Semua Bab 犬猿の仲……いいえ、犬猫の仲です: Bab 91 - Bab 100

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第八十六話:選べなかった想い

「はぁ?お前の都合なんざ知らねぇよ。ただな——祐希が欲しいなら、死ぬ気で奪え。じゃなきゃ、あいつは奪えねぇ」 来人が低く呟く。 その言葉に、小林さんは怒りを露わにした。 「俺は……祐希を奪いたくないんだ!」 その叫びは、どこか悲鳴にも似ていた。 「奪うんじゃなくて……選ばれたい、か?」 来人が鼻で笑う。 「ハッ……だからダメなんだよ。祐希はもう……選ばない。いや──正確には、選べないんだ」そう言って、来人は苦しそうに顔を歪めた。 「俺が……春馬を選んだからな……」その言葉が、静かに落ちる。 「多分……祐希が、最初で最後に望んで選んだのが俺だからだ」 言い切ったその声には、迷いがなかった。 「俺も、最後まで一緒にいるつもりだった。あの時の気持ちに嘘はない。……でも、春馬に惹かれた自分の気持ちにも、嘘はつけなかった」 静かに続ける。 「そのことが……こんなにも祐希を傷付けるとは、思わなかったんだ」まるで懺悔のようだった。告白する者と、それを受け止める者。そんな光景を、僕はただ見ていた。小林さんは、何も言わずに来人の言葉を受け止めている。やがて、ゆっくりと目を閉じた。そして──深く息を吐く。 「……わかりました。もう、結構です」 静かな声だった。その顔は、いつもの小林さんの表情に戻っていた。 「あなたの言いたいことは、理解しました」そう言って、来人を見上げる。 「……とはいえ、許すという意味ではありません。祐希と向き合う覚悟については、理解しました。己の弱さも……」 静かに言い切ると、 「祐希様が、なぜ貴方に惚れたのか……理解できませんでしたが」 一拍置いて、 「……ああ、顔とスタイルだけだと思っ
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第八十七話:来人は来人……

僕たちは、病室を後にした。後のことは——小林さんと竜ヶ峰の問題だ。「あの二人、うまくいくといいね」ぽつりと呟くと、「あ?まぁ、そうだな」来人が気のない返事をする。僕は駐車場へ向かう道を歩きながら、来人を見上げた。「もしかして、竜ヶ峰が他の人とくっつくのが嫌なのか?」「はぁ?そんなわけあるか」「じゃあ、なんでそんな返事なんだよ」僕がじっと睨むと、来人は大きく溜め息をついた。「あのな。祐希と小林がくっつけば、祐希はお前に変な言いがかりつけなくなるだろう?」「え?じゃあ来人は、僕のために?」「当たり前だろうが……。じゃなきゃ、他人の恋愛ごとに口出すかよ」心底めんどくさそうに呟く。「ったく、慣れないことなんか……するもんじゃねぇな」そうぼやく来人を、僕は唖然としながら見つめた。「せっかく惚れ直したのに……」 そう漏らすと「だろう?」なぜか来人がドヤ顔をする。「いや、今の一言でがっかりしたよ」「なんでだよ?」「来人、僕が同じことしたらどうする?」「春馬が? まさか、彰となにかあったのか!」「なんでそこで、彰兄さんが出てくるんだよ」「春馬の過去の男といえば、アイツしかいない」「……はぁ」思わず深い溜め息が出た。「やっぱり、来人は来人だね」そう呟いた。「な!どういう意味だよ!」「自分の頭で考えたら!」僕が怒りながらズンズンと歩き出すと「春馬~、なんで怒ってるんだよ~」そう言いながら、来人が追いかけて来た。竜ヶ峰……。僕はどうやら、駄犬をしつけ直さないといけないらしい。見上げた空は真っ青で、なんとなく──あの二人は、うまくいく気がしていた。
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第八十八話:竜ヶ峰祐希のその後

