◇ 翌日。 病院で退院の準備をしていたもみじは、病室をノックする音に扉に顔を向けた。 「──はい」 「おはようございます、新島さん」 「髙野辺さん!」 おはようございます、ともみじが笑顔で挨拶をすると、髙野辺は病室に入って来てもみじの荷物をさり気なく持った。 「退院手続きは済んでいます。今日この後少し時間はありますか?久保田と話した事を伝えたくて」 「あっ、ありがとうございます!はい、時間はあるので大丈夫ですよ」 「分かりました。それじゃあ……話す内容が内容なので……個室のレストランを予約しても大丈夫ですか?」 髙野辺の言葉に、もみじは頷いた。 髙野辺が退院手続きを済ませてくれていたお陰で、病院の退院は驚くほどスムーズに済んだ。 駐車場まで一緒に向かい、髙野辺が助手席のドアを開けてくれる。 もみじはお礼を言いつつ助手席に乗り込んだ。 髙野辺も運転席に乗り込み、2人は雑談をしながら髙野辺が予約しているレストランに向かった。 ◇ レストランに着き、食事をしつつ髙野辺が久保田からの話をもみじに告げる。 「新島さん。昨日久保田と話をしたんですが、新島さんが今まで提出した証拠と、昨日暴力を受けた診断書でどうにか動く事が出来ると久保田が言っていました」 「──本当ですか!?」 「ええ、本当です。それで、久保田はこれから先の事をどうしたいか……それを新島さんから聞いて欲しい、と。久保田に任せていただければ、旦那さんに1度久保田の方から連絡を入れるそうです」 「──私が離婚について動き出している、と言う事が夫にも分かるって事ですよね?」 「ええ、そう言う事になりそうですね」 髙野辺の言葉を聞いたもみじは、少し考える素振りを見せてから再び口を開いた。 「それでしたら、少しだけ待ってもらってもいいですか?あの家から出る準備をします。夫に知られないようにどこか賃貸を借りますので、10日ほど待っていただいてもいいですか?」 家を出る──。 もみじの言葉を聞いた髙野辺は、微笑んだまま頷いた。 「ええ、分かりました。そうですよね、離婚するために弁護士を雇っているのだから、一緒の家では暮らしたくないですよね」 「すぐに離婚したいと言ったくせに、時間がかかってしまい申し訳ないです」 しゅん、と肩を落とすもみじに髙野辺は慌てて首を横に振った
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-05-02 อ่านเพิ่มเติม