空気は完全に凍りついていた。ディリアンは一切怯むことなくモルウェンナを見据え、その体は決して崩れることのない強固な城壁のように立ち塞がっていた。たとえ守るべきものと運命を共にし、砕け散ろうとも、一歩も退くつもりはない。その背後で、セレーネは拳を固く握り締め、顎をこわばらせていた。モルウェンナが次に出る行動は、誰にも予測できなかった。しかし、今日この場にいる全員にとって、ただ一つだけはっきりと理解できたことがある。あの短い平穏な時間は、もう完全に終わりを告げたのだ。ディリアンはモルウェンナから微動だに視線を外さず、低く警告した。「俺を脅すな」モルウェンナは心底驚いたように眉を上げ、薄く微笑んで問い返した。「脅す?私はそんなことしているつもりはないけれど。あなた、脅されていると感じたの?」ディリアンは平坦に答える。「いや。だが、お前の言葉は脅しに聞こえる。俺に対してでなければ、他の誰かに対してな」モルウェンナの笑みが少し深まり、彼女は視線を滑らせてセレーネで止めた。「あなたもそう感じるかしら、公爵夫人?」セレーネは答えなかった。ただ視線を外し、顔は平静を保ちながらも、肩を硬直させていた。モルウェンナは狡猾な光を瞳に宿し、低くくすくすと笑った。「ああ、忘れていたわ。公爵夫人は元々私のことがお嫌いだったわね。私があなたの夫を誘惑したから」セレーネは沈黙を保ったままだった。一言も発さない。ディリアンは長く息を吐き出し、明らかに忍耐の限界を堪えて短く告げた。「行くぞ」モルウェンナは心底名残惜しそうに溜息をつき、少し小首を傾げて提案した。「残念だわ。どうしてここに残って、私と一緒に楽しんでいかないの?私たち、もうすぐ結婚するんじゃないの?それはつまり、私たちは家族になるということでしょう?」ディリアンは氷のような眼差しで彼女を見下ろした。「もう雰囲気はぶち壊しだ。また今度にしろ」返事も待たず、ディリアンはモルウェンナの腕を掴み、庭から無理やり引きずり出した。二人の足音が遠ざかり、モルウェンナの姿が木々の向こうへと消えていく。そこへ来てようやく、残された全員がまともに息を吸うことができた。胸を圧迫していた緊張感が、ゆっくりと溶け落ちていく。ジェイは肩の力を抜き、将軍たちは互いに顔を見合わ
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