あれから——竜ヶ峰を助ける意味も含めて、十三家紋で話し合いが行われた。神蛇家は、竜ヶ峰祐希を祐巳一族の残党として引き渡すよう要求してきた。だが、竜ヶ峰の父親が他の家紋に頭を下げて回り——最終的に、竜ヶ峰祐希は竜ヶ峰一族の霊山で預かる、という形で決着した。そこに行けば……もう簡単には会えなくなる。竜ヶ峰一族の霊山は、完全な結界の中にある。一度足を踏み入れれば、生きて下山することはできないと言われている場所だ。俗世から完全に切り離された、神に最も近い場所。そこに行けば、竜ヶ峰はもう——神蛇に怯えることはない。……でも、それは同時に。僕たちとの別れを意味していた。霊山に出入りできるのは、竜ヶ峰の当主と、修行を積んだごく一部の者だけ。今回、竜ヶ峰の父親は——神蛇に囚われていた祐希の母親を救い出し、当主の座を祐希の兄・綾人に譲って、家族三人で霊山へ向かうらしい。その決断もあって——竜ヶ峰祐希と、その母親の罪は不問とされた。「寂しくなるな……」ぽつりと呟く。その言葉に、来人は小さく微笑んだ。「まぁな。でも、これで祐希はやっと……自由になれる」そう言って、少しだけ目を細める。「それに——家族プラス一で行くみたいだしな」そう言いながら、狗飼家の当主からの手紙を僕に差し出した。
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第八十九話:竜ヶ峰と小林さん

竜ヶ峰の退院日が決まり、僕と来人は護衛を任された。「別に護衛なんて要らないのに……」そうぼやく竜ヶ峰の隣には、甲斐甲斐しく世話を焼く小林さんの姿があった。なんとなく……うまくまとまったのかな?僕と来人が顔を見合わせると、「なに?なにか言いたいことあるの?」竜ヶ峰のツンツンモードが全開だった。「え?あ……いや、なにもないよ?」白々しく返すと、「本当、いい性格してるよね!」と呟きながら、「春菜の時から、そうしてくれればよかったのに……」ぽつりと続けた。「竜ヶ峰……」「別に、だからってどうなるとかないけどさ!……嫌な奴にはならなかったよ、多分」そう呟く。どうしよう。竜ヶ峰が……今日も可愛い。そのツンツンした可愛さに、僕がふにゃけていると──隣でもっとふにゃけている人がいた。「祐希……今日も可愛いなぁ……」思わず漏れたのだろうその言葉に、竜ヶ峰がキッと隣を睨む。「可愛いって、僕もう二十代後半にさしかかってるんだけど!」すると本人は、うんうんと頷きながら、「怒った祐希も、照れた祐希も……全部可愛いよ」そう言って、小林さんが竜ヶ峰の頭を撫でている。……うまくいって、キャラ崩壊したのか?唖然としている僕に、「言っとくけど、小林って本来こういう奴だから!君たちが知ってる小林は、よそいきの顔だからね!」そう言って、フンっと顔を逸らした。やばいよ、竜ヶ峰。可愛さが……限界突破してる。口元に手を当てて震えていると、「なんだよ?なんか言いたいことあるわけ?」口をへの字にして見上げてくる。どうしよう……抱き締めたい。そう思った瞬間──竜ヶ峰を、小林さんが背後
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第九十話:近付く距離と、近付く別れ

車は、なぜか──運転手が来人、助手席に小林さん。後部座席には、竜ヶ峰と僕が座っていた。──ことの始まりは。「ちなみに、運転は大丈夫なんでしょうね?」と、小林さんが疑いの目を向けたことだった。出発して最初に立ち寄ったパーキングエリアで、「なんなんですか、あの運転は!」小林さんが怒り出し、「うるせぇな!だったら他の車に乗れよ!」来人と言い争いが始まった。「あんなに飛ばすから、他の車がついて来ていないじゃないですか!」「あーねー」「あーねーじゃありませんよ!祐希様が乗っているのですから、安全運転をですね!」車を降りて早々、激しく言い合う二人にハラハラしていると──竜ヶ峰は我関せずといった様子で、売店へ向かって歩き出した。「竜ヶ峰!一人で行動したら危ないって!」慌てて追いかけると、「来人と小林の相手してたら、ご飯食べそこなうよ。早く行こう、春馬」そう呟いた。「え?まぁ……そうだけどさ……」と答えた瞬間、僕は耳を疑った。「え?……今……」慌てて竜ヶ峰を見る。背中を向けているけど──耳まで真っ赤だった。やばい、竜ヶ峰が可愛い。「竜ヶ峰!!」思わず抱きつくと、「ぎゃー!なに抱きついてるんだよ!」真っ赤になって叫ぶ。「じゃあ、俺も祐希って呼ぶね!」ぎゅっと抱き締めたその身体は、細くて軽かった。胸が、鈍く痛む。元々身体が強くないとは聞いていた。それでも──僕と出会うまでの間、来人の背中を守り、瘴気を受け止めていたのだと思うと……切なくなる。すると竜ヶ峰は、僕に軽くデコピンして、「過去は過去だよ、春馬」そう言って微笑んだ。「僕だって、きみをたくさん傷付けた。むしろ……僕の方が酷いことをしたんだ。だから、春馬が気にすることはないよ」まっすぐに僕を見つめながら、そう言う。その姿は──本当に美しかった。……せっかく、こうして仲良くなれたのに。別れの時間が、すぐそこまで近付いている。それが、どうしようもなく──切なかった。
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第九十一話:別れ

