Semua Bab 幼い頃に契約した神様が、今も俺を離してくれない: Bab 1 - Bab 10

38 Bab

第1話 拾ってはいけないもの

 ──佐伯から電話がかかってきたのは、神根遺跡での発掘調査の最中だった。 石碑の影が長く伸び、風だけが静かに吹いていた。 スマホが震えて、佐伯の文字が表示される。 世間的に言うなら──元恋人で、今は……都合のいい関係。 そう考えた瞬間、自分で胸を冷やすような気がした。 俺はため息をついて応答ボタンを押した。「……なんだ」『今日うち来いよ。嫁いねぇからさ。久々に──』 その軽い声が胸に触れた瞬間、ちく、と痛んだ。(……そういう扱いかよ) 口には出さない。 出す資格なんてない、とずっと思ってきたから。「うるさい。今、神根遺跡の調査中だ」『そんなの後でいいじゃん』「……論文の締め切りがある」『はいはい。教授様は忙しいな。逃げてんだろ、遼』「違う。……もう切る」 通話を切る。 遺跡の静けさが戻った瞬間、胸がうずく。(……いや、違う。 本当は、行きたくない。 でも──少しだけ、会いたい) 佐伯の指。 肌を撫でられたときの体温。 酔って弱くなった夜、腰を支えられて、抱かれた瞬間のあの安心する感覚。(……やめろ。忘れろって) 思い出すたび、身体が先に反応するのが情けなかった。 あれを欲しがってしまう自分が、いちばん嫌いだ。 深く息を吐き、遺跡の石の冷たさに手を置く。(……俺は、もうあそこに戻ってはいけない) そう思うほど、会いたいがじわじわ胸の底から滲んでくる。 風が吹き抜け、石碑の影が揺れた。(……俺は、いつもこうだ)*** 佐伯と出会った頃の俺は、まだ助教授で、不器用なくせに、人にはすぐ情が移る人間だった。 研究で煮詰まれば佐伯の袖をつまみ、酔えば肩にもたれかかった。 好きだった。 けれど── あの頃の俺はもう薄々わかっていた。 誰かの未来に入り込む資格なんて、自分にはないと。 だからあの日、佐伯に「実家についていこうか?」と言われた時、胸が跳ねたのに、俺は笑ってしまった。「佐伯は結婚して家庭作る人だろ?」 喉が裂けるほど痛かったのに、その言葉で全部を終わらせた。 そして、本当に佐伯は結婚して、俺は行かないでと言えないまま残された。*** 風が吹いた。 石碑の基部で影が揺れ、その奥──岩の裂け目の端に、奇妙な金の腕輪が半ば埋もれていた。 地層の年代から考えて
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第2話 神を拾った夜

 長身の美しい造形に、不似合いな幼い言葉だった。  その声を聞いた瞬間、俺の思考が止まる。 「……おまえ、名前は?」 「なまえ?」  首をかしげて、きょとんと見上げてくる。 「──自分をなんて呼ぶか、知らないのか」 「しらない。でも……きみの声、すき」 「……俺は音瀬。音瀬 遼だ」 「おとせ……りょう……」  音の響きを確かめるように呟いたあと、彼は目を細めた。 「いいおと……からだのなか、ぽかぽかする……」 「──おまえは、なんだ」  問いかけに、彼は少し首を傾げ、にこっと笑った。 「……ぼく?」 「おまえ以外に誰がいる」  俺の胸に指を当てて、彼はぽつりと言う。 「おなか、すいた。……ここ、すき」 「質問に答えろ」 「わかんない。でも……きみのそば、いい」  甘えるような声音に、俺の眉間がぴくりと動いた。 「なんで俺に……なつく?」 「なつく?」  また首を傾げ、きょとんとした顔。 「それ、なに?」  ……通じているようで、どこか噛み合わない。 「……いや、なんでそんなに俺のそばがいいのかってことだ」  彼は、俺の腕に巻かれた腕輪に、そっと触れた。 「──きみが、ぼくを、ひろった。だから」  いろいろと訊いてみたが、  結局わかったのは、それだけだった。  俺が拾ったから、彼はここにいる。  それ以上のことは、彼自身もわかっていない。  あるいは──本当に、そうなのかも不明だった。  俺は一度、スマホを手に取った。  通報すべきだ。常識的に考えれば、それが正しい。  だが、彼はそのスマホを見た瞬間、怯えたように目を見開いた。 「やだ……やだ……きみ、いっちゃう……やだ……」  泣き声のような声が、胸の奥に突き刺さった。  そして、画面に表示されたのは──「圏外」の文字。  普段なら問題なく繋がるはずの場所だ。 (たまたま?) (まさか、この男が何か……?) (いや、そんな非科学的な)  だが、気づけば俺は、スマホをテーブルに置き、そっとため息をついていた。 「……仕方ない。今夜だけ、様子を見る。明日になっても状況が変わらなければ……そのときは、ちゃんと届ける」  だが彼は、そんな俺のつぶやきすら聞いていないように、ほっとした顔をすると、裸のまま俺に抱きついた。  ……な
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第3話 名前を与える夜

