All Chapters of イジメられっ子世に憚る。: Chapter 21 - Chapter 30

41 Chapters

第21話

 暗殺対象かぁ。なんで毒殺なんだ?アサシンとかいないのか?自信なし?王家は影がいるから毒殺が安全策だと? 今日はトブチのところに龍己を連れて来てみた。「こないだの臭いにおいってどんなん?」「とにかく臭かった!気持ち悪~って」「ふーん、コレみたいな?」「あ、よく似てる!こんな感じ!」「それはなんだ?」「麻薬」 おいおい、麻薬香る屋敷っていいのかよ。いや、ダメだろうけど。この世界で犬の嗅覚はそんなに認知されていないしなぁ。そもそも麻薬犬いない……。「俺としては、陛下を弱らせてた毒の匂いがすればいいなぁくらいの気で龍己を連れて行ったんだけど、まさかの事態だよ。フリックにも伝えたんだけど、「確固たる証拠もないのに踏み込めない」って言われた。そりゃそうだよな」「証拠ねぇ。この麻薬、特殊で匂いがするところにこの薬品を近づけると……」「薬品の色が変わったぞ!」「そうなんだ。屋敷の外で効果があるかはわからないけど、この薬品は使えないか?」 トブチが悪い笑みを見せる。そうだよな。自分を魔女裁判にかけるようなやつらへの復讐だもんな。「ってことで、この薬品をもらった。回数制限はないと言ってた。麻薬の匂いがするところで色が変わるらしい。あの場は確かに俺には何の匂いもしなかったが薬品は色が変わった。あのハンス家の麻薬とトブチのところにあった麻薬が同一の物ならば色が変わるはずだ!龍己、あ、俺の友人のドラゴンな、の嗅覚だと同じ匂いだ」 さっそくフリックの命令で護衛騎士がハンス家の屋敷を通りすがったらしい。もちろん薬品を持って。そしたら、色が変わったらしい。 念のため護衛騎士には各種保護魔法をかけておいた。物理攻撃も魔法攻撃も麻痺も睡眠もなにも効かない。 護衛騎士には「スゴイですねぇ、戦場じゃ無敵じゃないですか!」と褒められた。俺にその気はないけどな。戦争嫌いだし。 これを証拠としてフリックは屋敷に踏み込んだ。当然(?)証拠は言いがかりだと言ってきた。「いやぁ、無実なら何を調べられてもいいでしょう?だって何も罪になるような事していないんだから」 と、フリックは結構強引に捜査をした。 結果として、麻薬の押収、人身売買の帳簿の押収、毒物取引の帳簿の押収etc. かなりの罪となった。 同時に乳飲み子の母だというのに、王城から追放。乳飲み子は国王の信頼のおける
Read more

第22話

 おいおい、また2-Cの連中の中の商人のやつ。ヴェータス王国じゃ商売できなくなったからって麻薬を売るようになったのかよ?担任の長野せんせーは何してる?監督不行届というやつじゃないのか? 俺は関わりたくないから、この国ともオサラバするか。あ、冒険者ギルドに登録してるんだったな。一度リヴィアに戻るかな。  なーんて考えてたのに、「マサミ待てよ!」とフリックに止められた。「俺は異世界人と関わり合いたくないんだよ」「そこをなんとか‼」 うーん、次期国王確定のフリックに顔の前で手を合わせて頼まれたんじゃ断りにくいなぁ。何より周りの目線が「王子がここまでしてるんだぞ?」的で怖い。「ふぅ、わかった。匿名で協力するよ。えーと、ランゲル王国に麻薬を持ち込んだのはヴェータス王国で商売ができなくなった商人(異世界人)だ。誰かは断定できないけど、まぁヴェータス王国で商売できなくなったのは20人弱いるから、その中の誰かだろうなぁ」 モブの分際で面倒なことを…‼「最近、ランゲル王国に来た異世界人(俺以外で)を調査すれば一発じゃねーの?」「そうだな…。俺は謁見の間でヒットした人間に会うから、断定をしてほしいんだが……」「龍己の嗅覚か?」「是非お借りしたい!人間なんかに使われるようで嫌かもしれないが」 そうかなぁ?龍己は結構楽しそうに協力してくれるけど?「とりあえず、龍己に聞いてみよう」 俺は角笛を吹いた。龍己は慣れたようで、着地点の大きさに合わせて自分の大きさも変化させている。「正己、また面倒ごとに巻き込まれてるのか?」「まあな。今回は龍己が主役!龍己に犯人を断定してほしいんだ」 フリックが麻薬の根絶を考えている事など、事細かく龍己に説明。「なるほど。それで俺の嗅覚が重要ってことか?」「そういう事!協力してくれるか?」「まぁ、いいぞ。時間はたっぷりあるからな」 つまりは暇だということか?これも黙っておこう。龍己が主役☆ってことで気をよくしてるみたいだし。 翌日より、異世界人と呼ばれる人間が王城に招集された。 はぁぁぁぁ、ほぼ2-Cの連中じゃね? 一人づつ次期国王のフリックと面談することとなった。商人だし、王家御用達とかになればランゲル王国での成功は約束されたようなもの。 皆、ここぞとばかりにアピールをしていく。「我が商会の強みは」で始まる文言
Read more

