私は生まれつき甘い香りがして、肩には海棠の花みたいなアザがあるの。夫の福田颯太(ふくだ そうた)はそんな私にぞっこんで、毎日私のそばから離れようとしなかった。結婚して10年。私たちはキッチン、ソファ、車の中……時には公共施設のトイレでも体を重ねた。彼は記念日を一度も忘れたことがない。私と一緒にいるために、海外研修のチャンスを諦めたことだってあった。でも今年の彼の誕生日の日、颯太はきちんとした身なりで私の前に立ってこう言った。「今年の誕生日は、家で過ごさない」私が口を開く前に、彼はポケットから一枚の家族写真を取り出した。そこには、優しそうな女性とかわいい男の子が写っていた。颯太は二人を抱きしめて、幸せそうに微笑んでいた。「彼らといると、もう一つの居場所がある気がするんだ。今年の誕生日は、彼らと一緒に過ごしたいんだ」私は全身が震え、涙で滲む目で彼を見つめた。「私たち、結婚して10年よ。今さら、外にも家庭があるなんて言うわけ?」彼の冷たい表情を見て、この結婚はもう続ける意味がないと悟った。私はかすれた声で言った。「颯太、離婚しましょう」颯太は眉間にしわを寄せ、わけがわからないという顔で言った。「このままじゃダメなのか?なぜ離婚なんだ?」……かつて私のことを命よりも大事にしてくれたはずの男が、今では悪びれる様子もなく私を見ている。まるで浮気がごく当たり前のことだと言わんばかりの態度だった。彼の平然とした態度にもう我慢ができなくて、私は写真を彼の手から奪い取ると、粉々に引き裂いた。「颯太!あんたは私に隠れて外に女を囲って、子どもまで作ってたんじゃない!それで、どうして離婚なんだ、なんて聞けるわけ!?子供はいらないって言い出したのはあなたでしょう。私がどれだけお願いしても、あなたは聞き入れてくれなかったじゃない?こっちが聞きたいわ!どうしてなのって!」颯太はただそこに立って、取り乱す私を見ていた。しばらくすると、彼は呆れたように言った。「もういいだろう、千佳(ちか)。騒ぐのはやめろ。お前ももう子供じゃないんだ。若い女の子みたいに嫉妬で騒ぐのはみっともない。この写真が嫌なら、これからはもう見せないようにする」彼の他人事のような言い方は、まるで私だけがヒステリックに騒いで
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