竜ヶ峰は、僕の気持ちを察したのか——「……手紙くれれば……気が向いたら返事書くし。また、会えるよ……きっと」そう呟いた。その言葉が嬉しくて、僕はぎゅっと抱き締める。「返事くれなくても……手紙送るから……」「うん」「いっぱい、いっぱい書くから……」「……」「え?いっぱいはダメ?」「小林みたいに、毎日大量は困るけど……」ぼそりと呟かれる。「え?小林さん、そんなに?」驚いて聞くと、「毎日、十通は来てた……」心底迷惑そうに言った。「え?小林さん……暇なの?」思わず漏らすと、竜ヶ峰が吹き出した。「春馬のそういうとこ、もっと早く知りたかったな」そう言ってから、「僕が言うのもなんだけど……来人のこと、頼むね」と続ける。「竜ヶ峰……」そう呟いた瞬間──来人が乱暴に僕を引き剥がし、小林さんが竜ヶ峰を背後から抱き寄せた。「祐希……早速、浮気ですか?」「春馬!お前、何浮気してんだよ!」声が重なる。「はぁ?誰が誰と浮気?」竜ヶ峰が目を据わらせる。「くだらないこと言ってる暇あるなら、さっさとご飯食べさせてよね!」ぷりぷりと怒るその一言で、来人と小林さんは、揃ってしょんぼり歩き出した。──さすがだな、竜ヶ峰。食事を終え、霊山へ向かう車の中。竜ヶ峰は、外の景色を焼き付けるように見つめていた。その横顔が切なくて、僕は何も言えなくなる。やがて──五時間の道のりを経て、竜ヶ峰家の霊山の麓に辿り着いた。入口には、僕でも破れない強力な結界。「ここまで送ってくれて、ありがとう」そう言って、竜ヶ峰は右手を差し出した。「今まで……色々ごめんね。ありがとう」その言葉に、胸が詰まる。僕は、その手を強く握り返した。「ここまで、僕たちを守ってくれていたんだよね?」小さく微笑む。——そうだ。神蛇の追っ手から、僕たちが認識されないように。来人と車、そして僕たち四人に——認識阻害の結界を張っていた。さすが竜ヶ峰だ。全部、分かっていたんだな……。そう思った、その時。「祐希、そろそろ行かないと……」小林さんが静かに促す。彼もまた、気配を感じ取ったのだろう。「最後まで、二人に迷惑かけてごめん」その言葉に、来人と顔を見合わせる。「祐希、俺たちは強いから大丈夫だ」来人が、いつもの調子で笑った。そして──「祐希……長
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第九十二話:対決

