったけど、Aの職業は義肢装具士。彼の職場はたぶん、病院とかリハビリ施設だろう。そう思うとすぐにイエスとは言えなかった。「俺、今はケッソン村ってところで働いててさぁ。珍しい風習がある面白い村なんだよ。いいところだから来いよ」「ケッソン村? どこにあるんだ、それ」「同じ県のどこかとだけ。詳しい場所はメールする。じゃあな」 一方的に電話は切られ、数分後にメールが来た。ケッソン村の住所と、「いつ来てもいいけど、前日には連絡くれ」という内容だった。 僕は木・金に有給を入れて四連休を作り、ケッソン村へとやらに行った。僕が住んでるところから、車で1時間半のところに、ケッソン村はあった。 村というと古めかしい家が並んでいるのを想像していたが、今時の洋風な家がほとんどだし、コンビニやスーパーもあって、生活するのに困らなそうな場所だ。 Aが職場として使っているという公民館に行くと、5,6人ほど人がいる。来客が珍しいのか、彼らは僕をじっと見てくる。それだけでも気味が悪いのに、彼らの半数以上は一部が人工物だった。義足や義手の人もいれば、義眼の人もいる。そういった人に偏見があるわけではないが、こんなにいるのは少し異常だ。 車から降りて彼らに挨拶をすると、Aが公民館から出てきた。「よぉ、久しぶりだな」「あぁ、久しぶり。招待ありがとう」「招待なんていうほど大層なものじゃねーよ。まずは村を案内してやる。美味い飯もあって最高だぜ、ここ」 浮かれ気味のAについていき、村を見て回る。すれ違う大人達は、ほとんどが義手や義足、義眼をつけていて、僕をジロジロ見てくるから、居心地が悪かった。 村は現代的で2階建ての小規模ショッピングモールもあったし、小さな運動公園なんかもある。見たところ、一通りのものは揃っていて、村というより小さな町と言ったほうがしっくり来る。 異様な点といえば、さっき書いた通り、体の一部が人工物の人が多いことだ。 しばらく歩き回ると、個人経営の蕎麦屋についた。「おう、先生いらっしゃい」「
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-12-21
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助手席の警察官

 もう5年くらい前になるか。事故車に乗ってたことがある。当時は事故車って知らなかった。当時金欠で、知り合いの車屋に「とにかく安い車見繕ってくれ」って頼んだら、それが出てきた。 普段は交通ルール守るけど、急いでる時にスピード違反したり、絶妙なタイミングで赤信号になって、やむなく突っ切ることとかあるだろ? そういう時、いつの間にか助手席に若い警察官が現れて、俺を睨みつけるんだ。 初めて見たのは出勤時。途中で渋滞に巻き込まれて遅刻しそうになって、渋滞から抜け出した後に法定速度50のところを70キロくらいで走ってたら、隣に気配を感じた。横目で見ると警察官がいて、思わず「うおわぁっ!?」って変な声出て、その拍子でハンドルを変な方へ切るところだったんだけど、警察官がハンドルをつかんで「よそ見運転するな」と叱ってきた。 いや、お前のせいなんだけどと思いつつ、こいつのおかげで助かったのも事実だし、「すんません」って謝ってから正面を向いて運転する。 今度は「スピード違反するな」って言うんだ。「遅刻しそう」って言ったら「人を殺してしまうかもしれないのに」と咎めるような口調で言うから、渋々速度を落とした。 法定速度まで落とすと、隣の気配はすっと消えた。 1週間は我慢して乗ってたけど、やっぱり気持ち悪いから、車屋に行って問い詰めたら、ヤツはあっさり白状した。 前の持ち主はいわゆるDQNというやつで、警察のお世話になったのは、1度や2度ではない。 迷惑行為は一通りしてきたため、店で働いてる人達や警察官の間では有名人だったらしい。 DQNが免許更新のために警察署に行くと、何度か注意したことある警官に嫌味を言われたらしい。ムカついて殴りたかったけど、警察署で問題を起こすのは流石にまずいと思ったのか、DQNは大人しかった。 警察署から出た時、自転車でパトロールしている警察官を見つけたDQNは、八つ当たりで警察官を轢き殺した。 その轢き殺された警察官ってのが、助手席に現れるコイツだと言う。 可哀想ではあるけど、関係ない俺のところに出られても困るし、コイツのせいで事故ったらたまったモンじゃない。 車屋が事故車であることを隠して売ったことをネチネチ責めて、車屋にお祓いの代金を払わせた。 お祓いしてからは警察官の霊は出てこないから快適だったけど、やっぱり気持ち悪いので、ある
