ナディアの登場に訓練は一旦休憩に入った。隊員たちは思い思いに寛ぎ、汗を拭いたり水分を補給したりしている。長椅子の上や、休憩所付近にの芝生の上に寝転がり、休息を取っているような者もいた。 そんな中、ナディアは鍛錬場に最初に現れた場所からあまり動かず、立ち尽くしたままゼウスだけを見つめていた。 突然の恋人の登場をアランに冷やかされながらも、絡み続けようとするクドい先輩をあしらってから、ゼウスはようやくナディアの所へと来てくれた。「メリッサ、突然で驚いたよ。どうしてここに? 手紙で知らせてくれればよかったのに」「それが私にもよくわからないのよ。歩いていたら突然周囲の景色が変わって、気がついたらここにいたの……」「突然、ここにいた……?」 ナディアの言葉にゼウスが首をかしげている。ナディアも自らの身の上に起こったことを上手く説明できずに、首をひねるばかりだった。「手紙なら書いたわ。でも、私が南西列島に行くことは昨日手紙に書いて今朝出したばかりだから、まだ届いてなくて当然かも…… でも、これまでだって何通もゼウスに手紙を書いたの。だけど一度も返事が来ないから、もしかしたら私の手紙は一度もゼウスに届いていないのかなって思ってた」「ちょっと、待って…… 俺からの手紙が一度もメリッサに届かなかっただなんて、そんなことはないはずだよ。銃騎士隊独自の連絡経路にも乗せていたものが届かないだなんて、そんなことあるはずがない…… それに、メリッサが出してくれていた手紙も俺に届いてないって、一体どういうことだろう……? 俺は毎日のように何度も何度も君に手紙を出したよ。だけど全然返事がないから、もしかしたらメリッサに別に好きな人ができてしまったんじゃないかって、そんなことまで考えてしまって……」 ナディアの脳裏に一瞬だけシリウスの姿がチラつくが、首を左右に強く振って追い払う。「そ、それは…… ないわ。私はゼウスだけだもの…… 私が愛せるのはたった一人…… でも、こうして会えてよかったわ」 ナディアは手紙のことや突然ここに来たことを妙だと感じつつも、とりあえず話題を変えたかった。「……メリッサ、やっぱりちょっとおかしい…… 今日の訓練はもう早退させてもらうから、どこか別の落ち着いた所へ行ってから、そこでもう一度よく話そう」「待って」 ゼウスは場所の移動
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