Semua Bab 交際0日、再婚相手は元夫の弁護士です ―復縁狙いのクズ夫が詰みました―: Bab 51 - Bab 60

75 Bab

番外編4話 洗脳された親友

 温かい湯気が鼻先をかすめた瞬間、心臓がドクンと嫌な音を立てた。  レモンの爽やかな香りの奥に、金属が錆びたような、あるいは腐った果実のような、生理的な忌避感を覚える異臭が微かに混じっていたのだ。 「美都、どうしたの、飲まないの?」 早苗の声が、一段低くなった気がした。私はカップを口に触れさせる直前で止め、そっとテーブルに戻した。「ごめん、早苗。……なんだか急に、胸がムカムカして。せっかく淹れてくれたのに、ごめんなさい」  沈黙が訪れる。 「でも、それを飲めば母体にいいのよ。せっかく持ってきたんだから、ひとくちだけでも飲んでよ」  彼女はこんな無理強いをする子だったかな。  なんだか様子もおかしいし、私は大事を取って遠慮することにした。「ごめんね。私、結構つわりがひどくて。せっかくなのに申しわけないけれど、受け付けないものを無理に摂ると、戻してしまうの」 すると早苗は俯いてしまった。チッ、と舌打ちされたので驚いた。「せっかく、赤ちゃんに『良いもの』を混ぜてあげたのに」 顔をあげた早苗が無造作に脚を組み替えた。その拍子にテーブルがガタリと揺れる。  彼女の瞳から、先ほどまでの親しげな光が消え、底なしの暗い濁りが溢れ出した。 「早苗? なにを言っているの……?」「美都。あなた、本当に最低ね。蒼大さんをあんなに苦しめて、自分だけ立派な屋敷に住んで、蒼大さんの子供を他の男に育てさせようとして、彼からお金を引っ張ったりして! 恥ずかしくないの?」  寝耳に水だった。元夫の名前が出るとも思わなかったし、全くねじ曲がって湾曲された事実を語られて困惑した。「どうして蒼大のことを知っているの?」 私の問いに答える代わりに、早苗はバッグからボロボロになった面会票を取り出し、テーブルに叩きつけた。そこには、収監されているはずの蒼大の名前があった。「蒼大さんはね、私に全部話してくれたわ。あなたが妊娠を盾に彼を脅して、大金をむしり取ろうとしたこと。思い通りにいかないからって、権力のある弁護士を抱き込んで、彼を無実の罪で嵌めたことよ!」 信じられない!  蒼大は塀の中からまだ私を攻撃し続けているなんて。  嘘を塗り固め、早苗を都合の良いとして利用して、ほんとに最低な男!!「蒼大とはいつ知り合ったの?」 「1年くらい前よ。行
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-04-14
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番外編5話 元夫の嘘

 「やめて……早苗、その鋏を置いて!」  私は震える手で自分の腹部を庇いながら、ソファの影へと後退した。この子だけは命に代えても守らなきゃ!!   「お願いよ、目を覚まして!」  狂気に支配された早苗の耳には私の声など届かない。彼女は裁ち鋏の刃をカチカチと不気味に鳴らしながら、一歩、また一歩と距離を詰めてくる。 「蒼大さんはね、塀の中で毎晩、あなたの呪縛に怯えて眠れないって言っていたわ。あなたが執拗にお金を要求してくるから、彼は食事も喉を通らないって……。そんなに彼を苦しめて、まだ足りないの? この子さえ、この子さえいなくなれば、彼は自由になれるのよ!」 「違う、全部逆よ! 彼は私に一円も払っていない。むしろ、私の貯金をすべて使い込んだのはあいつなの! 早苗、あなたはただ利用されているだけ! 蒼大はすごく口がうまいの!」 「嘘をつかないでッ!!」 「嘘じゃないわ! 嘘八百並べ立てているのはあの男の方よ!! あいつ、私と結婚している時に他にも愛人がいたの! しかも妊娠させておいて、捨てたのよっ」 「蒼大さんがそんなことするわけないでしょ!! 黙るのはあなたよ美都――ッ!!」 
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-04-15
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番外編6話 夫、登場