 彼は俺の胸に顔を埋め、柔らかい舌で乳首を転がす。 ちゅっと吸い上げるたび、身体がびくんと跳ねる。静かな寝室に、ちゅ、ちゅっと湿った音が響く。「…っ、ふ、ぁ…やめろって…」 言葉は出るけど、もうまともじゃない。気持ち悪いわけじゃない。むしろ、ちくりとした快感が神経をじわじわ焼いて、下腹が熱くなる。 なのに、彼の無邪気な仕草に、胸がざわつく。こんなことで感じるなんて、なんか…間違ってる気がする。「ん…きみのこえ、すき…」 彼は片方の乳首を吸いながら、もう片方を指でそっと撫でる。布越しでも、身体が勝手に跳ねる。(こんなことで…) 性的な意味はないんだろう。彼はただ、俺にくっついていたいだけだ。でも、だからこそ、感じてしまう自分に背徳感が募る。「……っ、ぁ……」 喉から漏れた声に、彼が目を見開く。「いたいの?」「……違う。気持ちよくて……びっくりしただけ」 「きもち……いい?」 初めて聞く言葉を、探るように繰り返す彼。俺はなんとか言葉を絞り出す。「なんていうか……頭がふわっとして、身体が勝手に震える……いや、びくっとする。そんな感じ」「ふわって……びくって……?」 彼は目を輝かせ、胸元でこくんと頷く。「ぼくも、きもちいい……!」 恥ずかしそうに笑って、俺の太腿に身体をすり寄せる。薄い寝間着一枚越しに、彼の熱が伝わる。 ……でかいな。 いや、待て。「おい、そこ…!」「ん……リョウ……なんか、あつい……ぼくのここ、ずきずきする……」 彼の腰がくねり、熱い膨らみが俺の股間に擦れる。薄い布越しに、彼の硬さが俺の硬さにぶつかる。熱と熱が重なり、じわっとした痺れが走る。「……なんで、こんな……」 「わかんない……でも、きみのぬくいのだいすき……きもちいい……」 彼は俺にぴったりしがみつき、足を絡めて下腹を擦りつける。柔らかい吐息が近く、微熱を帯びた額が首に触れる。寝間着がずり下がり、ふと、熱い肌が直接触れ合う。俺の硬さと彼の硬さが、布を越えて生で擦れ、ねっとりとした感触が全身を震わせる。(こんなこと……していいのか?) 頭の片隅で警鐘が鳴る。 彼はただ無邪気にくっついてるだけなのに、俺の身体はこんな反応を……。でも、熱い肌の感触、擦れ合う快感に、思考が溶ける。(だめだ……気持ちよすぎて、止められない……)「ねえ、リョウ
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第4話 湯気の中で恋が泡立つ

