……はぁ……。まさか独り言を、あんなにハッキリと声に出しちゃうなんてな。 気まずさを振り払うように夜道を歩きながら、俺はさっき手に入れた魔石のことを思い出した。そう言えば、以前ブルードラゴンを倒した時の魔石だけで金貨120枚の価値があったはずだ。ドラゴンは存在そのものが希少で、素材も魔石も天文学的な金額で取引される。低級のドラゴンですら滅多に現れず、討伐には国中の精鋭が必要な超高難度だと聞くし、あの値段も当然なのかもしれない。 隣で俺の腕に寄り添うサーシャに目をやると、彼女は可笑しそうにクスクスと笑っていた。「ねぇ、ユウヤ。あんなので驚いてたら、さっきの『最古のドラゴン』を売ったら国がいくつ買えちゃうだろうね~?」「……勘弁してくれ。そんなの出したら、命を狙われるどころか世界大戦になるだろ」「あはは♪ それもそうだね~」 彼女は俺の腕を強く抱きしめ、満足げに微笑んだ。俺の収納の中には、金貨何万枚、あるいはそれ以上の価値がある素材が眠っている。そんなとんでもないものを抱えながら、俺たちは穏やかな夜の街の喧騒の中を、恋人同士のように歩き続けた。「あれは本物だったのかな……?」 武器屋を離れた後も、俺は先ほどの盾のことが気になってサーシャに問いかけた。 どうにも、自分の収納にあるあの圧倒的な威圧感を放つ素材と比べると、頼りなく見えてしまったからだ。「ま~本物だよ?」「ん?『ま~』って?」「ドラゴンはドラゴンでも下級のドラゴンで、種族も弱いタイプだよ。それでもドラゴンだし、本物だよ」 サーシャは事も無げに答えた。 下級のドラゴンの鱗で、金貨15枚……。 もし下級のドラゴン一頭を丸ごと回収できたら、それだけで一生遊んで暮らせるほどの大金持ちになれるんじゃないだろうか。 下級で弱いとはいえ、ドラゴンの名を冠する以上、その防御力には期待していいはずだが。「だから質感やオーラが違って見えたのか……詐欺でも偽物でも無かったんだな。でも、ちゃんと攻撃に耐えられるのかな?」「普通の人間なら十分じゃないのかな~? さっきの人形のモンスターくらいの攻撃なら貫通
Last Updated : 2026-02-01 Read more