第23話

 非常になんともわかりやすい。出すだけボロを出すんじゃないか?「その薬の成分は何だ?心配無用だ。私は世界を渡り歩いて知識が豊富。多少のことで動じないぞ」 俺が正体を明かした時、めっちゃテンション上がってたよなぁ……。「ジアエンソサンというものです」「ほう、初耳」 俺はフリックにこいつは堂々と嘘を吐いている。と言っておいた。次亜塩素酸だろう?麻薬の成分か?次亜塩素酸なんちゃらとかよく耳にするけど、麻薬? 違うだろ?普通の漂白剤とかで結構人体に有害。そんなものを陛下に与えたらダメだろう?体調は良くならないだろう。どちらかというと、気持ち悪くなりそ~。 フリックはそのクスリをとりあえず商人から受け取った。商人は名前……あ~、忘れた。俺は社交的じゃないからなぁ。陰キャだし。 受け取ったところは俺という第3者が目撃しているし、次亜塩素酸がどういうものかも後でフリックに説明すればいいだろう。 それを「体調がよくなるやもしれない」と国王陛下に渡そうとしたという罪が加算される。アワレ。「フリック、次亜塩素酸だけどなぁ」「あぁ、知ってて知らないフリをしてこの薬を入手。あいつを捕まえる証拠になるだろう?」 こいつ……なかなか食えないやつだったのか⁉「麻薬は持ち歩いていないみたいだけど、龍己の嗅覚が反応したって事はあいつで決まりか?実は俺もトブチに薬品を借りてたんだ。見事に反応したよ」「あいつがこの国に麻薬を持ち込んだのか……」 フリックはよくよく拳を握って血を流すもんだと思い、俺は密かに治療をしておいた。「あいつの商会のところに強制捜査か?」「うーん、証拠として弱いような……」「いや、次亜塩素酸で国王陛下を殺害未遂の容疑がある。それなら確実だろう?」「話を聞いていたというマサミも一緒ならな。濡れ衣とか言い逃れ方法などいくらでもあるからな」 そんな弱腰でどうするんだ?次期国王!「はぁ、俺も行くかぁ。ローブを深くかぶればいいかな?」 声で俺だとバレやすいのか?なるべく声を出さないで行こう。 その日の夜のうちに、フリックと俺は(騎士の皆さんも)断定したやつの商会へと行った。まさに夜逃げをしようとしていた。「何をしているのですか?引っ越しですか?こんな夜中に」 突然明りに照らされて、商会の従業員も驚いていた。「国王陛下の殺害未遂により、この
Read more

