髙野辺と話をした、翌日。 もみじの祖父母の家に挨拶に行く事になった。 行くのは、仕事が休みの週末。 週末までの間、もみじは念のため会社を休む事に。 「じゃあ、行ってきますもみじさん」 「ええ、気をつけてくださいね。徳居さんが捕まったとはいえ……胡桃は暇を持て余していますから。何をやるか分かりません」 自分を心配するもみじに、髙野辺は頬を緩めて微笑む。 「分かりました。警戒しておきます」 「お願いします」 髙野辺の返事に安心したように微笑むもみじ。 もみじに挨拶をした髙野辺は、玄関の扉を潜り外に出た。 リビングに戻ったもみじは、自分の祖父母に週末、家に向かう事。 そして、今お付き合いをしている男性がいる事。 その彼と一緒に家に遊びに行くと連絡をした。 ◇ 週末。 もみじの祖父母の家に行く日。 祖父母の家は郊外にある。 以前は電車で向かったが、今回は髙野辺が車を運転してくれるそうだ。 手土産を持った髙野辺と一緒に車に乗り込み、もみじと髙野辺は高速に乗った。 高速を使い、都心から車で1時間半。 隣県との県境。 祖父母の家がある街は、自然豊かで空気が美味しい。 近くには大きな商業施設もあり、観光名所もある。 そのため、休日の今日は道も混んでいた。 「思ったより道が混んでいるな……」 運転席にいた髙野辺が、ぽつりと呟く。 もみじも道の混雑を見て眉を下げつつ答えた。 「そうですね……。到着予定の時間から遅れてしまうかもしれない、と伝えておきますね」 「──ええ、その方がいいかもしれません。お願いしてもいいですか?」 「もちろんです!連絡しておきますね」 頷いたもみじは、自分のスマホを取り出してメッセージを打つ。 ハンドルに手を置いたまま、髙野辺は前を見据え眉を下げた。 (途中のサービスエリア……確か最近テレビで紹介されて、ここに来る人が増えたって言ってたか……) 時間には十分余裕を持って家を出たつもりだったのだが、読みが甘かった、と髙野辺は反省した。 高速だと言うのに、速度を出せずのろのろと進む。 この場所には似つかわしくないベントレーがゆっくり進む様はとても目立っていた。 それを、サービスエリアから見ていた男が1人。 その男は、仕事の休憩にサービスエリアに立ち寄ったようだった。 男──新島 誠司
Última actualización : 2026-08-11 Leer más