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-01-04
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もやし君の家

 高校に入ると、隣の席がもやしみたいに細いヤツだった。色白だし、ヒョロガリだし、体重も40キロなさそうなくらい細い。だから皆にもやし君って呼ばれてた。 体型が体型だからか、もやし君は声が小さい。それでもいい奴だったし、席が隣ってこともあって、俺ともやし君はすぐ友達になった。 仲良くなってから、もやし君の話を色々聞いた。母子家庭な上に兄弟が多いから、満足に食べれてないこととか、本当は働きたかったけど、最低でも高校卒業しとかないと、就職が厳しいから高校に通ってるとか。 だからもやし君は高校に入ってすぐ、バイトを始めた。コンビニでバイトしてからは、こっそり廃棄を貰えるので、前より食べ物に困らなくなったって喜んでた。 日の丸弁当ばっかだったもやし君の弁当に、唐揚げが入る日が出てきたし、少しずつ標準体型に近づいていってるから、もやし君がコンビニで働けてよかったって思った。 それでも毎日満足に食べられてないのは変わりないので、俺は時々やっすいファミレスをごちそうした。 もやし君は遠慮して、いつもドリアとドリンクバーしか頼まない。なので俺が辛味チキンも注文して、2本ドリアの上にのせてやってる。 うちは共働きで家に帰っても誰もいないし、親は毎週2,3千円くれるから、もやし君にごちそうしても、痛い出費とは思わなかった。 というか、もやし君と飯を食うことによって、寂しさを紛らわせてたし。「今日うちに来ない? 母さんがご馳走用意してくれるって」「悪いよ」「いつもおごってもらってるし、家に呼んできなさいって言われてるからさ」「そういうことなら――」 もやし君の家はボロボロの平屋だった。古めかしいトタン外壁で、ところどころ錆びてる。小さな庭には、色褪せたキャラ物の3輪車があった。「ただいま」 もやし君が玄関を開けると異臭がした。獣臭さと生臭さが混じったようなにおい。もやし君からはそんなにおいしたことないのに――。「おかえり。その子がいつも話してる子?」 小太りのおばさんが出てきた。もやし君の母親だろう。疲れ切ってるのか、すっごい老け顔で、お母さんっていうよりお婆ちゃんだ。ベージュ色のトレーナーはあちこちにシミがついてる。「そうだよ」「いつもありがとねぇ」「あ、いえ――」 俺は小声でそう言うのがやっとだった。「上がってってちょうだい」「あ、すいま
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-01-04
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かわいい子

 大学生の頃、飲食店でバイトをしてた。そこには高校まで一緒だった親友のAが偶然いて、楽しかった。 橋本環奈似のかわいい女子高生もいて(以下ハシカン)Aはハシカンに夢中だった。事あるごとにハシカンに話しかけたり、無理やり意見を合わせたりと、恥ずかしくて見てられなかった。 俺、A、ハシカンの3人でバイトに入った日のこと。夕方勤務は5時から10時半で、店仕舞は夕方勤務の仕事だった。 9時50分に最後の客が帰ると、さっさと鍵を閉めて、掃除を始める。掃除が終わったら時間になるまで、事務所でダラダラ過ごすんだけど、これが結構楽しい。それに、労働が好きな人間なんてそんなにいない。 