 洗い椅子に腰を下ろさせ、桶でぬるま湯をそっとかける。 湯気がふわりと立ちのぼり、彼の白い肩に水の粒がきらめいた。 透明な雫が、滑らかな肌を伝って流れていく。 「……っ、あ」  小さな声が漏れる。驚いたのかと思ったが、彼は目を細めて、無垢な笑みを浮かべていた。 「ねえ、これ……なんか、すっごくきもちいい」 「湯をかけただけだぞ」 「でも、リョウのて……あったかくて、ふわってする……」  その純粋な言い方に、胸がくすぐったくなって、思わず目を逸らす。 「はいはい、次は洗うぞ」  スポンジを手に取り、石鹸を泡立てる。 ふわふわの泡を、彼の肩にそっと乗せると、泡が肌に溶け込むように広がり、ぬめる感触が指先に伝わった。 「……あ」 「くすぐったいか?」 「ううん……きみの手、だいすき……」  彼の肌は、ほんとにきれいだ。 泡を滑らせるたび、湯気に包まれたその白さが一層際立つ。  肩幅は広く、胸板は厚く、骨格はがっしりしているのに、どこか柔らかな曲線がある。 腕も脚も、無駄なく引き締まっていて、力強さと繊細さが共存してる。 (……180㎝くらいあるよな、こいつ。がっしりしてるのに、なんでこんなしなやかで… 肌、めっちゃきれいだ。顔も身体も……なんだ、このバランス)  俺の視線が、彼の身体をなぞる。鎖骨のライン、腹筋の緩やかな起伏、濡れて光る肌。 湯気がその輪郭をぼかして、まるで夢の中みたいだ。 (……こういうのを、造形美って言うんだろうな。綺麗で、力強くて、無防備で……思わず目を奪われてる)  自分でも気づかぬうちに、息が少し詰まる。心臓が、どくんと跳ねた。 「ここ、もっと洗って」  彼が脇腹を指差し、身をよじるように促してくる。 無邪気な仕草なのに、濡れた肌が動くたび、妙な色気が漂う。 「はいはい、動くなよ」  傷つけないよう、スポンジで丁寧に撫でる。 泡が滑る感触、柔らかいのに弾力のある肌。 時折、彼が「ん……」と小さく甘い声を漏らすたび、耳の奥がざわつく。 (こんな声……反則だろ……) 「次、髪な。目、つぶれ」  彼の頭を抱えるようにして、たっぷりの泡で髪を撫でる。金髪が柔らかく指に沈み、濡れて額に張り付く。無防備に身を任せるその姿に、胸の奥がまた熱くなる。 「きもちいい…もっと、して…」 「……はいはい」  洗い
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第5話 無垢な侵入者と冷えた残熱

 深い、深い眠りの中にいた。  夢を見ていた気がする。  それは、遠い昔の記憶——まだ自分が小さくて、世界の何もかもが怖かった頃。誰かに大きな腕で包み込まれ、トクトクという規則正しい鼓動を耳元で聞いていた。その温もりは日だまりのように優しく、ただそこにいるだけで「自分は許されている」と感じさせてくれる、絶対的な安らぎだった。  ……もう二度と、味わえないと思っていた体温。  ふわり、と意識が浮上する。  重いまぶたを押し上げると、視界を塞ぐように「白」が広がっていた。夢の名残かと思ったが、鼻先をくすぐる石鹸の匂いと、肌に伝わる確かな熱が、それが現実だと告げている。  いつの間にか、俺を抱え込むようにぴったりくっついて寝ていた。額に彼のがっしりした胸が触れ、柔らかい熱が腕に伝わる。  昨夜のあの、肌が触れ合うたびに火照った感覚が嘘のように、今はただひたすらに心地いい。 (……なんでこんな、くっついてんだよ……)  寝顔は無垢そのもので、でもその近さにまた胸がざわつく。  夢の中で俺を抱きしめていたのは、もしかして、こいつだったんじゃないか。そんな錯覚に陥るほど、その腕の中はあたたかくて、俺の強情な孤独を溶かしていく。  そっと離れようとするけど、彼の腕が俺の腰に絡まってて動けない。  すぐそばに彼の寝息が聞こえる。   「ん……きみ……ぬくい……」 (……こいつ、ほんと……)   名残惜しい熱を振り払うようにして、大学に行こうと身体を起こす。  シーツが擦れる音と、俺の体温が離れた気配に、彼の眉がぴくりと動いた。 「……ん、ぁ……」  金色の睫毛が震え、彼がゆっくりと目を開ける。  寝ぼけ眼で空っぽになった隣のスペースを弄っていたが、俺がベッドから足を踏み出した瞬間、彼の表情から色が消えた。 「きみ……どこいくの……?」 「落ち着けって、大学だよ。お前はここでゆっくりしてたらいいから」 「やだ! きみといたい!」  駄々っ子みたいに腕にしがみついてくる。  無垢な瞳でじっと見つめられ、胸が締め付けられる。 (……ったく、連れてくか? いや、無理だろ) (でも、こいつを一人で置いていけねえよ……) 「……わかった、今日は休む。風邪ってことにしとくから、お前も
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第6話 拒絶の熱、支配の指先

