実際のところ、同僚たちははなの夫についてさほど興味を持っていない。しかし、彼女が夫の話題を出した時、その瞳が誇らしげに輝いているのを見て、さすがに少し好奇心が湧いてきた。シャドウの夫ともなれば、どれほどすごい大物なのだろうか?退社時間になり、萌花はあらかじめ時雄にメッセージを送った。いつもなら一緒に帰っているからだ。しばらくすると、時雄から返信が来た。【俺も行きたい】萌花は素っ気なく返した。【ダメ】そして時雄からしょんぼりした顔文字が送られてきた。萌花は仕方なくもう一言返した。【途中で抜け出すから、その時迎えに来て】それで時雄も満足したらしい。【仰せのままに】仕事が終わり、皆はぞろぞろと栄里亭へと向かった。はなは広々とした個室を予約していた。栄里亭は完全予約制で、はなが頼んだのは一人十万円のおまかせコースだった。今日集まったのはちょうど四十人で、つまり、今夜の会計は総額四百万円にも上る。はなは、四百万円など来希にとって痛くも痒くもないと思う。自分に買ってくれるブランドバッグ一つの値段と変わらないからだ。来希が文句を言うはずがないと彼女は高を括っている。昼間、はなは来希に二度ほど電話をかけたが、ずっと出ないままだった。店に到着したところで三度目の電話をかけると、ようやく繋がった。「はな、ごめん。ずっと会議が立て込んでいて電話に出られなかったんだ。何か用だった?」「大したことじゃないの。今夜、あなたからのご褒美ってことで部署のみんなを食事に連れてきているから、あなたも顔を出してよ」来希はあっさりと承諾した。「いいよ。どこだ?」「栄里亭よ。そっちからも近いでしょ?」栄里亭と聞いた途端、来希の顔が曇った。あそこは決して安価な店ではない。おまけに幸林テクノロジーのオフィスからも近いため、はなは日頃からあの店をまるで社員食堂のように利用し、朝食さえそこで済ませることもある。だから、彼女が会社にいる間は、一日の食費だけで平気で数万円も飛んでいく。もちろん、その支払いはすべて来希持ちである。彼女が一人で食べる分にはまだいい。しかし、会食で何十人も連れてあそこへ行くとなれば、今夜だけで少なくとも何百万円という金が飛ぶことは容易に想像がついた。自分は社長なのだから、本来ならその程度の出費
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