“……どれくらい、俺のこと愛してるのか、もっと分からせて” そう言って、熱に浮かされるままに冴を誘惑したのは、俺の方だった。 永いあいだ互いを拒絶し、傷つけ合ってきた冴と俺。その間に横たわっていた、凍てつくほどに硬い蟠りが、ようやく溶け落ちた夜。 寝室を支配していた刺すような冷気は、二人の吐息に押し流されて消え去った。 シーツの上で、俺たちは何度も、何度も、互いの存在を確認するように唇を重ねた。「ん……っ、ん……」 唇を離すたび、粘膜の熱が名残惜しそうに銀色の糸を引く。 月明かりを吸い込んだその細い線が、ぷつりと切れて俺の鎖骨へと滴り落ちる。その濡れた感触が、狂おしいほどに情欲を煽った。 触れ合うたびに伝わってくる冴の体温は、驚くほど熱い。 それは文字通り、二人を隔てていた「空白の時間」を焼き尽くし、冷え切った関係に血を通わせていくような、切実で暴力的なまでの熱量だった。「……っ、……あ」 飽きることなく互いの呼気を分け合い、指先が熱を帯びて絡み合う。冴の大きな手が、俺のシャツのボタンに掛かった。 一つ、また一つ。硬いそれが外されるたび、隠されていた肌に夜気が触れる。 その指が最後の一つを解き、薄い布地の間から俺の喉元から胸元が露わになった瞬間、俺の身体は、自分でも制御できないほどの震えに襲われた。(……やばい、どうしよう……怖い……) 実際に肌を晒し、冴の圧倒的な熱に飲み込まれそうになると、経験のなさがそのまま未知への恐怖となってせり上がってきた。 このまま、この熱の渦に沈んでもいいのか。冴を受け止めきれるのか。 得体の知れない緊張が、指先を、肩を、小さく痙攣させる。 わずかに荒くなった吐息を耳元に感じながら、俺は逃げるようにぎゅっと目を閉じた。 けれど、いつまで経っても、それ以上の重みが降ってくる気配はない。「……怖いのか?」 鼓膜を震わせる、あまりに優しい声。薄く目を開けると、そこには情欲に濡れながらも、理性の端を必死に繋ぎ止めた冴の顔があった。「ち、ちょっとだけ……」 「ちょっと、じゃないだろ。……震えてるぞ。身体も、指先も……」 「……ごめん、その……嫌なわけじゃ、なくて」 必死に言い訳を紡ごうとする俺の唇を、冴の親指がそっとなぞって止めた。指先に残っていた銀色の名残が、俺の唇を艶やかに
Последнее обновление : 2026-05-10 Читайте больше