俺達はさっさと掃除も終わらせて、事務所に行く。 3人で他愛のない話をして、30分になると、タイムカードを切る。「あの、お願いがあるんだけど――」 ハシカンは不安げな顔でAを見上げる。Aは鼻の下を伸ばしながら、なになにどうしたの、なんて言う。「実は最近、ストーカーに付きまとわれてて――。怖いから、一緒に帰ってほしいの」「もちろん! 任せてよ!」 Aが嬉しそうにしてたし、俺はストーカー対策の知識なんて持ち合わせてないので、特に口を挟むことなく、いつも通り帰った。 翌日、Aと同じ時間にシフトに入る。今日はハシカンはいない。仕事が終わって事務所に行くと、Aは聞いてもいないのに昨夜のことを語りだした。「ハシカンちゃんマジで可愛い。あんなに可愛いんだから、ストーカーがいるのもうなずけるよ。いや、ストーカーなんて最低なんだけどさ。でも、ストーカーのおかげでハシカンちゃんとふたりきりになれたから、ちょっと感謝してるっつーか。あ、ていうか聞いてくれよ。『Aさんって男らしくて頼りになります』って言ってくれてさー。これって脈ありじゃね? な、どう思う?」 すっかり舞い上がっちゃって、ひとりで色々喋ってた。 Aはナイト気取りで、ハシカンの送迎をするようになった。数日もすると、「学校からここに来る時につけられるようになっちゃって」とか言い出したから、わざわざハシカンの学校まで行って、バイト先まで送り届けるようになったらしい。 Aは毎日幸せそうだけど、少しずつやつれてきた。目の下にクマができたり、頬が痩せこけたり、目に見えて衰弱していってる。「お前、休んだほうがいいんじゃないか?」「平気平気! 
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-01-04
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さっちゃんのお人形

 小学生の頃、さっちゃんって子がいた。いつもトイレの花子さんみたいな服装だし、おかっぱ頭でダサいから、いつも皆でからかってた。 今思えば最低だけど、いじめの域だったと思う。 日曜日、俺、A、Bの3人で公園に行くと、さっちゃんがいた。さっちゃんは人形と一緒にベンチに座って、絵を描いていた。 人形はフランス人形みたいな感じ。「なんだ、この人形。キモ」 Aは人形を取り上げて、Bに投げた。「やめて! 返して!」 さっちゃんは泣きそうになりながらBの元へかけていく。「こっちくんなブス!」 Bは俺に人形を投げた。俺はさっちゃんに人形を返すフリをして、Aに投げる。「よく見てろよ」 Aは人形の顔を引っ張った。首は簡単に取れて、Aは頭をゴミ箱に向かって投げ飛ばす。頭は見事にゴミ箱に入り、3人で「ゴール!」とか言って騒いでた。 それから人形を回して、自分のところに来ては手足を引っこ抜いて次の人に回してた。さっちゃんは泣きながら追いかけたり、人形のパーツを拾ってた。 全部のパーツがなくなると、Aは胴体を池に投げ込んで、さっちゃんを蹴り飛ばした。「びーびー泣くなよ。うっせーんだよ、ブス」「ブスがもっとブスになるぞ」「さっさと行こうぜ」 俺達は違うところで遊ぼうと、公園を離れた。 翌日、さっちゃんは学校に来なかった。俺達は反省するどころか、「休んで気を引こうとしてるとかキモい」とか思ってた。 しばらくして、さっちゃんは引っ越したって聞いた。 中学生になると、さっちゃんのことなんてすっかり忘れてた。俺達3人は、相変わらずバカやって過ごしてた。 昼休み、同じ小学校出身の女子達の話が聞こえてくる。彼女達の噂話によれば、さっちゃんが県境の山にある自殺名所で亡くなったらしい。 俺達は面白がって、肝試しに行くことにした。 夜、自転車で山まで行くと、徒歩で自殺名所の橋を目指した。30分くらい歩いて、ようやく橋につく。橋の下は流れの早い川になっていて、ここに落ちたら絶対に助からないと思う。「おーい、さっちゃん。出てこいよ」「また遊んでやるからよ」 ゲラゲラ笑いながらさっちゃんを挑発すると、Aが首を押さえてうめき声を上げだした。「おい、どうした?」「いってぇ! いてぇよ、いてぇよ」 今度はBが左肩を押さえてうめき出す。 俺まで軽くパニックになりかけ
