自らの手で、自分の結婚を、自分の幸福を永遠に葬り去ってしまったのだ。「御堂社長、それ、よく見えそう?」夕凪はまだ宗正の過去の物語に浸っており、彼の遺品を一刻も早く見つけ出したい一心で、峻が何を考えているのかなどまったく気づいていなかった。峻はハッと我に返った。握りこぶしを口元に当て、小さく咳払いをする。言葉を交わしながら、彼は無意識のうちに夕凪へさらに体を寄せていた。「どうやら、鉄の小箱のようだ」峻は低く呟いた。「鉄の箱?」夕凪は要領を得ず、あちこちへ視線を巡らせた。彼女が頭を動かすたび、その髪先が峻の鼻先をかすめる……甘く清らかなシャンプーの香りが峻の脳内へ染み渡り、まるで呪文をかけられたかのように、峻の全身は急激に強張り、瞳は暗く沈み、呼吸さえも荒く重くなっていった。思わず両手を伸ばし、衝動のままに彼女をこの腕へ抱きしめたくなる。「御堂社長、それを取ってくれない?私の腕じゃ届かなくて……」その時、夕凪がふいに顔を向けた。峻はびくりと体を震わせ、瞬時に正気を取り戻した。伸ばしかけていた手を、まるで感電したかのように素早く引っ込める。しかし視線を落とし、夕凪の瞳と真正面から目が合った瞬間、峻の胸は再び激しく揺さぶられた。その澄み切った瞳には、きらきらとした光が宿り……期待に満ちた眼差しで自分を見つめていたのだ。峻は言葉を失った。密かに拳を握りしめ、火照る体と、今すぐ彼女を抱きしめたい衝動を必死に抑え込む。この俺、御堂峻が、生まれて初めて、一人の女をこの腕に抱きたいと切望しているのだ!不安に苛まれ、恐る恐る……ほんの一瞬だけでも抱きしめることができたなら……それだけで満ち足りるというのに!峻自身、どうして自分がこれほどまでに変わってしまったのか分からなかった。まして、なぜ二人の関係がこんな修復不可能な事態になってしまったのかなど、理解できるはずもなかった。夕凪はかつて、れっきとした自分の妻であり、自分の女だったはずなのに。それがどうして……「……わかった」峻は低くかすれた声で答えた。長い腕を伸ばすと、峻はいとも簡単にその鉄の小箱へ手を届かせ、引き寄せて夕凪の手の中へ渡した。鉄の箱を目にした瞬間、夕凪は息を呑み、目を見開いた……その体が、抑えきれずに震え出す。「お
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