その後の生活がどう変わったかといえば、甘い言葉をかけなくなった以外に大した変化は無かった。なんと言っても、「優希」の子供は有美のお腹の中にいる。以前、有美は情緒不安定になって薬を大量に飲んだことがあるため、目を離すこともできず、暁春は変わらず近くに控えていた。最初はしおらしくしていた有美も、徐々に元のお姫様に戻っていき、暁春は従者のようになっていった。それでも子供が生まれるまでの辛抱、と額に青筋を浮かべながら耐えていた。なぜここまでして、この子供の誕生を待ち望んでいるのか。その理由を深く考えようとすると、暁春はいまだに落ち着かない気持ちになる。しかし、子供が男の子でも女の子でも、そばに置いておきたいという思いは、有美のお腹が膨らんでいくにつれて強まっていった。-横殴りの雪が窓を叩く中、優希は新しい小さな命を胸に抱いている。その子はまだお腹の中にいると思っているのか、大人しく優希の胸に頬を寄せて、目を閉じている。2時間前、優希は女の子を出産した。3,500gを超える大きな赤ちゃんで、30時間以上にも及ぶ出産だった。そのため、優希の顔には濃い疲労が浮かんでいる。しかし我が子を見る目は慈愛に満ちており、とても優しいものだった。「ゆうちゃんお疲れ様。」そこに老夫人が看護師と一緒に病室に入ってきた。老夫人は眠る赤子を覗き込むと、「可愛いわねぇー」と、目尻を下げて笑った。その姿に自然と優希の口元にも笑みが広がる。子供の名前は凛(りん)。優希の支えとなってくれた女性たちは皆、強くて優しい人たちだった。だから彼女たちのように、凛とした強さと優しさを持った女性に育ってほしいと思い、お腹の子が女の子だとわかった時から、その名を考えていた。(強くて優しい女性になってね)優希は愛しい我が子にそっと頬擦りした。 「看護師さん
Last Updated : 2026-08-24 Read more