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-01-04
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緑のドレス

 高校1年生の頃、美人で病弱なAちゃんって子がいた。Aちゃんは体育こそずっと見学だけど、成績は良いし、優しいから、ほとんどの人に好かれてた。 うちの学校は元々女子校で、私達より1つ上の学年から共学になったんだけど、1クラス40人前後に対し、男子は10人いるかいないかだった。 男子のほとんどはAちゃんをチヤホヤするし、隣のクラスにいるB君という幼馴染(雰囲気イケメン)は、Aちゃんと一緒に登下校する。 これをよく思わない女子が結構いて、女子の半数以上はAちゃんを嫌ってたと思う。 秋、私達のクラスは文化祭で劇をすることになった。内容は覚えてないけど、お姫様が出てくるお話をアレンジしたもの。お姫様役はAちゃんだったんだけど、役を決める時、ちょっとおかしかった。 反Aちゃんグループの子達が、何故かAちゃんがお姫様をやるべきと言ってた。いつもなら「調子に乗るな、ぶりっ子女」とか言ってもおかしくないのに。 Aちゃんを差し置いてお姫様をやりたがる子なんていないので、Aちゃんがお姫様になった。 反Aちゃんグループの子って、目立ちたがりが多くて、特にリーダー格のCちゃんは、自分が1番じゃないと嫌ってタイプ。だから、私含め、大半のクラスメイトがおかしいと思ったんじゃないかな。 このグループの子達で、舞台に立ちたがる子がひとりもいなかったし、全員が衣装担当を希望してたし。 私は小道具担当になったので、技術室で他の子達と小道具を作ったり、どこで何を仕入れたらいいのか話し合ったりしてた。 買い出し班と作成班に分かれて、それぞれ行動することに。私は作成班で、残った子達と小道具を作ってたけど、手元にある材料が少なかったため、すぐに終わってしまった。 どこか手伝えるところがないかフラフラしてると、衣装担当の子が理科室に入っていくのが見えたから、声をかけた。「何か手伝おうか?」「大丈夫」「そう? というか、なんで理科室?」「家庭科室は埋まってたから」「へぇ、そうなんだ。頑張ってね」 チラッと理科室を覗いてから、その場を立ち去る。衣装担当の子達は何故か、マスクにゴーグル。そしてゴム手袋をしていた。 文化祭まであと数日ってところで、衣装が完成した。どれも素晴らしい出来だったんだけど、特にAちゃんが着る予定の緑色のドレスは綺麗だった。 装飾はビーズなんだろうけど、宝石
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-01-04
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片割れの指輪

彼女とアウトレットモールに行って、休憩がてら、ベンチでトイレに行った彼女を待つ。ベンチはデカい植木鉢を囲むように丸い。なんとなく植木鉢を見ると、指輪があった。 誰かの忘れ物だろうと思ってポケットに入れる。あとで受付にでも届けるつもりだ。「おまたせ。トイレすっごい混んでた」「おかえり。次はどこに行く?」「次はねー」 彼女は無邪気に地図を広げながら、目を輝かせる。彼女との時間が楽しすぎて、結局指輪を受付に届けるのを忘れてしまった。3日後に休みだし、その日に届けに行こうと思って、指輪をサイドテーブルに置いた。 翌朝、目が覚めると異様にダルい。低気圧の倦怠感と、高熱が出た時のつらさを足して2で割った感じ。 とても仕事に行けそうにない。会社に休みの連絡を入れて寝ようとすると、彼女から電話がかかってきた。「どうした?」「よかった、出てくれて!」「なんかあったのか?」「電車が脱線したんだって。あなた、いつも電車に乗ってるから、心配で――」「マジか――。でも、この時間はまだ電車乗らないぞ」「え? そうなの? ごめん!」