Mag-log in【完結】獣人王シドの娘ナディアは、魔法使いシリウスによって獣人の里から連れ出され、睡姦されかかるが貞操は無事だった。 ナディアはシリウスにプロポーズされるがお断りする。 故郷に帰れなくなったナディアは、「メリッサ」と偽名を使って人間に偽装し、仕方なくシリウスと半同棲を開始する。 シリウスが長期不在中にナディアは美形銃騎士ゼウスからデートに誘われる。獣人の天敵である銃騎士を恋人(番)にするわけにはいかないので、ナディアはゼウスとお友達になろうとするが、ゼウスに告白されたことが嬉しくて、つい恋人になることを了承してしまう。 二人のイケメンにプロポーズされた獣人の娘が、壁にぶち当たりながら番を得る話。
view more一発の銃声と共に胸に衝撃が走った。
自分の口から血が吐き出されるのと、銃弾が飛んできた方向を見て狙撃手が誰かを確認したのと、全身から力が抜けてまぶたが閉じそうになるのが同時だった。 それから、シリウスは、八歳になり美少年具合に磨きがかかる愛息のオリオンと、第四子妊娠中で安定期に入ったナディアを連れて、侯爵になった兄ジュリアスに頼み、領地のブラッドレイ侯爵家で行われるお茶会に参加させてもらうことにした。 そのお茶会は貴族が主な参加者だが、兄ジュリアスと違って平民であるシリウス一家は、兄の家族枠とでも言うべきか、有り体に言えば縁故枠として特別に入れてもらった。 お茶会には平民の商人も混ざっていて、同じく平民であるシリウスたちがいてもそこまで白い目で見られることもなく、また、英雄と評されることもあるジュリアスの威光の影響もあってか、ジュリアスの実弟一家ということで、参加者たちには概ね温かく迎え入れてもらえたと思う。 シリウスがジュリアスに、「貴族の催しに自分たちも混ぜてほしい」と頼んだのは始めてだった。 ナディアには、「貴族のお茶会? マナーわからないけど?」と言われたが、妊婦だから飲めない食えないと通せば大丈夫だと言い、二の足を踏んでるところにお腹を締めつけないタイプの綺麗なドレスを着せて、「オリオンのためだから」と説き伏せ、無理矢理参加することを了承させた。 四歳の無邪気な双子たちは、平民が走り回って場を引っ掻き回したらまずいと思い、調子のよい母のロゼとシオンに任せてきた。 貴族向けのパーティ参加が初めてのオリオンは、会場に入るなり華やかな雰囲気にキョトンとしていたが、走り回ることもなく、シリウスの言いつけ通り行儀よくできていた。 オリオンは最初は緊張もしていたが、会う度によく可愛がってもらえる伯父のジュリアスや、遊び相手の従兄ジュライもいたので、次第に緊張もほぐれたようだった。 お茶会には、子供の――とりわけ女子の――姿がわりと多かった。なぜならば、ジュリアスとその妻フィオナの息子で、ブラッドレイ侯爵家嫡男であるジュライの婚約者候補に名乗りを上げようと、貴族たちがこぞって年齢の見合う娘を参加させていたからだ。 今回のお茶会の趣旨はジュライの婚約者選び、というわけではないが、国民からの人気も高いブラッドレイ侯爵家と縁続きになりたい家はそれなりに多いようだった。 お茶会が始まるなり、ジュリアスに似たイケメン少年ジュライは同じ歳くらいの令嬢たちに揉みくちゃにされかけたが、すぐに脱兎のごとく逃げ出していた。 ジュライの後を追って令嬢たち
オリオンが生まれてから八年が経った。 ナディアとの間には長男オリオンとの後に男女の双子を授かっている。 双子は四歳になり、現在ナディアは第四子妊娠中で、シリウスの計画通り子沢山街道まっしぐらだった。 ブラッドレイ邸にはレオハルトやジークオルトもいるから、常に子供の声が絶えずに煩いくらいで、ナディアも子供に囲まれて幸せそうではあるものの、日々忙しくしている。 十五歳になり年々大人びて女子力を高めつつあるシオンがよく手伝ってくれるので、助かっているそうだ。 母ロゼは自身と同じように子だくさんになりつつあるナディアの体調を何かと心配していて、孫の面倒を見なければと奮い立ってもくれていて、一時期よりは塞ぎ込むことも減り、番のいない日常を受け入れて生きているようだ。 シリウスは、メロディとルーファウスと名付けたその姉弟が、シドの処刑の日に『未来視』で視た、父アークと母の間に生まれるはずだった子供たちなのではないかと、どうしても思えてしまって、あの時視た『未来視』の通りに、時折複雑な気持ちで双子を見つめている自分がいることに気づく。 