「はぁ?お前の都合なんざ知らねぇよ。ただな——祐希が欲しいなら、死ぬ気で奪え。じゃなきゃ、あいつは奪えねぇ」 来人が低く呟く。 その言葉に、小林さんは怒りを露わにした。 「俺は……祐希を奪いたくないんだ!」 その叫びは、どこか悲鳴にも似ていた。 「奪うんじゃなくて……選ばれたい、か?」 来人が鼻で笑う。 「ハッ……だからダメなんだよ。祐希はもう……選ばない。いや──正確には、選べないんだ」そう言って、来人は苦しそうに顔を歪めた。 「俺が……春馬を選んだからな……」その言葉が、静かに落ちる。 「多分……祐希が、最初で最後に望んで選んだのが俺だからだ」 言い切ったその声には、迷いがなかった。 「俺も、最後まで一緒にいるつもりだった。あの時の気持ちに嘘はない。……でも、春馬に惹かれた自分の気持ちにも、嘘はつけなかった」 静かに続ける。 「そのことが……こんなにも祐希を傷付けるとは、思わなかったんだ」まるで懺悔のようだった。告白する者と、それを受け止める者。そんな光景を、僕はただ見ていた。小林さんは、何も言わずに来人の言葉を受け止めている。やがて、ゆっくりと目を閉じた。そして──深く息を吐く。 「……わかりました。もう、結構です」 静かな声だった。その顔は、いつもの小林さんの表情に戻っていた。 「あなたの言いたいことは、理解しました」そう言って、来人を見上げる。 「……とはいえ、許すという意味ではありません。祐希と向き合う覚悟については、理解しました。己の弱さも……」 静かに言い切ると、 「祐希様が、なぜ貴方に惚れたのか……理解できませんでしたが」 一拍置いて、 「……ああ、顔とスタイルだけだと思っ
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