「やぁ、ハニー。久しぶり」背後に黒い蛇の影を従え、神蛇が現れた。その顔に、思わず眉間にしわが寄る。「険しい顔のきみも、とってもキュートだよ」楽しげに笑うその表情が、ひどく不快だった。「僕たちは、永遠に会いたくなかったけどね」そう返しながら、僕と来人は並んで鳥居の前に立つ。霊山──あの先は神域だ。簡単に踏み込ませるわけにはいかない。「きみがそんなに嫉妬深いなんて思わなかったよ。祐希を霊山に閉じ込めるなんて……。まぁ、あの美しさは芸術レベルだから、分からなくもないけどね」神蛇の言葉に、嫌悪感が込み上げる。僕は一歩下がり、来人の背中を掴んだ。「大丈夫だ、春馬。春馬は俺が守る」振り向いた来人が、優しく笑う。「来人……」その一瞬──「僕の前でイチャイチャされると、腹が立つんだけど?」神蛇の背後の蛇が、鞭のようにしなりながら襲いかかってきた。来人は右手から剣を出現させ、一閃。黒い蛇を次々と切り裂いていく。「お前、そんなんだから祐希に振り向かれないんだよ」呆れたように言う来人に、「はぁ?祐希は僕にとって、美術品みたいなものだよ。眺めて楽しむ存在だ」神蛇は平然と答えた。「ハッ!ふざけんな!あいつを絶望に突き落としたくせに!」来人の怒りに呼応するように、剣に炎が宿る。神蛇はそれを見て、くつくつと笑った。「祐希を絶望に落としたのは、きみたちだろう?」その言葉に、空気が凍りつく。「何度も呼んでたよ。“来人、助けて”ってね」神蛇の口元が歪む。「絶望に打ちひしがれる祐希も……本当に美しかった」恍惚とした表情。吐き気が込み上げる。
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第九十三話:反撃

僕の叫びよりも早く、来人が迫り来る黒い蛇を断ち切った。「ワンッ!」僕の腕の中に、ライトが飛び込んできた。その身体をぎゅっと抱き締めた瞬間——眩い閃光が、辺りを包み込む。次の瞬間、光の中から遠吠えが響いた。振り向いた先には——以前にも見た、あの犬の影。それが今度は、無数となって神蛇の黒い蛇へと襲いかかっていく。「これは……一体誰が?」来人が驚いた声を上げる。すると神蛇は、舌打ちをして「チッ……多勢に無勢とは、卑怯な奴等だな」そう吐き捨てた。「ハニー、また近いうちに会おう」そう言って、こちらに投げキッスをしてくる。僕が反応するよりも早く——来人がそれを一刀のもとに斬り払った。そして——気付いた時には、神蛇の姿は消えていた。「来人! 春馬君、大丈夫か?」光がゆっくりと収まり、その先から狗飼家の当主が姿を現す。「親父! あの式神、親父だったのか!?」驚く来人に、「あぁ、春馬は知らなかったか。親父は昔、術が使えなかったんだ」と説明が入る。……なんだろう。当主様の背後から感じる、母さんのドヤ顔。「あぁ……番になったことで、封印が解かれたんですね」そう呟くと、「なんだそれ!」来人がすかさず拗ねた声を上げる。「来人、なんで拗ねてるんだよ」「はぁ? 唯一、親父に勝ててたのは能力者ってところだったのによ」唇を尖らせるその姿に、「ふふふっ、来人君ったら子供みたい」と、母さんが笑った。どうやら、あの閃光は母さんの仕業だったらしい。光が完全に消え、母さんがこちらへ歩み寄ってくる。「ライトを連れて来てくれたのも、母さんたちだったんだね」そっと頭を撫でると、「これからは一緒に連れて行きなさいよ。今の来人君みたいに拗ねちゃって、大変だったんだから」と呟いた。その瞬間——来人とライトが、同時に顔を見合わせる。そっくりな表情に、僕たちは思わず吹き出した。「ごめんな、ライト。さっきは大丈夫だったか?」殴られた場所に、そっと力を流す。ライトは「くぅん」と甘えながら、僕の頬をぺろぺろと舐めた。「ライトは、僕のヒーローだよ」そう言って抱き締めた、その時——「ごほん!」頭上から、わざとらしい咳払いが落ちてくる。見上げると、来人がじっとこちらを見ていた。僕はライトを撫でながら、「はいはい、来人もかっこよ
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第九十四話:友達