第24話

 麻薬だけは絶対に公表できない!とあの商人は、夜逃げの時に気の置ける従業員に荷物としてひょいと預けて、常連の家に保管をお願いしたらしい。いきなりバレたけど。 それも龍己の嗅覚の賜物。 龍己の嗅覚で、麻薬の行方を捜しているとその商会の従業員に出会った。もろ麻薬を手にしている。「それは?」「商会長からの命により、ハンス家へ届ける予定のものです」「中を拝見するぞ」 見るからに麻薬。「正己~。あまりに臭くて俺は気分悪いぞ?」 麻薬の効果が龍己に現れてる?うーんどっちかというと気分が高揚するものだと思うのだが、ドラゴンだと違うのか?「フリック、決まりだって。麻薬臭すぎて、龍己が気分悪いって言ってる。ドラゴンだと人間とは反応が違うのかな?」 よく、トリップするとか言うけど違うのか? とりあえず、その従業員は拘束。クスリは証拠として押収。薬についてはまだ不思議だから、トブチにも見てもらおう。「うん、これは麻薬で間違いないよ。しかし、ドラゴンは生態が人間とは違うんだね。そこは薬師として興味あるとこだけど、それはそれだよな」 確かにな。 しかしなぁ、よりにもよってハンス家に行く予定だった。没落したんじゃなかったっけ?でもまぁ、麻薬をハンス家に運びたかったらしい。 没落した貴族といえども、お金が有り余っているって家はあったりする。でもなぁ、麻薬で稼ぐのはどうかと思うけど。 残った麻薬も回収できたようで、フリック的に満足ではないかと俺は思う。でもケシとかって自生してるんだよな。それってどうするんだ?あ、ケシが存在するのかわからん世界だったな。 これでフリックの望む麻薬の無い王国の完成か?「マサミ、あの商人言い逃れが酷い。マサミがちょっとやってくれないか?」 仕方ないなぁ。「アイツが失禁しても知らないぞ?」「ああ、地下牢だから、臭いのは捕まってるアイツだ。服も濡れども着替えはナシ」 俺だったら耐えられない!「よお、悪いな名前覚えてないんだ。俺に社交性なんてないし。お前らに見殺しにされた須藤正己だ」 名前を名乗っただけなのに、失禁しなくてもいいじゃないか。心外だなぁ。「俺がヴェータス王国で商人たちの信用を落としたからって理由でこれはないだろう?麻薬取引で大儲け?異世界だから刑が重いかもしれないなぁ」「俺は悪くない。俺を追い詰めたお前が悪い
Read more

第25話

 まぁ、俺がヴェータス王国で色々やったのが原因と言えば、原因だけど。そもそもの原因は俺を囮にしたという2-Cの連中だし、自業自得じゃないかと思うけど、あまりの生活レベルの格差に他責というか、俺のせいにしたかったんだろうな。自業自得。ドラゴンだから生きてるよ?咀嚼しないんだもん。これで、狼の群れとかだったら俺は確実に死んでいただろうし、そう考えると俺のせいにするのは責任転嫁というかなぁ?責任逃れ?自分は悪くない的な? やだやだ、そういう現代っ子。「俺だけが麻薬に手を出してると思うなよ!」 と、商人A(モブにとりあえずの名前を付けておいた。)は言った。めんどくさいことを言い残しやがって。その後始末を俺がしなきゃなんないのか?いい年した高校生男子の尻拭いをなんで俺がしなきゃなんないんだよ。そこは担任の仕事だろ!「長野せんせーを訪ねるかな?管理不行き届きだって言えば、動いてくれないかな~」 内申書も大変なことになるだろうな。前科大アリのヤバい物件という事になるからな。「ナガノセンセーとは一体誰だ?」「俺が通ってた学校のクラスの担任」「あー、それは生徒の管理をちゃんとしてくれなくちゃ困るよな」「だよな。異世界だし。毎朝点呼取るとか?」「ああ、そう言う管理。してないから、こういう輩が現れたんだろう?」 そして俺にまたもや尻拭いしろよ的な捨て台詞。うんざりする。 俺は龍己に乗ってひとっ飛びでヴェータス王国へと行った。「長野センセーはどこにいる?」 俺はいきなり王城で聞いた。「元・賢者のナガノのことか?彼女なら…。娼館に入っている」 はぁ? 先生って聖職じゃないのか?娼館で何やってんだよ?って客取ってんの?ヤバい人になったもんだ。「この娼館に長野がいるって陛下から聞いて来たんだけど。あー、俺は須藤正己。長野先生に言ったら、怯えたりするのかなぁ?手紙でも書くか?」――― 長野先生へ お久しぶりです。俺はとりあえず元気にやってます。俺としては関わりたくなかったのですが、向こうからやってきました。ランゲル王国に麻薬を持ち込んだ生徒がいます。そいつは今はランゲル王国の地下牢にいます。名前は覚えていません。スイマセン。社交性ないんで、名前覚えられないんです。 麻薬を持ちこんだ罪の他にも、国王陛下の殺害未遂、殿下の殺害未遂などしてるんでそい
Read more

