「以前俺が連絡した内容だが……調べはついたのか?」 「どうして私が調べなきゃならないのかしら?それに、万が一私が情報を持っていたとして、どうしてあなたに教えなきゃいけないの?」 「……俺はNEW ISLANDの社長だぞ?お前の蘭デザインより社員数も多く、会社もうちの方が大きい」 だから持っている情報を教えるのは当たり前だろう? そんな不遜な態度でふんぞり返っている誠司に、蘭は呆れたようにため息を吐き出した。 「会社が大きいからってそれが何だと言うの?そんなに情報が欲しいならご自慢の大きな会社の権力を使って情報を取ればいいじゃない」 「──っ、小賢しい言い訳をするな!俺が欲しているのだから、お前は大人しく情報を渡せばいい!」 「新島社長……あんた、いつからそんな傲慢な人間になっちゃったのよ……」 蘭は目を細め、誠司をじっと見つめる。 昔の誠司を知っているからこそ、蘭は今の誠司の変わりように驚いた。 確かに多少なりとも傲慢な部分があったかもしれない。 だが、誠司がもみじと付き合っている当時を知っている蘭は目の前に居る男の変わりようが信じられなかった。 「……男って本当に駄目ね、付き合う女1つで変わってしまうなんて」 「何を意味の分からない事を……!早く教えてくれ!駅舎について何か情報を掴んでいるんだろう!?」 誠司の大きな声に蘭はため息をつくと、きっぱりと口にした。 「知らないわ」 「──は?何だと……?そんなはずは……」 「私の実家の事を知っていて、アポも取らずに無理やりやって来たんでしょうけど……私は今実家とは距離を置いているの。……勘当されているような物だから、何の伝手もないわよ」 「……っ」 蘭のあっさりとした返答に、誠司は信じられないと言うように目を見開いた。 蘭の情報をあてにしていたのだろう。 だが、実家との確執までは調べていなかった誠司は、完全にあてが外れた、た愕然とした。 「──そんな、それじゃあ……今回俺が戻って来たのは……」 「完全な無駄足だったわね。ご苦労さま」 もういい?と言うように蘭は誠司に向けていた顔をパソコンに戻してしまう。 はっきり誠司の存在を排除してしまった蘭には、これ以上話しかけても無駄だろう。 それに、実家と折り合いのよくない蘭は本当に何も情報を持っていないのかもしれない。
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