「……っ、あ……っ!」 塞がれた口から漏れるのは、掠れた悲鳴だけ。  視界を奪われ、激痛に悶えながらも、早苗は獣のような執念で私を床にねじ伏せていた。彼女の爪が私の頬に食い込み、狂気に満ちた熱い吐息が耳元を掠める。「美都……あなたさえ、あなたさえいなければ、蒼大さんは私のところに戻ってきてくれるの。だから、お願い、邪魔をしないで……っ!! 私だってほんとうはこんなことしたくないのよ」 早苗の手が床をまさぐり、冷たい金属音を立てて再び裁ち鋏を掴んだ。  私は必死に身をよじり、お腹を庇うように丸まった。背中なら刺されてもこの子は守れる。  逃げ場のない冷たい感触と、迫り来る死の予感が私の中で駆け巡る。「理人……理人、助けて……!」  叫んでも、ここは静寂に守られた聖域の屋敷。皮肉にも理人が私のために整えてくれた鉄壁のプライバシーが、今は助けを求める声を遮る壁となっていた。屋敷に誰もいないわけじゃない。きちんと待機してくれているから、せめて様子がおかしいと伝えられたら……。 使用人たちには、客人が来るから部屋への立ち入りはしないようにと言ってある。他の用事をしていることだろう。いちかばちか――  私は渾身の力を振り絞って、床をドン、ドン、と殴りつけた。 お願い……届いて!  誰か見つけて!!「やめなさい!」     早苗が私の髪を掴み、無理やり仰向けにさせようとする。私は両腕で必死にお腹を覆い、胎内の小さな命に祈るように力を込めた。(ごめんね……頼りないママでごめんね。でも、あなただけは、絶対に守るから……!)「離して! 早苗、お願い、この子に罪はないわ! 助けてよ!!」「罪ならあるわよ。蒼大さんを苦しめる種なんだもの。……消えなさい今すぐ!」 早苗が鋏を両手で逆手に持ち替え、渾身の力で振り下ろした。  ――もう、だめ。  最期の瞬間を覚悟し、私はぎゅっと目を閉じた。  理人のあの優しい笑顔、低く甘い声、私を包み込んでくれた大きな手……。走馬灯のように駆け巡る記憶。 その時だった。 ドォォォォンッ!!! 爆発したかのような衝撃音が屋敷中に轟いた。 それと同時に、リビングの重厚なドアが、枠ごと吹き飛ぶほどの勢いで蹴破られた。「――その汚い手で放せ」 冷気を纏ったその声は、この世のものとは
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-04-16
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番外編7話 親友を救いたい

   「美都! 大丈夫か!? すまない、遅くなった!」    理人は私を抱き上げると、その身体を激しく震わせた。彼の視線が、私の頬の赤みや乱れた衣服に止まるたび、その瞳に宿る殺意がどす黒く膨れ上がっていく。  理人は私をソファに座らせると、振り返り、警備員に押さえつけられた早苗を氷のような眼差しで射抜く。  「その女を連れて行け。二度と人前に出られないよう、徹底的に叩き潰す」   理人の声は、もはや人間のそれではない。裁判で被告人に無情に告げる時の顔。ぞくりとした。  早苗が「放して  蒼大さんのために必要なことなの……!」と叫びながら引きずられていく。  理人の怒りは頂点に達しており、このままでは早苗の人生そのものが、彼の権力によって跡形もなく消し去られてしまう気がした。 「待って、理人! 止めて! 早苗を放して!!」   私は痛む体に鞭打ち、理人の上質なスーツの袖を必死に掴んだ。「お願い、許して欲しいの!」  「美都!? なにを言うんだ、この女は君を殺そうとしたんだぞ!」 「わかってる、でも……早苗は利用されているだけなの。蒼大に、私と同じように騙されているだけなのよ! だからきちんと話をさせて欲しい。早苗は私の大事な親友
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-04-17
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番外編9話 ネズミ退治 

 静まり返った書斎で俺は一切の温度を失った瞳をデスクに向け、専用端末を起動した。  画面に映し出されたのは、小倉蒼大が収監されている刑務所、その内部のライブログと、彼が密かに外部と繋いでいた隠し口座の全履歴だ。昼間のうちに調べさせた。  まさか小倉蒼大が美都にここまで執着し、危害を加えようとしているとは考えていなかった。  まだまだ浅はかで、自分の不甲斐なさが染みる。「身の程を知らない鼠に、最後の教育をしようか」 暗号化されたチャットツールで、ある「エージェント」へ指示を送る。それは、彼が法廷で救い、今は財前家の裏の牙として動く「掃除屋」たちだった。【指示:小倉蒼大。物理的、及び社会的抹殺のフェーズ4へ移行。】理人の指が、冷酷にキーを叩く。「まず、彼が刑務所内で築き上げた薄っぺらなカーストを叩き潰せ。彼が裏金を流して懐柔していた刑務官は、今夜中に『不祥事』で更迭する。代わりに、私に恩義のある、あの『鉄仮面』を配置しろ」 理人の狙いは、蒼大の「聖域」を剥ぎ取ることだった。 刑務所という閉鎖空間において、守ってくれる人間がいなくなることは、死よりも恐ろしい事態を意味する。「それから……彼を『特別保護房』へ移せ。外の音も、光も、人の気配も一切届かない、あの地下の独居房だ。あそこなら、彼がどれだけ絶叫して許しを請おうとも、誰の耳にも届かない。……彼が美都に向けたその『悪意』の重さを、自分自身の孤独の中で反芻させるんだ」 理人の指示は止まらない。 次に彼が狙ったのは、蒼大の協力者たちの殲滅だった。「早苗にあの毒物を流したルートを特定した。東南アジアを拠点にする半グレ組織か。……彼らが所有するダミー会社すべての資金を、一晩で凍結させろ。あちらの警察幹部には私から連絡済みだ。明日には、彼らは『存在しない人間』として処理される」 理人の瞳に、暗く濁った情熱が宿る。 それは法を司る者の姿ではなく、自分の巣を汚された「魔王」の独裁だった。「……あいつに伝えろ。美都に触れようとした罪、そのお腹の子を『処理』しようとした罪は、万死に値すると。……だが、死なせるのはまだ早い。肉体が朽ちる前に、心が砂のように崩れていく様を、特等席で見せてもらう」 画面上の「送信」ボタンを押した瞬間、理人の顔から一切の殺意が消え、いつもの穏やかな夫の仮面が戻った。 理人は書
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-04-19
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番外編10話 夫 VS 元夫 再び