第26話

 俺は旅を続ける。尻拭い旅じゃなくて純粋に俺の趣味。 あ、冒険者登録をしたんだっけ?とりあえずリヴィアまで行くか。「龍己ー。ランゲルの中にあるリヴィアって街まで乗せてくれるか?」「どうしたんだ?」「いや、一応冒険者登録してるしさぁ。また俺にしかできない依頼とかあったら受けなきゃだなぁ。と思って」「お人よしだな。俺なら無視する」「俺にしかできないってところが特別感があるじゃん?そういうのってちょっとした優越感」「器が小さいなぁ」「なんだよ、龍己はなんか毒舌だなぁ」「いや、正己が決めたことだからいいけど」 なんだぁ?龍己がなんか不機嫌?なんで?気にしなくていいのか?よくわからんな。 久しぶりのリヴィアの街はなんだか寂れていた。「ギルドはーっと。ギルマスいますか?」「あ!マサミさん‼ギルマスが!拉致されちゃって」「何で?」「あー、昔取った杵柄ってやつで一応の賞金首なんですよ」 人は見かけによらないものだな。「でも、ギルマス強いんだろ?」「昔は…。でもホラ、片足義足でしょ?そういう風になったから現役を退いたんだけど、恨みって買うものじゃないわね~」 俺はガンガン買ってるが?俺の将来は大丈夫か? 自分の心配じゃなくて今はギルマス‼「どこにいるのか見当はついてるのか?大体は…」「そんじゃ、俺が行ってくるか」 俺は久しぶりに自分の足で長期の旅行をした。疲れた。治癒魔法をかけながら、一日中歩き続ける事2日!ついにギルマスを発見‼ ギルマスは口パクで「罠がある」とか言ってたけど、俺をどうにかできる罠ってあるのか?騎士さん(どこの国だか忘れた)大絶賛のいろんな攻撃無効の魔法を予めかけてあるから、全く問題ない。多少の怪我は自分で治癒魔法。 助けたギルマスにも俺と同じような魔法をかけておいた。「あれ?ライさん。義足はどこに?」「拉致したやつが燃やしやがった」「何て面倒なことを‼」 仕方ないので、ギルマスをおぶって街までダッシュで帰った。 俺とギルマスは無事にギルドに戻った。ちょっとだけ疲れた。「ギルドのメンバーが心配していましたよ。で、一体誰に拉致られたんですか?」「‘We are No.1’って名前のグループあるんだけど、そいつらだな」 うへ~。恥ずかしい名前。自分で自分の事褒めちぎる?どんだけナルシスト集団なんだよ。
Read more

第27話

 義足と股関節の接する面は…こう、プニプニしてるといいなぁ。 プニプニ?「ライさん?この世界のスライムって服を溶かしたりするの?」「俺が知ってるスライムはただの雑魚キャラだけどどうした?」「いや、あのプニプニ感が使えると思って。義足と皮膚の間の緩衝材にちょうどいいかなぁ?と思ったんです」「おお、異世界人ならではの着眼点だな。スライムはよく知られてるけど、そんな風に使うとかは考えないからな」 そういうものなのか…。あとは偽太ももの素材をどうするかと膝のところの金属の代替品はあるのかな?マルっきり金属だったらスライムの水分でサビちゃいそうだしなぁ。サビ取りとかないし。 俺は絵を描いてライさんに説明した。「この太ももっぽい素材はないし、ひざと足首のところにあたる金属はダメなんですよね。金属はスライムと相性が悪そうなのでNGです。どうしよう?」「こういうのはドワーフが得意だ。マサミだったら会ってくれるかもなぁ。何しろ職人気質でなかなか会えないんだよ」 ラノベとかゲームでもドワーフはそんな感じ。「金属に代わる素材とか太ももっぽい素材とか相談した見る価値ありだと俺は思う」「ありがとう。ライさん」「なに、完成品は俺の義足だからな。力にもなるさ。頑張れよ」 俺はドワーフに会いに行くことにした。ドワーフの里の場所はライさんに教えてもらった。 やはりドワーフという種族はヒトのことが嫌いだったりするんだろうか?小心者の心臓はドキドキとする。 教えてもらったドワーフの里には意外なほどあっさりと到着した。「おう、兄ちゃんはヒトかい?そうだよな、細っこい腕してるもんな。ドワーフみたいに逞しい感じは全くしないもんな。そんでレベルは?」「はい!-391であります!」 怖い。何故だろう?軍隊のような受け答えをしてしまった。「はぁ?マイナスぅ?冗談じゃないよな?」「はい。これが俺のステータスボードであります! 俺は俺のステータスボードを見せた。手っ取り早いから。「ちょっ、ちょっと待ってろ。族長を呼んでくるからな!」 族長…なんか暴走族みたいで怖いよ~。小心者には刺激が強いです。早くしてください!「兄ちゃんがレベルマイナスってヒトか?」「一応そうであります!」 怖いよ~。この方にもステータスボードを見てもらった。「はぁ、噂のマサミ殿かぁ。お前ら!
Read more