「いいって、起きてる時間ではあるから」 彼女が可愛くて笑いそうになったけど、頬の内側を軽く噛んでこらえる。こういう時に笑うと、彼女は不機嫌になりがちだ。「もうちょい話してたいけど、切るぞ。会社に電話しないといけないし」「どうして?」「体調悪くてさ」「え、嘘!? 昨日連れ回しちゃったかな――」「お前のせいじゃないって」「看病しに行くよ。私、今日も休みだし」 こっちが何か言う前に、彼女は電話を切ってしまった。そそっかしいヤツと思いながらも、嬉しくてニヤニヤしながら会社の電話番号を探した。 会社に電話したあと、熱を計ったら38度もあった。休んで正解だと思いながら、なんとか台所まで行き、インスタント味噌汁を飲んでから風邪薬を飲む。 彼女に、途中でポカリとゼリーを買ってくるようにメールしてから、ベッドに戻った。 いつの間にか寝てしまったらしく、彼女に起こされた。なんだよ、具合悪いのに。「やっと起きた。ちょっと、これ、どこで拾ってきたわけ?」 彼女は険しい顔で、サイドテーブルの指輪を指差す。「あー、昨日お前がトイレに行ってる間に拾ったんだよ――。受付に届けようと思ってたんだけど、すっかり忘れててさ」「なんでこんなもの持ち
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-01-04
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命の重さ

 知り合いに、元警官のAがいる。よく行く居酒屋で、よく隣に座ってて、それで話すようになった。Aはまだ40代なのに、いつも猫背だ。 俺のほうが年下だからって、坊主とか小僧って呼んでくる。俺はもう30過ぎのおっさんだっていうのに。「Aさんさ、腰悪いの?」「なんでそう思うんだ?」「まだ40代なのに猫背だから、腰でも悪いのかと思って」 Aはしかめっ面をしたあと、ため息をつき、奥の座敷席を指さした。「向こうで呑もうぜ。なぁ、いいか?」 店主が許可を出すと、俺達はいつものカウンター席から、座敷席にうつった。座敷席はどれも障子さえ閉めてしまえば個室になる。Aは障子を全部閉めて、お猪口いっぱいの日本酒をぐいっと一気に呑み干すと、俺の顔を見て話し始めた。「俺は生活安全課だったんだよ。生活安全課ってのは、不良少年を相手にしたり、家出人を探したり、ヤミ金の取締なんかをするんだよ。他にも色々あるんだけどな。 その中のひとつに、ストーカー対策もある。被害者からストーカーを守ったり、捕まえたりするんだよ」「Aさんが警察の仕事の話をするなんて、珍しいね。仕事中になんかやっちゃったの?」「やったっていえば、やったかなぁ」 Aは苦笑しながら、また酒をぐいっと呑む。「今でこそ、ストーカーっていう犯罪の知名度もあがって、積極的に対応するようになったけど、前はそうでもなかったんだ。特にほら、俺は男だろ? ストーカーってのは、痴情のもつれの一種って思ってたんだよ。ストーカーの怖さなんて知らないし、知ろうともしなかったし。 本当、警察官失格だよな」 そう言ってAさんは自嘲する。いつもは豪快に呑んで笑う人だから、こんな姿を見るのは初めてだ。「19の女が、ストーカー被害で相談しにきたんだ。その女、りえっていうんだけど、りえはデリヘルで働いてた。そこの客がストーカーになったって相談しに来たんだよ。 でもよ、俺はストーカーを軽く見てた。それに、水商売をしてたら、ストーカーのひとりやふたり、出来て当然だってな。だから、まともに相手しないで、さっさと帰したんだ」 ストーカーに対する考え方が変わってきてるのは、俺も知ってる。Aさんの言うように、昔はずさんだったらしい。Aさんみたいな警察官は、他にも結構いたんじゃないかと思う。「りえは何度も何度も相談しに来た。証拠の写真とか、映像とか持
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-01-04
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