小学生の時、歩き通学だったんだけど、通学路に変な家があった。震度4くらいで潰れそうなほどボロい日本家屋なんだけど、ブロック塀は洋風で、置物とかを置くための穴が6つ開いてて、それぞれ髪色の違う小人の置物が置かれてた。 誰が言い出したのか、小人の置物に悪さをすると呪われるという噂が子供達の間で流れてて、通学路でその家の前を通ると、「お前行けよ」と悪ふざけをしていたものだ。 俺が小2の時、小6で班長のAってやつが、小人の置物をわざと壊した。通学中、4年生が俺達下級生に、例の噂を話したんだけど、俺達はすっかり怖がっちゃって、中には家の前を通るのが嫌だと泣き出す子もいた。 Aは「そんな噂馬鹿らしい」って言って、赤い髪の小人の置物を叩きつけて壊した。 誰もが呆然としていて、Aは得意げに、「ほらな、何もないだろ? はやく学校行くぞ。遅刻したら俺が怒られるんだからな」と言い、未だに泣いてる子の腕を引っ張って登校した。 下校前、歩き通学は班ごとに別れて、班長の6年生が全員いるか確認してから先生に報告して帰るんだけど、その日、Aはなかなか姿を見せない。6年の担任の先生が来て、Aが早退したことを知らせた。 副班長の5年生と一緒に帰ることになったんだけど、不思議なことがあった。 今朝、確かに赤髪の小人はAによって叩き壊されてたはずなのに、下校時にはもういる。髪色は同じだけど、顔とポーズが違うことから、家主が新しいものを買ったんだろう。 時が経ち、俺が6年生で班長になった。歳の離れた小学2年生の弟と一緒なのは、ちょっと気恥ずかしい。 2年生は弟の他にふたりいて、3人は俺や他の子達が注意しても、上履き入れをぶん回して遊んでた。弟だけならぶん殴って止めるんだけど、他の子はどうしようもないし、ここで弟を殴って騒ぎになったら嫌だから我慢した。 何かが割れる音がして振り返ると、例の日本家屋の前にいて、弟が上履き入れで小人の置物を割ってしまったらしい。破片などは家の敷地内だ。「何してんだよ!」 我慢できずに弟をぶん殴って、副班長の女子に先に行くように言うと、弟の首根っこをひっ捕まえて、インターホンを鳴らした。 出てきたのは意外にも若くて美人なお姉さんで、言葉が詰まった。「あら、どうしたの?」「すいません、うちのバカが、あそこの置物割っちゃったみたいで。こいつ、お年玉貯金
Last Updated : 2025-12-21 Read more