 ──俺は、アマとの出会いの一部始終を佐伯に打ち明けた。もちろん、性的接触のことは除いて、だ。気が付いたら部屋にいたこと、言葉が通じなかったこと、離れようとすると嫌がること。  最初、佐伯は正気かという表情を浮かべた。  それはそうだろう、俺だって逆の立場ならそうなる。  リビングのテーブルに、俺は腕輪を置く。  金の光を放つその装飾は、陽光に照らされて複雑な紋様が浮かび上がる。  まるで脈打つように光が揺れ、異様な存在感を放っている。  佐伯は腕輪を一瞥し、眉を上げる。 「……たしかに、変だな。保存状態が良すぎし、材質も見慣れない。遺跡は紀元前だっけ?」 「炭素年代測定で紀元前800年くらい。縄文晩期だな」 「それで、その男は?」 「寝室にいる。見るか?」  俺は立ち上がり、寝室のドアをそっと開ける。  佐伯が後ろから覗き込むと、毛布にくるまったアマがぐっすり眠っている。金色の髪が枕に散らばり、彫刻のような顔立ちが静かな寝息とともに揺れる。異常なまでに均整の取れた体躯、180センチを超える長身が、毛布の下で穏やかに上下している。 「……なんだこれ。モデルか? いや、こんな……人間離れした奴、ありえるのかよ」  佐伯の声に、初めて動揺が滲む。いつも余裕をみせる男が、目を細めてアマを凝視する。 「遺跡の石碑の裏、裂け目でこの腕輪を見つけた。部屋に戻ったら、こいつが……いきなりいた。服も何もなしで、ただ寝てた」  俺は淡々と説明するが、声には微かな緊張が混じる。  佐伯は腕輪を手に取り、じっと見つめる。 「……で、お前はこれが、なんだ? 古代の神様でも召喚したってか? 正気か、遼」 「わからん。考古学者として、こんな非論理的な話、信じたくねえ。でも……こいつが現れたのは事実だ。腕輪と関係あるとしか思えねえ」  佐伯は腕輪を手に持ち、紋様を指でなぞる。光が揺れるたび、彼の目が真剣になる。 「……信じるのか?」  俺の問いに、佐伯は軽く笑って肩をすくめる。 「まぁ、お前は狂人には見えないからな。あと、本当にこういうことがないと科学的に立証できたわけじゃない。……文化人類学的に見ても、こういう遺物と伝承、ゼロじゃない」  佐伯は腕輪をテーブルに戻し、ソファに深く座る。 「古代の封印具とか、儀式用の遺物って話なら、俺の専門で調
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第7話 忘れたはずの指に、身体が先に堕ちていく

 息を詰めて、ぎゅっと目を閉じる。  その時、シャツの裾が持ち上げられ、素肌に唇が触れた。 「や、めろって……佐伯……っ」  叫ぶように言って、力いっぱい彼の胸を押した。一瞬だけ、距離が空いた。 「……本気で、嫌なんだな?」  佐伯の目が、じっと俺を見つめてくる。  俺は何も言えなかった。口を開こうとして、息が詰まる。ほんとに嫌なのか、わからなくなってる自分が怖い。 「でも……」  佐伯がもう一度、囁く。 「お前、こうされるの……好きだったよな」 「んんっ……」 「少し待ってて」  佐伯は、勝手に俺の机の引き出しを開けて、潤滑剤のボトルを取り出した。  迷いのない手つきに、喉の奥がひゅっと鳴る。  もう逃げられないと、身体が悟ったみたいに──膝が沈んだ。 「ほら、力抜いて……いい子だから」  佐伯が、冷たい指先でボトルの口を押しながら、潤滑剤を掌に垂らした。  とろりとした液体が音を立て、指の間をすべっていく。  そのまま、太腿の内側をなぞるように触れてきた。 「……っ、や……そこ……」  腰が逃げかけた瞬間、肩を押さえられた。 「いい子にしてろ。──ほら、もう思い出してきたろ?」  囁きに従うみたいに、身体がとろりと溶けていく。  潤滑剤の冷たい感触が、内腿に触れた。 「や、ちょっと……まじで……っ」  逃げようとするのに、脚が痺れたように動かない。  佐伯の指が、丁寧に、ゆっくりととろりとした液を馴染ませてくる。何度も、何度も、入口をなぞるたび、呼吸が乱れていく。 「いい反応……やっぱ、俺しか知らない顔、してるな」  耳元に囁かれるたび、身体の奥がぞくりと震える。 「これで、お前の一番感じるところ、ゆっくり……ね?」  いやらしく囁く声が、耳の奥で湿って弾む。  低く、甘く、舌先で転がすみたいに。  その声だけで背筋がぞわりと粟立つ。  指が背後をなぞり、慎重に押し広げていく。  ぬるりと滑る感触に、思わず呻いた。 「や、っ、入れんな……っ」 「大丈夫、大丈夫。深呼吸して。ほら、力入れたらダメだろ」  唇を噛んで耐えるけど、佐伯の声が、優しすぎて憎らしい。 「頑張ってる、偉いね……もうちょっとだよ」  俺がこういう言葉に弱いのを知っている。  頭が痺れて動けなくなる。  悔しいの
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第8話 「いじめてないよ」と笑う男の隣で、天使の瞳に恋と捕食の火が灯る

