だが実際のところ、私はもう若くもないし、バツイチでもある……何より、他に果たさなければならない大事なことが残っているのだ!だからこそ、純粋な恋愛を楽しんでいる暇などないのだ。「司さん」夕凪は少し考え込んでから口を開いた。「いっそのこと、五年の約束をしませんか?」司は怪訝そうに眉を寄せた。「五年の約束?どういう意味だ?」夕凪は落ち着いた声で答えた。「この五年間……お友達のままでいましょう。五年後、もし司さんがまだ私を妻にしたいと思ってくださっているなら、たとえお姉様に反対されても、司さんと結婚します。でも、もしその五年の間に、他に好きな女性ができたなら……その時は心からお二人を祝福します」五年も経つ必要はない。せいぜい一年もすれば、彼の心は別の女性へと移っていくに違いない。夕凪はそう確信していた。そもそも、一生一人の相手だけを愛し続ける人間など、この世に存在するはずがないのだから。ましてや、相手はあの司なのだ。「五年……」司は顔を曇らせ、低く呟いた。「遠回しに俺を断っているんだろう」ええ、その通りよ!危うく喉まで出かかった言葉を、夕凪は必死に飲み込んだ。聞くまでもないことだ。遠回しどころか、これ以上ないほど明確な拒絶ではないか!「それが司さんにとっても、私にとっても最善ですから」どれほど空々しい言い草だと分かっていても、夕凪はそう口にするしかなかった。その見え透いた嘘を指摘されるかと思いきや、司はすべてを呑み込んだ上で、あっさりと頷いた。「いいだろう、なら五年の約束を結ぼう。後になって前言を撤回したり、約束を反故にしたりするなよ」思わぬ即答に、夕凪はあっけにとられた。ふと、胸の奥によぎるものがあった。まさか、本当に五年も待つつもりではないだろうか?まさか本当に、誰のことも好きにならずに待ち続けるつもりなのだろうか?そうなれば五年後、私は約束通り、彼に嫁がなければならなくなる……とんでもない判断ミスをしてしまったのではないか、と急に不安が押し寄せてきた。いや、そんなはずはない。夕凪が立ち去ると、司はすぐさま知景へ電話をかけた。「姉さん、俺、会社で働くことに決めた。そっちで手配してくれ」落ち着き払った声で司は告げた。知景は一瞬言葉を失い、怪訝そうに問い返した。「何年
Leer más