All Chapters of 犬猿の仲……いいえ、犬猫の仲です: Chapter 101

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第九十六話:閑話休題~兄、竜ヶ峰綾人の苦悩①~

俺には、五つ年下の弟がいる。弟は母親に似て容姿が美しく、天使のように愛らしい純粋無垢な子だった。そんな祐希に邪な感情を持つ輩が近付かないよう、俺はありとあらゆる手段で排除してきた。そんな俺をブラコンだと馬鹿にする輩が多い中、「綾人は、本当に弟が可愛いんだね」唯一、親友の静《せい》だけは、俺の行動を否定しなかった。静は名前の通り物静かで穏やかな性格だ。男五人兄弟の下から二番目だからか、出会った頃から妙に落ち着いていた。誰に対しても優しく、その穏やかな性格から女子からの人気も凄まじかった。そんな静と仲良くなったのは、席替えで隣になったのがきっかけだった。神社の跡取り息子である俺に対しても偏見のない、フラットな態度に、俺は自然と心を許していった。いつしか無二の親友となった静を、我が家に招いたのが運の尽きだった。俺は、静なら弟もいるし大丈夫だろうと祐希を紹介した。祐希は俺の親友を紹介されるのが嬉しかったらしく、いつも以上に可愛らしい笑顔で「はじめまして。竜ヶ峰祐希です」と、光り輝くような笑顔で挨拶した。その瞬間、静が固まった。ピクリとも動かず、瞬きすら忘れているようだった。そんな静を心配した天使の祐希が、首を傾げて「あの……?」と、無反応の静を上目遣いで見上げた。(あぁ……今日も、うちの祐希《天使》が可愛い……!)なんて感動していると、突然、静が祐希の両手を掴み「好きです! 結婚して下さい!」と言い出した。祐希はその勢いに驚いたらしく「怖い~~~!」とギャン泣き。俺はすぐさま祐希を隠すように抱き締め「静、お前は祐希に近付くな!!」と叫んだ。今思えば、これが運命の出会いというやつだったのだろう。静は中学でも高校でも、それはそれはモテた。しかし、どんなに女子が告白しようが
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