 毛布を肩にかけ、目をこすりながらふらりと現れたアマ。  金色の瞳が、俺たちの姿をとらえた瞬間、わずかに見開かれる。 「……おまえ、なんでリョウにさわってるの?」  その声は無垢で幼いのに、鋭く、ひやりとする温度を孕んでいた。  佐伯は一瞬、肩を揺らしたが──頬についた血を指先ですくって見下ろし、ふっと笑った。 「ほお……起きたか。すげぇな、お前……」  ニヤリと口元を歪める。 「人間じゃねぇっての、マジっぽいな」 「リョウをいじめちゃ、だめ」  アマが近づくと、俺を後ろから抱きしめた。  潤んだ瞳で、俺をじっと覗き込んでくる。  それにうしろめたさを感じて、俺は視線をそらした。 「いじめてないよ」  佐伯はすぐに笑みを取り戻し、ひょうひょうと肩をすくめる。 「可愛がってたんだよ。……な? こうやって」  足を閉じて隠していたのに、佐伯はおもむろに俺の太ももをつかみ、ぐいと無理やり押し開いた。空気に晒されて、そこがじん、と疼く。 「ほら、見てみろよ。……もう、こんなに勃ってる。触ってもないのに」 「っ……やだ……っ、やめろ……!」  情けない声が漏れたのに、佐伯はにやにや笑いながらアマの方を見た。 「な? 気持ちよさそうだろ」  アマの目が、俺のそこに釘付けになる。  瞬きもせずにじっと見つめ、ぽつりと呟いた。 「……ほんとだ。リョウ、じんじんしてる」  その言葉だけで、喉がひゅっと鳴る。  体の芯がさらに熱を帯びて、全身が疼く。 「ぼくも……なんか、じんじんしてきた」  無垢な声なのに、ぞくりとした。  俺の恥ずかしさはもう限界で、視界がじんわりと滲む。 「……見るな……っ」  声は情けなく震えたのに、アマはますます不思議そうに俺を見つめてくる。  そんなときだった。  佐伯が、信じられないことを口にした。 「……入れてあげたら、もっと気持ちよくなれるよ」  その声音は、まるで何でもないことのように優しくて、だからこそ――胸が焼けるほど恥ずかしい。 「なっ……お前っ!」  怒鳴ったつもりなのに、声はうわずっていた。  佐伯が、煽るように言う。 「……いれる?」  アマが首をかしげるように問いかけた。  金の瞳はまっすぐに、俺のそれを見つめている。  佐伯が笑う。  いたずらっぽく、
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第9話 無垢な侵食、三人の熱に溶かされて

