あの偶然の再会以来、私は真司と二人きりにならないよう、気をつけるようになった。真司が私に会いに来ようとするたびに、私は前もって彼から距離をとるようにした。プライドが傷ついたのか、真司も次第に私を訪ねてこなくなった。時間がある時に昔の同僚や友達と会って、ご飯を食べたり遊びに行ったりするのは、嫌じゃなかった。彼らの話から、私が去ってからの数年間で何があったのか、少しずつ分かってきた。私が辞めてから間もなく、真司と美咲は、以前のような親しい関係ではなくなったらしい。同僚たちは原因を知らないみたいだけど、真司と美咲がひどく喧嘩したことだけは確かだそうだ。美咲については、この数年間でみんな彼女の実力と本性をすっかり見抜いていた。最初のころは、まだみんなもお互いのことをよく知らなかった。だから、あの研究成果が誰の手によるものだったのか、はっきりと分からなかった人もいたみたい。でも、この数年間一緒に仕事をしていくうちに、美咲が、まったくの役立たずだってことを、みんな確信したようだ。今となっては、あの研究成果が美咲の実力で達成できるものでは到底なかったと、誰もがはっきりと分かっていた。それだけじゃない。美咲は上司に媚びを売って手柄を横取りしたり、仕事をサボったり、責任転嫁したりする。だから研究所のみんなを敵に回していたそうだ。みんなが次々と美咲の悪口を言うのを聞きながら、私は特に感情的になっていた昔の同僚たちの名前を、心の中で覚えておいた。食事の後、私はそのうちの何人かと、連絡先を交換した。あの時の出来事も、もうそろそろケリをつけなければならない。美咲は思ってもいなかっただろう。一度やったことは、必ずどこかに痕跡を残すということを。十分な時間とお金をかければ、どんなに昔のことであっても、必ず真相を突き止められるのだ。出発の二日前、飛行機のチケットを買った後で、哲平からビデオ電話がかかってきた。哲平は私の恩人だ。当時、失意のまま海外に渡った私を、多くの人が噂を信じて見向きもしなかったから。私は、いつか真実は分かってもらえると思っていた。自分の実力さえあれば、どこへ行っても仕事は見つかると思っていた。だけど、あの事件が私のキャリアに与えたダメージは、想像をはるかに超えていた。研究者として不正を働いた
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