──契約、成立。 その瞬間、世界の空気が反転したようだった。 光が、降る。 音もなく、細やかな粒子となって。 まるで、祝福とともに、何かが静かに切り離されるように。 その光の幕の向こうで──分霊たちの気配だけが、じっとこちらを見据えていた。 姿は薄れかけているのに、視線だけが確かに残っている。 俺は、ゆっくりとアマを振り返った。 彼の輪郭が、いまやはっきりと〈神〉のそれになっている。 けれど、俺を見つめる瞳は──あの夜と、変わらなかった。 「……ありがとう、リョウ」 アマが微笑む。 けれど、その目に、何かが溢れそうになっているのがわかった。 俺は、そっとその手を取る。 触れた瞬間──熱が、伝わる。 神聖な力が、俺の指先から腕を伝い、胸の奥まで染み渡っていくようだった。 アマが、耳元で囁く。 「……契約の印を、交わそう。 僕たちが確かに結ばれたって……君の身体に、刻もう」 アマの指が胸元に触れた瞬間、衣はふわりと光にほどけて消えた。 露わになった肌に冷たい空気が触れ、ぞくりと震える。 アマはその震えを見つめ、静かに笑った。 「……リョウ。全部、僕に見せて」 アマの手が、俺の胸に触れる。 その指先はあたたかく、けれどどこか冷たい── まるで神性そのものが、俺の肌に直接触れているような感触だった。 ゆっくりと、指が滑る。 鎖骨の下、胸骨の上をなぞり、腹部へと下っていく。 その動きに、俺の身体はびくりと震えた。 (……こんな場所で……) 頭の片隅が警鐘を鳴らす。 ここは神域の中心、分霊たちがまだ在る場所だ。 契約は交わされた──もう、交渉も終わった。 それなのに、なぜ……まだ、こんな。 「……見られてる……っ」 思わず、小さく呟いた声に、アマはふわりと笑う。 「大丈夫だよ、リョウ…… 僕たちの間にあるものは、もう何にも壊せない」 ──大丈夫じゃない。 でも、アマの指が肌に触れるたび、 神経が痺れたように敏感になっていく。 キスが落とされる。 鎖骨に、胸に、脇腹に。 ひとつひとつが熱を持ち、やがて芯から焼けるような感覚へと変わっていった。 「……アマ……だめ、だ……っ、あ、ぁっ……」 声が漏れる。 そ
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