シリウスの中では、あの時に自分が『未来視』をすべて把握することができてさえいれば、父は死ななかったのではないか、という後悔と、自分の無力さに打ちひしがれる思いは、ずっとある。 けれど、父が自分の身代わりにならなければ、シリウスこそが死んでいたわけで、今ある幸せを感じられることもなかったのだろうと思う。 シリウスは、自分にその身を捧げてくれたような父に最大限の感謝をしながら日々を生きねばと思っているし、同時に、やはり罪悪感のような気持ちもぬぐいきれなかった。 シリウスは、アークにナディアとの結婚を反対されて以降、父が亡くなるまでは反発ばかりしていて、最後の会話なんて喧嘩別れの言葉だった。「こうすればよかった」「ああすればよかった」という後悔は尽きない。 父に会いたくて、何度か「死者蘇生の魔法」は試したものの、門番のはずのアークは全く応えてくれない。 もし、シリウスが死ぬまでアークが門番のままでいてくれるのならば、向こうで謝りたいのと、「父さんがいたから俺は幸せになれた」と言って、「ありがとう」と伝えたい。 父アークがいなくなって約九年。家族周りには父に話したい出来事が山のように、本当に色々と起こっ
急いでいる時は魔法で服を吹っ飛ばして行為に及ぶこともあるシリウスだが、今回は最初から丁寧にするつもりらしく、まずはキスから始まった。 チュクチュクと口内をねぶられて吸われ、舌がからまり合う音が二人の部屋に響く。性器を受け入れることもだが、キスはお互いの体の一部を明け渡すことで、自分の気持ちも一緒に相手に捧げられるように感じられて、ナディアはとても好きだった。 そんなことを考えてしまったせいか、ナディアは早くもシリウスのペニスを口で受け止めてしゃぶりたくなってしまい、キスされながら服を脱がせられておっぱいを露出させられる傍ら、自分は彼の股間に手を伸ばしてシリウスの服をそこだけ乱し、そそり勃つ立派な男根を外気にさらして手で擦り始めた。「気持ちいいよナディアちゃん……」 シリウスはナディアの胸の頂きに吸いつき舌を這わせながら、時々口を離して吐息を漏らし、色っぽい声で喘いでいる。 猛烈な色気を醸し出すシリウスに当てられて、ナディアの局所もこの人が欲しいとビチャビチャに濡れてくる。 嗅覚でナディアの愛液が漏れ出していることに気づいたらしきシリウスは、胸を揉んでいた片側の手を下ろすと、ショーツの隙間から手を侵入させ、指で秘芽と秘裂を捉えて愛撫を始めた。 シリウスは、長年意識のないナディアに悪戯を仕掛け続けたこともあってか、手淫が目茶苦茶に上手い。 ナディアの弱点とも呼べるクリトリスを指先で刺激し、どこをどうすれば良くなるのかわかりきっている膣内を、挿入した二本の指を動かして巧みに責めてくる。「あっ……! もういっちゃ……っ! あぁぅっ!」 大好きなシリウスの指に、大事な場所を気持ちよくいじられている満足感と安心感から、ナディアはそれほど経たずにすぐに果ててしまい、指を中で咥え込むようにきつく締めつけながら潮まで吹いて達した。「濡れちゃうね。全部脱ごうね」 ぐったりとしたナディアの体を支えながら、シリウスはナディアの火照った体にキスを落としつつ、全ての服を脱がせると、自身も全裸になった。 大きな陰茎に目が釘付けになっているナディアに気づいたシリウスは、ナディアに四つん這いになるように言うと自分はベッドの上で膝立ちになり、ナディアの顔の前に巨根を突き出してきた。 ナディアは喜び勇んで大きな肉棒に吸いつき、手も使いながら舌や頭を動かして、夢中
ヴィクトリア姉様が子供を生んだそうなので、ナディアは番であり、義父アークの喪が明けてから婚姻届を提出して夫にもなったシリウスと共に、かつてお世話になった異母兄ロータスたちの家にお邪魔した。 どうしてこうなったのか、ナディアは死んでいた時があったので経緯はよくわからないが、ヴィクトリアは故郷の里の元住人で幼馴染のアルベールと番になっていた。 二人が番になったと聞いた時は、「なんでリュージュじゃないのーっ!」と、ナディアは驚いて叫んでしまっていた。 アークの葬儀や、人間の「ナディア」として擬態するための様々なことなどが一区切りついた頃に、彼らの元へ向かった時には、それなりにアルベールと幸せそうに暮らしているヴィクトリアがいて、ナディアは心配が杞憂に終わったようだと知って安堵した。 