カレーライスと火剣屋の店じまいの後。 いまトウマたちは報酬を分配しようとしていた。 ベルフラウが右手の指を立てる。出した声は裏返っている。「ほ、報酬の分配は、平等にするべきよね!」 ベルフラウのカレーライスの売れ行きは悪い。 彼女の取り分は少ないと思われた。 トウマは厳しい顔つきであごを振る。「ダメだ、ベルフラウさん、あんたのカレーは10皿しか売れていない。取り分は二万ヴァルだ」「何でよ! あたしのおかげで初心者の包丁のクエストに辿りついたのよ? もっと取り分を寄越しなさい」「ダメだ」「……どうしてよ」 悲しそうなベルフラウの表情と声。 ウミが気の毒そうな顔つきで口を挟む。モフモフとした尻尾がたゆんたゆんと揺れる。「トウマ、師匠が可哀想ですぅ。ここは、もう少しあげても良いんじゃないですか?」 トウマは舌打ちをする。両腕を胸に組んで考え込んだ。やがてベルフラウを一瞥する。「じゃあ三万だ。それ以上は譲歩できん」「何よ! 貴方はこれからもあたしと仲良くやっていく気が無いのかしら?」「じゃあいくら欲しいんだ?」「五万よ!」「それはさすがに無理だ」「じゃあ四万!」「……」 トウマは顔を渋らせて黙り込む。トウマとベルフラウとの間で見えない火花が散った。 ウミが助け船をまた出した。「トウマ、初心者の私たちに師匠はいっぱい協力してくれていますぅ。ここは、四万にしましょう」(確かに、ベルフラウが来てくれなければ、俺たちは未だに火剣屋だけをやっていた)「……仕方無いな」「そうしましょう」「……分かった」 トウマは仏頂面で頷いた。 ベルフラウがむふふんと笑顔を浮かべる。「ふふん、やったわ!」 ヴァルを管理していたウミがベルフラウに四万ヴァルの入った革袋を渡す。ベルフラウはぬふふと満足げに笑い、ヴァルをステータス画面にしまった。「それじゃああたしは、今日はこれでログアウトするわ。また明日ね」 画面を操作し、透明になって彼女が消えて行く。 どうやらゲームプレイを明日も一緒にしてくれるようだ。 トウマはため息をこぼす。そしてウミに向き直った。「それじゃあウミ、俺たちは残りのヴァルを半々に分配するぞ」「はぁい、ご主人様」 ウミが革袋を渡す。トウマがステータス画面で鑑定すると、なんと四万六千だ。「おい、ウミ!」「
Last Updated : 2026-05-07 Read more