第28話

「でもまぁ、義足を作ってる間だけでもちょっと鍛冶の勉強でもすればいい。鍛冶の世界はそんなに甘くはない」 そうでしょうね。長命種のドワーフさんの天職ですから。「それで、義足の構想なんですが……」 俺の構想をワーグさんに説明した。「なるほどなぁ。異世界人ならではの着眼点だよなぁ。スライムとはなぁ。ただの雑魚モンスターとしか思ってなかったからなぁ」「スライムが干からびるといけないんで水分が必須になるんですけどね。そうすると、関節部に金属が使えなくなるんです。サビちゃうでしょう?簡単に錆を落とせませんから」「そうすると、他の材料ってことになるのか……。お前さんなら取って来れるかもなぁ。関節部の金属の代わりにドラゴンの爪を使う。義足の芯の部分にはドラゴンの鱗を使う」「俺、今使ってる義足を見て驚きました。あまりにも粗末で。ただ棒をつけただけ…みたいな」「ないよりはマシなんだろうけど、確かに粗末だよな。今回使う材料はマサミ殿だから調達可能かもしれないが、他のヒトは無理だろうな…」 爪はいいとして、鱗ってくれるかなぁ?「それじゃあ、俺はドラゴンの爪と鱗を求めて行ってきます」 ドワーフの里からちょっと離れたところで俺は角笛を吹いた。「爪はともかく鱗はやだぞ!」 さすが耳がいい。龍己は聞こえていたらしい。「うーん、谷の誰か脱皮してたりしないかなぁ?とにかくドラゴンの谷に行ってみない?」「了解!」 俺と龍己はドラゴンの谷まで飛んでいった。 結論から言うと、脱皮しているドラゴンはいたが鱗の提供は嫌がられた。「だって、お前。皮膚を剥がすんだぞ?嫌だろう?」 もっともな話。脱皮した皮に地味に鱗がついてたりしないかな?と期待してみたけど、鱗はなかった。 とりあえず、俺はドラゴンが脱皮をした皮と爪をドワーフの里へと持って帰ることとした。「おいおい、脱皮した皮なんてレアなもの持って来たのか?それと爪」「脱皮は運よく最近脱皮したやつがいたので、落ちていました。爪はまた伸びるんだから、って説得をしました。足りますか?」「脱皮した皮がこれだけあれば、十分!爪も十分すぎるほどだ!よくこんなに持ってこれたな」「いやぁ、ドラゴンに友人(友竜?)がいるので、余裕です」「マサミ殿はドラゴンに知り合いがいらっしゃるのか。レベルもスゴイが交友関係も凄いな」 うーん、
Read more

