翌朝、瀬奈は里亜と同じベッドで目を覚ました。湊斗は既に家を出たようで、屋敷にはメイドたちのほかには誰もいなかった。(あの人がいないととっても穏やかな朝ね……)そうはいっても、瀬奈の頭の中から昨夜湊斗にされたことが永遠に離れなかった。夢であると思いたかったが、未だに彼の唇の感触が生々しく首筋に残っていた。あのまま里亜が部屋を訪れなければ、瀬奈はきっと湊斗に抱かれてしまっていただろう。そのことを考えるとゾッとした。(私ったら、何をしているのよ……今度はキスされる前に股間を蹴らないといけないわね)瀬奈はそう心に決め、ベッドから起き上がった。「おはようございます、奥様」「ええ、おはよう」瀬奈は部屋へ入って来たメイドに挨拶を返した。彼女はカーテンを開け、瀬奈の着替えを手伝い始めた。一人でもできることだが、湊斗に監視するように言われているのだろう。彼女がやったことは全てメイドを通じて彼に報告がいくのだ。瀬奈は気分が悪くなった。「湊斗は今日も遅くなるのかしら?」「はい、そのようです」「そう……」着替えを終えた瀬奈は、里亜を寝かせたまま下の階へとおりた。「……何だか騒がしいわね」家の外から誰かの言い争う声が聞こえてくる。気になった瀬奈は、メイドに里亜を任せて外へ出た。「……一体何の騒ぎ?」扉を開けると、一人の若い女が邸宅の前で警備員と揉めているようだった。女の高い金切り声が、家の中まで聞こえてくる。まだ朝早いのに、迷惑極まりない。「お、奥様!」邸から出てきた瀬奈を見たメイドが慌てたように声を上げた。何故そんな顔をするのか。何か私に見られたらマズいことでもあるのか。瀬奈は不思議に思いながらも、現場へと近付いた。「何が起きているの?一体彼女は……」「――奥様ですって!?」女は警備員の制止を振り切り、瀬奈の元へ走ってきた。「お、おやめください!」必死の形相で瀬奈に突進する女を、メイドが体を使って止めた。「どきなさいよ、アンタ!」「そういうわけにはいきません!奥様に傷一つでも付いたら私の首が飛んでしまいます!」二人はしばらくもみ合いになり、後から来た警備員が女の両腕を後ろで拘束した。「ちょ、ちょっと放しなさいよ!」「大人しくしろ!」男の力に抵抗できるはずもなく、女は呆気なく取り押さえられた。彼女は両手を拘束されながらも、顔を上げ
최신 업데이트 : 2026-04-24 더 보기