「で、出来たわ……!」 自宅のリビング。 もみじは、パソコンから顔を上げ、明るい声を上げた。 あれから、また数日。 自宅に籠り、仕事をしていたもみじは早速髙野辺に連絡をしようとスマホを取り出した。 連絡するといつも髙野辺はすぐに電話に出てくれる。 会議中の時などは、電源が切れているが会議が終わるとすぐにもみじに折り返してくれるのだ。 「──おかしいわね、出ない……?」 今は、コール音が鳴り響くだけ。 電源が入っている。 何かあったのだろうか。 そう思ったもみじは、万が一の時のため、と渡されていた蒔田と田島の名刺を手帳から取り出した。 「えっと……蒔田さんに連絡すればいいかしら?」 蒔田の名刺を確認すると、仕事用の電話番号が記載されている。 もみじは早速蒔田の電話番号をスマホに打ち込み、電話をかけた。 数コールでコール音が止み、蒔田の声が聞こえる。 〈──はい?〉 「あっ、蒔田さんですか?私、玖渡川です!玖渡川もみじです!」 最初は、もみじからの電話だと分からなかったのだろう。 蒔田の声は硬く、冷たかった。 だが、もみじが名乗るなり蒔田の声は一瞬で柔らかく変化した。 〈玖渡川さん……、良かった、あなたでしたか〉 「は、はい、突然お電話をしてしまいすみません」 〈いえ、大丈夫ですよ。どうなさいましたか?〉 優しく柔らかな蒔田の声に、もみじは素直に髙野辺の事を聞く事にした。 〈デザインが完成したので髙野辺さんにお電話をしたんです……。だけど、電話が繋がらなくって……髙野辺さんに何かありましたか?〉 もみじが心配そうに問うと、蒔田は「ああ」と納得がいったように答えた。 〈それは大変失礼しました。社長は今、体調を崩されていて……〉 「──えっ!?」 まさか、髙野辺が体調を崩しているなんて、ともみじは驚く。 すると、蒔田から更に驚く提案をされた。 〈申し訳ないのですが、私共は今手が離せなくて……。もしよろしければ、社長の様子を見て来てくださると大変助かるのですが……玖渡川さんにお願いしてもよろしいでしょうか?〉 ◇ 高級住宅街。 1度は誰もが憧れるような、タワーマンション。 購入するためには数億円が必要だと言われているような場所だ。 もみじの元夫、誠司もいつかはこのマンションに住みたい、と言っていたのを
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-06-08 อ่านเพิ่มเติม