浩平と白石家の権力争いは、もはや二者間だけの話ではなくなっていた。翔平が瑠衣に付き添ってパーティーに出席している。秀明と楽しげに話すその様子は、婚約間近と勘違いさせるほどで、これでは誰もが翔平を白石家側だと思ってしまうだろう。翔平がやって来たことで、思いがけずパーティーの主役となった。美羽は翔平たちに背を向けて立ち、無関心な様子でつぶやいた。「さあ?分かりませんね」翔平が何を考えているのかは、誰にも見抜けない。本人だけが知っていることだ。大輔は美羽の顔色が優れないのを見て言った。「美羽さん、こんなことなら柚葉ちゃんのそばにいればよかったな」美羽はお酒を飲みながら何かを言いかけたが、大輔の視線に気づいてつい振り返った。そこにはこちらの方へ歩いてくる浩平の姿があった。浩平は二人の前に立つと、礼儀正しく挨拶をした。「陣内さん、イヴリンさん」大輔はグラスを持ち上げ、浩平と乾杯した。「野村社長、今日はご機嫌ですね」大輔たちは今日、白石家と正式に契約を結んだ。それは二つのグループが対立関係にあることを意味するが、浩平の彼らに対する態度は終始変わらず、非常に礼儀正しいものだった。一切の本音を見せない。これが一流の経営者たる振る舞いというものだ。浩平は口角をわずかに上げた。「大事なゲストをお迎えするのですから、嬉しい日ですよ」大輔は笑って応じた。「おっしゃる通りですね」浩平は続けた。「そういえば、佐野社長はなぜ今日来ていないのですか?お招きしたかったのですが」大輔は言った。「盛沢市に大事な用事があるため、今日は自分たちで代理を務めます」「そうですか」「……」ソファに座っていた美羽は、二人のお世辞のやり取りを黙って聞いていた。二人に比べれば、自分の精神面はまだ修行が足りない気がする。例えば、今のような時だ。本当は浩平と言葉を交わしたくさえなかった。突き詰めれば、浩平が瑠衣や彩乃をかばうのは身内としての当然の情だ。ましてや、浩平は決して一線を越えるような人間ではない。終始丁寧に接してくれていたし、謝罪の時も嘘偽りがないのを感じていた。ただ、理由は分からないが、浩平の行動が非常に気に障る。翔平に対する嫌悪感よりも、浩平の方が余計に腹が立つほどだ。きっと瑠衣のことがあまりに嫌いすぎて、その兄である浩平ま
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