第29話

 俺はじっくりと腰を据えて義足の制作を見るつもりだった。しかし、ドワーフのスキルで関節部のドラゴンの爪の加工やら脱皮の皮を義足の芯にするという話やら、あっという間にできてしまった。……俺、スキルないから無理じゃん。 太ももの肉感とかはゴムを使うらしい。その加工が難しいらしいけど、これまでの加工だって十分難しいのに。 ちなみにギルマスのライさんのサイズを伝えているので、完成品はライさんにピッタリの物が出来る予定。 数日で義足は完成した。時間がかかったのは材料の入手。「あー、残った材料はこの里で使ってください」「「「「マジか?」」」」 俺は拝まれてりした。ドラゴンの爪やら脱皮した皮やらは相当レアらしい。 義足を持って俺はリヴィアの街へ戻った。 街が寂れた原因はギルマスの不在だったようだから、今は大丈夫じゃないかなぁ?などと軽く思っていた。 俺は完成した義足をさっそくライさんに使ってもらった。「おお、コイツはスゲーな。ひざの関節とかあるのか?リハビリとかした方がいいかもな」 普通に動いているライさんはかなりの運動神経の持ち主だと思う。「リヴィアがまだ寂れた様子でしたけど?」「ああ、‘We are No.1’ってグループがあちこちを縄張りにしてて、ショバ代とか支払わなきゃ、暴力を振るうようになったんだよ。それで、この街の連中が他の街に行っちゃってこのザマ」 やり口が元の世界のチンピラみたいだけど、2-Cの連中が関わってないよな?「幸い、ギルドはなんとかやつらの縄張りじゃないんだ。だから俺は生きていられる」 ‘We are No.1’って何だ?恥ずかしいことはわかる。だが……。いや、会ってみればわかるんだが、会いたくない連中だったらどうしたらいいんだ?「とりあえず、‘We are No.1’って連中に会ってみるかぁ」 俺の勘は当たるもので(嫌なこと限定)。そこにいたのは、元・勇者の神谷と元・戦士の港と元・賢者の長野センセー。それに元・王太子妃の袴田がいた。「はぁ?俺はセンセーに手紙書いたのに、センセーは率先して何やってんですか?チンピラみたいなことしてるとか?」「失礼ね。貰えるところから貰える額を貰ってるだけよ」 無理を押し付けてるんでしょ?この寂れ具合…。「お前に負けて以来、あの国で居場所を失くしたんだよ!」 こいつらみんな他
Read more

第30話

「あれ?袴田とセンセーは娼館で働いてたんじゃないのか?」「袴田さんはともかく、私はもう行き遅れも甚だしいんですって。失礼しちゃうわ!」 あぁ、異世界だとそうなるのか。「袴田さんでもギリギリOKくらいなもんよ。元・王太子妃って言う肩書きが良かったみたい。だけど、体を売るのは性に合わなかったんですって」 プライドの塊みたいな奴だからな。「で、神谷と港は?俺はてっきり冒険者とかになると思ってた」「やめてくれよ、そんな命を懸けた商売なんかできないって!」 勇者とか戦士はいいのか?俺にはわからない。「それでチンピラみたいなことを4人でしてると。ハッキリ言うと、世の中金だからなぁ」 俺はそういえば現金持ってない気がする……。どこまでボランティア人生なんだろう?「だからってチンピラに身を堕とすのはどうかと思うけどなぁ。俺が今、始末しようか?この街の冒険者登録してるんだよね。よくもこの街を寂れさせてくれたね?」  俺に関わるなって言ったのに関わってきやがったこいつら。各々の能力値を下げてやった。「うわ~、俺のレベルが156に!」「俺も178とかになってる!」「私も158よ」「センセーなんか200…」「喜んでもらえて光栄。それでもそれだけレベルがあれば冒険者としてやっていけるだろう?俺からの餞別だ。二度と会いたくない。じゃあな‘We are No.1’」 確かに昔は皆No.1だったけど、チンピラじゃねぇ?「ギルマス、スッゲー臨戦態勢じゃん」「俺の街をこんなにしやがって許さん!」「一応、俺がこの世界に来る前の学校での同じクラスの連中なんだ。全員のレベルを強制的に下げた」「お前、そんな事までできるのかよ」「クラスの連中に裏切られてドラゴンの胃袋の中でひたすら訓練しまくったから、何ができるのか自分でも把握してないけど、できるらしい」「恐ろしいやつだなぁ。まぁ、お前のメンツもあるし。あいつらのレベルが下がったなら…」「強制的に100以上下がったと思いますけど?」「そんなにか。恐ろしいな。俺は剣しかできないけど、お前は魔法にも長けてるもんな。監修はドラゴンの友人で」「そんなことができるからドラゴンて強いのか?」「討伐しようとは思わないですけどね。向こうは友好的ですし」 ギルマスも助けたし、義足も作った。今度こそ俺は俺の嫁さん探しに西へ
Read more
PREV
12345
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status