 それから数日後の昼下がりのこと。 蒼大が放り込まれたのは、刑務所の最深部にある、いわゆる懲罰房をさらに改造した特別隔離室だった。  一歩足を踏み入れるだけで鼻を突く、鉄錆と独特な男臭。その闇の奥で、蒼大は壁を背にして蹲(うずくま)っていた。  重い鉄扉を開いて中へと足を踏み入れる。重厚な靴音が響いた。 薄暗く世の中の絶望を象徴しているようなそこへたどり着くと、そこへ放り込まれた小倉蒼大と目が合った。 「いいざまだな」  かつての勢いを失い、うつろな目をしている彼を見下ろした。 彼は俺に気づき、牢屋の檻の前まで這うようにしてやってきた。瞳は以前よりさらに濁っている。今日までの出来事を考えたら、当然だろう。 この独房は噴射式のシャワーが出るようになっていて、スイッチを押せばいつでも彼に大量の水を噴射させることができる。これで体を洗い、飢えた男たちの相手をさせている。早い話、ここは秘密の男たちの性処理場だ。刑務所ではなかなかそういった処理ができない。よほどの犯罪者でない限り、この独房に入ることはできないのに。 「……あ、財前……! 頼む、もう勘弁してくれ……」「なにを?」「すまなかった……謝るから……この通りだ……!」「謝ってすむ話じゃないだろう」
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-04-20
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番外編11話 愛するひとと共に

 Side::財前 美都 リビングの大きな窓から柔らかな光が差し込んでいた。 あの日、早苗に襲われてからの数日間、私はずっとこの屋敷の聖域の中で護られ、理人が帰るのを待っていた。 玄関の重厚なドアが開く音がして、心臓が跳ねる。理人が帰ってきた。 私はゆっくりと廊下へ向かった。慌てて向かって転んでしまったら、お腹の子に差し障っちゃう。 目の前に現れた理人は、まるで嵐の後の静けさを纏ったような、どこか張り詰めた、けれど穏やかな表情でそこに立っていた。 彼がなにをしてきたのか、詳しく聞く必要はなかった。その纏う空気が、かつて私を苦しめていたすべての毒が消え去ったことを告げているように思えたから。「理人……お帰りなさい」 声をかけると、彼はふっと表情を緩め、私を抱きしめた。 彼の胸の温もり、高鳴る心臓の鼓動。そのすべてが、幸せだという事実を教えてくれる。私は彼の背中に手を回し、ぎゅっと理人を抱きしめた。「ただいま、美都。……俺が留守の間、なにもなかった?」「ええ。大丈夫よ」「それはなにより」 彼は私をソファへ運び、膝の上に優しく乗せた。その瞳はまるで宝物を眺めるように深く、私を射抜いく。 もう外の世界で何が起きようと関係ない。蒼大が刑務所の中でどうなろうとも、私には関係のないこと。  私にとっての世界は、今こうして私を抱きしめている、理人の腕の中だけなのだから。
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-04-21
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番外編13話 命の誕生

 数時間後。私の認識は甘かったと思い知らされた。  促進剤の効き目が頂点に達したのか、先ほどまでの痛みとは次元の違う激痛が、容赦なく私の腰を砕き、全身を真っ白に塗りつぶしていく。「あぁっ……! い、痛い……っ!」  ベッドの柵がひしゃげるほどの力で握りしめた。痛みがどんどん増してくる。なにかが自分の中から出てくるような、そんな衝動が私を突き破ろうとする。  荒い呼吸を繰り返す私に、理人は一瞬の迷いもなく寄り添ってくれた。  分娩室へ運ばれた。理人も当然ついてくる。立ち会う気でいるらしい。「美都、大丈夫だ。俺がついている。水分を捕っておこう」  理人はストローを私の唇へ運び、甲斐甲斐しく世話をしてくれる。法廷で見せる冷徹な表情はどこにもない。そこには、ただ一人の愛する妻の苦痛を、自分の身に引き受けようとする一人の男の姿だけがあった。  額に浮かぶ汗を、冷たいタオルで丁寧に拭いてくれた。「ふっふっ、ふうーっ……っ!」  教わった通りに呼吸を繰り返す。理人は私の手を取り、自分の胸元へと押し当てた。彼の心臓の音が、私の掌を震わせる。 「そうだ、その調子だ。美都。君は一人じゃない。この子も私も、ずっと君と一緒だ。だからもう少し頑張ってくれ!」  陣痛の波が、さらに激しさを増す。その時だった。 「――っ!」
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-04-23
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