ナディアが故郷にいた頃の記憶では、アルベールは里にいるその他大勢のろくでなし連中と同じく、傲岸不遜で暴力的で意地が悪くて、あまり仲よくしたくない類の男だった。 けれど数年ぶりに再会してみると、「ヴィクトリアは俺のもの」的オーラを振りまきつつ独占欲は垣間見えながらも、アルベールは産後で体調が優れないヴィクトリアを常に気にかけるような優しさを発揮していて、始終笑顔全開のデレッデレな状態にもなっていて、とても幸せそうだった。 正直、こんなによく笑顔を見せる男だっただろうかと、印象はかなり様変わりした。 その後に、ナディアはヴィクトリアが生んだ、彼女によく似た綺麗な顔立ちの赤子と対面した。ヴィクトリア譲りの神秘的な銀の髪も持つ、アンジェと名付けられた生まれたばかりのその女児は、とても小さくて、有り得ないくらい可愛かった。 アンジェ抱っこさせてもらうと、自分の子供でもないのに、ナディアは体の奥から愛しさがこみ上げくるのを自覚した。 アンジェの瞳の色はアルベールと同じ金色で、『二人の愛の結晶なんだなぁ』ということもしみじみと感じた。 ナディアはその後、現在暮らしているブラッドレイ邸に帰宅してから、「私も赤ちゃんが欲しいな……」と思わずつぶやいてしまったが、「じゃあ作ろうか」とシリウスにさらりと言われて、少し戸惑った。「でも、レオもジークもまだ赤ちゃんだし、もう少し先でもいいかな」 番を失った義母のロゼは体調が優れない日もあって、ナディアがシリウスの下の弟たちの母親代わりを務める
「ゼ、ゼウス! ゼウスが生きてた!」 里に来て季節が巡り春になった頃、ゼウスはなぜか獣人の里の内部で、アーヴァインと再会した。 ゼウスは、シドが死んだあの日に首都を出たきり、以降はナディアの故郷に来るまでずっと隠れ家に住んでいたので、アーヴァインと会う機会もなかった。「死の偽装」以降は話をしに行くこともためらわれてしまい、このまま一生会わずに終わってしまうかと思いきや、アーヴァインは学校用品の納品のために、キャンベル伯爵家の紹介ではるばる首都からやって来ていて、偶然にもゼウスと出会えた瞬間に号泣していた。 友情にもろいアーヴァインは、メリッサことナディアも実は生きていて、ゼウ
マグノリアに促されて、ナディアとゼウスは彼女の隣に腰を下ろす。向かい側のソファに座るジュリアスとは自然と相対する形になった。『銃騎士を辞める』とナディアに宣言して現在は私服姿であるゼウスと、銃騎士隊の隊服を着ているジュリアスの姿は、どこか対照的だった。 緊張感漂う空気感の中、一番初めに口を開いたのはジュリアスだった。「エヴァンズ、ノエから俺たち一家の秘密は聞いているよね」 話しかけられたゼウスはうなずいた。「……はい」「ノエからも言われたとは思うけど、関係者以外にはそのことは他言無用でお願いしたい」「もちろんです。ノエルの正体が暴かれれば姉の命はありませんから。俺は姉とノエル
ゼウスは三番隊の任務にてブラッドレイ侯爵領に赴いていた。 隊の任務自体は終わり翌朝には帰途に就くゼウスは、活気づく街の様子を眺めつつ、もしかしたら彼女に会えるのではと期待しながら街を歩いた。 貴族になってしまったジュリアスには、当然それを支えるための人材が必要になる。 ジュリアスは他国で病気療養中――そんなものは嘘っぱちだが――のすぐ下の弟シリウスの病状が回復傾向にあるとして、帰国させて自分の元に呼び寄せた。 シリウス自身は貴族籍ではないが、ブラッドレイ家の家令になるらしい。 ノエルから聞いた裏事情によれば、「シド処刑時の騒動による後遺症」で銃騎士隊の活動に制限が出るよう
ナディアがハッと目を開けた時には、仰向けの状態でベッド上に寝そべっていた。 ナディアがいるのはブラッドレイ家の、オリオンことシリウスの部屋――そもそもの最初にシリウスの存在を認識して、彼に襲われかけた場所――だった。 自分は処刑場にいたはずなのになぜここにいるのだろうと不思議に思ったところで、いきなり、ガツンと頭が殴られたような衝撃と共に、記憶が流れ込んできた。 意識を失う直前、ナディアはゼウスに銃で胸を撃ち抜かれて倒れ、薄れ行く意識の中で自分を愛してくれた二人に対して色々と後悔していた。 ゼウスは狙撃に関してはとんでもなく的確な腕前を持っているので、あの時自分は確かにゼウスに心臓