あの後、僕たちは猫柳家に集合した。「とりあえず、春馬、来人君。護衛、ご苦労さま」じいちゃんはそう言うと、白い封筒を差し出した。来人と顔を見合わせる。「それは、竜ヶ峰家からの報酬だ」そう言われて、僕たちは同時に首を横に振った。「祐希の護衛は、俺のけじめだったので……」来人がそう言うと、じいちゃんは険しい顔になった。「竜ヶ峰家のけじめなんだそうだ。受け取りなさい」静かに、しかし強く言われる。差し出された封筒は、見ただけでそれなりの金額が入っていそうだった。……でも。これを受け取ったら、もう竜ヶ峰に会えなくなる気がして、怖かった。すると母さんが、軽い口調で言った。「受け取りたくないなら、二人で返しに行けばいいじゃない?」僕たちは思わず顔を見合わせる。「竜ヶ峰家は……僕たちと話してくれるかな?」ぽつりと呟くと、じいちゃんは小さく笑った。「春馬、勘違いするな。これは手切れ金じゃない。むしろ、お前たちには感謝していると話しておったよ」その言葉に、胸が少し軽くなる。「祐希君がな、『僕にも友達が出来たんだ』と嬉しそうに話しておったそうじゃ」——多分、春馬のことじゃろうな。そう続けられて、僕の目に涙が滲んだ。「竜ヶ峰が……僕を?」「じゃからな、春馬にとっても初めての友達だと、そう答えておいた」じいちゃんの言葉に、胸の奥がじんわりと熱くなる。……ああ、僕たち。ちゃんと、友達になれていたんだ。「だったら、尚更受け取れないよ。友達を助けるのは、当たり前なんだから」そう言った僕の隣で——来人がしょんぼりしていた。「春馬が友達なら、俺は?」「は? 来人は元カレ
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第九十五話:閑話休題~手紙~

拝啓竜ヶ峰祐希様お元気ですか?お二人が霊山に入って、1ヶ月が経過しました。まだ一ヶ月なのに、祐希がいない生活が寂しく感じるなんて、不思議な感じです。こっちは相変わらずの毎日だけど、そっちはどうですか?来人は祓いの仕事が夜に多いからか、朝寝坊でライトの散歩の時間が遅くなって困ってます。(祐希と付き合ってた時からそうだった?)祐希はどう?きっと、小林さんと規則正しい生活を送っているんだろうな。会って、たくさん話をしたいよ。また手紙書くね。猫柳春馬拝啓猫柳春馬様元気そうだね。こっちは日が昇ったら起こされて、日が暮れたら就寝だよ(笑)来人も僕も、夜行性だったからね。朝は苦手だったよ。春馬は健康的な生活してたっぽいよね。小林? あいつ、人間じゃないよ。朝、日が昇る前に起きて境内の掃除してるんだよ。信じられない。あいつ、絶対前世は坊さんだったよ。次に会った時、ライトは触らせてくれるかな?僕、動物好きなんだけど、飼ったことないんだよね。春馬がいたら、ライトも触らせてくれる気がするんだ。ライトに触らせてくれるなら、会ってあげてもいいよ。手紙、また気が向いたら返事書くね。竜ヶ峰祐希***「春馬、どうした?楽しそうに手紙読んでるけど」手紙を読んでいると、来人が声を掛けて来た。「祐希からの手紙だよ」「あぁ……春馬と祐希は文通してるんだっけ?」来人はソファーに座る僕の横に座ると、肩に頭を預けて来た。「文通……って言ったら、祐希は怒りそうだけどね」苦笑いを浮かべた僕に「でも、手紙を出すと必ず返事が来るんだろう?あいつは基本的に面倒くさがりだから、春馬のことが気に入ったんだろう」と答えた。でも、少し拗ねているのが分かる。「なに?嫉妬してるの?」「そりゃあね。祐希から手紙が来る度、嬉しそうにされたら、嫉妬しちゃうよね」来人の言葉に小さく笑い「祐希がさ、今度会ったらライトを撫でたいんだって」と言うと「はぁ?」と、来人が頭を上げた。「あ!来人じゃなくて、ライトだからね!」僕の言葉に、来人が目を据わらせた。「春馬、お前……わざとだろう?」僕を抱き締める来人に、僕は笑い転げた。幸せな時間。幸せな瞬間。穏やかな日々……。竜ヶ峰も、こんな時間を過ごしていると良いな。***「春馬さんからの手紙です
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