薬の効果もあり、護衛たちの顔にはようやく安堵の色が戻り始めていた。彼らは互いに顔を見合わせ、信じられないものを見たという風に戦慄しながらも、無意識にユウヤから距離を取っている。(……でも、殺気に気付いて即座に動けたんだから、やっぱり凄い人たちなんだよな) ユウヤは心の中で彼らをフォローした。普通の人間なら気付く間もなく意識を刈り取られていたはずだ。 それにしても……と、ユウヤは自分の手のひらを見つめた。殺気だけでこれほどまでに相手を無力化できるとは思わなかった。もし「威圧」や「威厳」といったスキルを意図的に使いこなせるようになれば、無駄な戦闘を避け、睨むだけで争いを収めることもできるかもしれない。(威圧と威厳……。いつか覚えられるかなぁ) そんなことを考えていると、ようやく落ち着きを取り戻した女性の護衛が、背筋を正して深々と頭を下げてきた。「失礼いたしました、ユウヤ様。……そして、このナイフ。先ほどの輝き、確かに私を『何か』から守ってくださいました。このような素晴らしい品をミリア様に……。護衛として、心より感謝申し上げます」 彼女の言葉に、ミリアも再び自分の手元のナイフに視線を落とした。深く、静かに輝く青い魔石は、先ほどまでの激動が嘘のように、今はただ優しく主人の手を照らしている。「……ユウヤ様。このナイフ、一生大切にいたしますわ。わたくしを守ろうとしてくださる、あなたのそのお気持ちと一緒に」 ミリアはナイフを愛おしそうに胸に抱き寄せ、春の陽だまりのような微笑みをユウヤに向けた。 女性の護衛が、さきほどからずっと俺のことを見つめてきている。その視線は射抜くように鋭く、それでいてどこか熱を帯びているようにも見えて……。なに? やっぱり、得体の知れない危険人物だと思われて警戒されているんだろうか。「えっと……なに?」 耐えかねて尋ねると、彼女はハッとした
Last Updated : 2026-01-06 Read more