「やだ……っ、あ、あ゛っ♡」 「わあ……ねえ、リョウ。ここ、すごくやわらかくてあったかい」  アマが目を輝かせ、花びらを開くように指先で入口をまさぐる。無垢な好奇心が、さらけ出した粘膜の熱を確かめるように何度もつついて遊び、俺は逃げ場を失ってシーツをきつく握りしめた。  腰が勝手にびくびくと跳ねる。  頭は拒んでいるのに、身体の奥からいやらしい熱がこみ上げてくる。 「うん……ここだよ。……当てて、そう、そこ。腰、ぐっと押し込んでみ?」  佐伯が耳元で囁き、アマの手をそっと導く。 「こう……?」  アマの声は、まだあどけない。戸惑いを滲ませたまま、それでも素直に従おうとする。 「ほんとに……きもちいいの?」  俺は答えられず、ただ息を詰めるしかなかった。  代わりに佐伯が、手を伸ばして俺のそこをそっと広げた。  指先が肌を割って、まだ濡れ残る奥の粘膜があらわになる。 「……本当に気持ちいいよ。ほら、ここ──ひくひくしてるだろ?」 「ほんとだ……」  アマがまじまじと見つめ、息を呑む。  俺の肌がかっと火照る。 「ここ……だよね? 当てて……こう……? うまく……」  濡れた先端が、ためらいがちに入口を探って揺れるたび、腰がびくついてしまう。 「うまく……はいらない……」 「ゆっくりで、いいよ……遼のなか、やさしいから……」  アマの声はどこまでも純粋だった。けれど、純粋すぎて、逃げ場がなかった。 「あ……っ、ああ……っ」  押し込まれる感覚に、思わず腰が引けた。けれど── 「腰、ぐっと押し込んでみ? そう、そこ」  佐伯が囁く。 「ほら、遼の声、すぐ変わるからさ」 「こえ、かわるの?」 「っ、やめ……やめろ、やめてくれ……!」  ぐっ──とアマの腰が沈んだ、その瞬間。  異様なほど大きく、熱いものが、容赦なく奥まで押し込まれてくる。  奥を、ぐりゅ、と押し広げられる感覚。  視界がちかちかと白く瞬き、喉の奥から濁った声が漏れた。 「お゛お゛……っ」 (こんなの……入るはずがない……奥が、ずっと、痺れて……) 「ほんとだ……声、変わった……」  アマが、うっとりとした声でそう言った。  もう、俺は返せる言葉を持っていなかった。  その金の瞳は、俺の奥まで覗き込むみたいで、心臓が暴れる。  佐
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第10話 逃げ場のない愛の檻

「ねえ……気持ちいい? もっと、していい?」 「ん、やっ……ま、まって、アマ、それ──」  アマの腰がゆっくり沈む。  ごりゅ、と奥まで埋め込まれて、  そのまま一番奥を、ぐい、と押し上げられた。 「──う゛あっ……ああっ、だめっ、あ゛……っ!」  瞬間、脳の奥で何かが弾けた。  視界がちかちかと明滅し、  声にならない声が喉を震わせてこぼれ出る。  ビク、ビクン──  下腹の奥が勝手に痙攣して、  引き絞られるような熱が、一気に突き上がった。 「っ、で、でる──ああっ、でちゃ、う、うああ……っ!」  視界が明滅する中、熱が腹の奥から込み上げ──白濁が、押し出される感覚とともに噴き出す。  全身が痺れて、手も脚も言うことをきかない。  ただ、膝ががくがくと震えて、  自分の呼吸の音さえ遠く感じる。 (あ……イッた……っ、のに……) (いったばかりなのに……っ、だめ、また……)  ずぷっ、ぬちゅ、ぐっ──。  熱いものが奥をぐり、と撫でるたび、震えが止まらない。  果てたばかりの体は敏感すぎて、ちょっとした刺激でも全身が跳ねた。 「……だいじょうぶ?」  耳元で囁く声は、優しい。  だけど、腰は止まらない。 「まだ……たりない?」  ぬる、と奥を押し広げながら、アマが尋ねてくる。 「ちがっ……! ちがう、もう、むり……っ!」  必死に首を振る。  けれどアマは、困ったように微笑むだけだった。 「うそ。だって、きみ……きもちよくなってる」  ──ぱんっ、ずちゅっ。  粘り気を帯びた音が響く。  熱いものが、容赦なく奥を穿ち── 「あ゛っ、ん゛っ、や……あ゛っ、あ゛っ……」  目の奥がちかちかする。  どろどろに蕩けて、もう何も考えられない。 (違う、なのに……身体が、勝手に……っ)  ぬちゅ、ぱんっ──。  果てたばかりのそこに、容赦なくアマの腰が叩きつけられる。  熱いものが、奥の奥まで押し込まれるたびに、身体が勝手に跳ねた。 (っ……だめ、これ、ほんとに、もう無理……っ)  びくん、びくんと震える下腹。  背中にまわされたアマの手が、ぎゅっと俺の腰を抱え込む。 「……リョウ、だいじょうぶ?」  その声があまりにも優しくて、思わず涙がこぼれた。 「まだ、たりないの?」 「ち
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