「この子の名前だが……『人美(ひとみ)』という名前はどうかな? 俺の漢字『人』と、君の『美』だ。……俺たちの愛がこうして形になったという証を、この子にプレゼントしたいんだ」 病室でそう告げられた時、私は胸がいっぱいになった。 入院している間、悪露に悩まされ、苦しむ私を理人はいつもいたわってくれた。 仕事は完全に休んでいるから、ずっと付き添ってくれた。おかげでゆっくりさせてもらい、退院までにある程度の体が回復できた。 退院してからも、理人の溺愛ぶりはとどまるところを知らない。彼は仕事のスケジュールをすべて調整し、まるで育休を取得したかのように、屋敷にいることが多かった。無敗の冷徹弁護士は、今や完璧なパパに大変身だ。 「美都、君は横になっていてくれ。人美の世話は俺がやるから」 そう言って、理人は手慣れた手つきで人美のミルクを作る。 高価な万年筆を握っていたはずのその指先が、今は粉ミルクの温度を正確に測り、人美の柔らかな頬を優しく撫でている。オムツ替えも、お風呂の沐浴も、彼は完璧にこなす。 「どうだ、人美。いい湯加減だろう?」 お風呂上がりの人美をタオルで丁寧に包み込み、ベビーパウダーをはたいてあげるその横顔は、あまりにも優しくて、私は見ているだけで泣けてくる。 私が少しでも動こうとすると、理人はすぐさま飛んできて、ふんわりとしたクッショ
最終更新日 : 2026-04-24 続きを読む