Все главы 死ぬほど大嫌いな幼馴染と、政略結婚することになりました。: Глава 51 - Глава 60

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第51話 初めての夜

“……どれくらい、俺のこと愛してるのか、もっと分からせて” そう言って、熱に浮かされるままに冴を誘惑したのは、俺の方だった。 永いあいだ互いを拒絶し、傷つけ合ってきた冴と俺。その間に横たわっていた、凍てつくほどに硬い蟠りが、ようやく溶け落ちた夜。 寝室を支配していた刺すような冷気は、二人の吐息に押し流されて消え去った。 シーツの上で、俺たちは何度も、何度も、互いの存在を確認するように唇を重ねた。「ん……っ、ん……」 唇を離すたび、粘膜の熱が名残惜しそうに銀色の糸を引く。 月明かりを吸い込んだその細い線が、ぷつりと切れて俺の鎖骨へと滴り落ちる。その濡れた感触が、狂おしいほどに情欲を煽った。 触れ合うたびに伝わってくる冴の体温は、驚くほど熱い。 それは文字通り、二人を隔てていた「空白の時間」を焼き尽くし、冷え切った関係に血を通わせていくような、切実で暴力的なまでの熱量だった。「……っ、……あ」 飽きることなく互いの呼気を分け合い、指先が熱を帯びて絡み合う。冴の大きな手が、俺のシャツのボタンに掛かった。 一つ、また一つ。硬いそれが外されるたび、隠されていた肌に夜気が触れる。 その指が最後の一つを解き、薄い布地の間から俺の喉元から胸元が露わになった瞬間、俺の身体は、自分でも制御できないほどの震えに襲われた。(……やばい、どうしよう……怖い……) 実際に肌を晒し、冴の圧倒的な熱に飲み込まれそうになると、経験のなさがそのまま未知への恐怖となってせり上がってきた。 このまま、この熱の渦に沈んでもいいのか。冴を受け止めきれるのか。 得体の知れない緊張が、指先を、肩を、小さく痙攣させる。 わずかに荒くなった吐息を耳元に感じながら、俺は逃げるようにぎゅっと目を閉じた。 けれど、いつまで経っても、それ以上の重みが降ってくる気配はない。「……怖いのか?」 鼓膜を震わせる、あまりに優しい声。薄く目を開けると、そこには情欲に濡れながらも、理性の端を必死に繋ぎ止めた冴の顔があった。「ち、ちょっとだけ……」 「ちょっと、じゃないだろ。……震えてるぞ。身体も、指先も……」 「……ごめん、その……嫌なわけじゃ、なくて」 必死に言い訳を紡ごうとする俺の唇を、冴の親指がそっとなぞって止めた。指先に残っていた銀色の名残が、俺の唇を艶やかに
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第52話 キスのあとの月曜日

そんな濃密な時間を過ごした週明け、俺たちの間に流れる「異変」にいち早く気づいたのは、幼馴染の苑真と玲央だった。「……あれ。お前ら、なんか雰囲気違くない?」 生徒会室で、俺に資料を差し出そうとした苑真の手が止まる。 彼は俺と冴を交互に見つめると、あまりにもストレートな言葉を投げ込んできた。「もしかして、ようやくヤッた? こっちの部屋まで、喘ぎ声聞こえなかったけど」 その瞬間、室内の空気がパキリと凍りついた。 俺の顔面には沸騰したような熱がぶわっとせり上がり、隣で手元の書類をめくっていた玲央も「おい……」と引きつった声を漏らす。「……デリカシーという言葉を、母親の腹の中に忘れてきたようだな」 冴は書類から顔を上げないまま、低く冷え切った声を苑真にぶつける。 けれど、当の本人はどこ吹く風で「だってさー」とニヤつきを深めるばかりだ。俺はたまらなくなって、声を上げた。「馬鹿じゃないの、マジで。そういうこと言うのやめてくれる? ほんと、あり得ない」 言葉にすればするほど、間抜けで生々しく響いた。 苑真も玲央も、なんなら隣にいた冴までもが、一瞬だけ驚いたように目を見開く。 静寂を破ったのは、意地悪く歪んだ苑真の唇だった。「美森がその反応なら、ヤッてないってことか。なーんだ、お前ら案外、清い交際とかしちゃうタイプ?」 苑真の挑発的な視線が冴を射抜く。冴の肩が、微かに、けれど確かに反応した。「……だったら、何だ」 短く返された言葉は、実質的な肯定だった。「いやー、ほぼ同棲状態なのに。よく冴の理性が保つなと思ってさ? やっぱり堅物の理性はとんでもないね、卒業まで手を出さないとか誓いでも立ててんの?」 苑真がケラケラと笑い、俺の頬を指先でツン、と突ついた。「こんなに『可愛い』と『綺麗』を煮詰めたような美森を目の前にして、指一本出さないなんて。……相当、大事にしたいんだ?」「……苑真。お前が頭も下半身も緩いだけだ。自分の薄っぺらな物差しで二人を測るな」 玲央のぴしゃりとした叱責が飛ぶ。けれど、もう俺のキャパシティは限界だった。「俺、先に教室戻るから!」 顔が熱い。逃げるようにそれだけ言い残し、俺は三人を置いて生徒会室のドアを乱暴に閉めた。 分かっている。冴が俺を、壊れ物みたいに大切に扱ってくれていることくらい。 けれど、それはつま
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第53話 貴方に触れて貰いたい

「……ん、……っ」 指先で触れたそこは、すでに言い訳できないほど熱を帯び、粘つく蜜が指に絡みついて糸を引いた。 ここに冴の指が触れたら、あの強い力で抉られたら。そう想像するだけで、腰の奥が疼いて勝手に跳ねる。枕に顔を押しつけ、漏れそうになる声を必死に殺しながら、俺は震える手を自分の後ろへと回した。 冴の熱が、いつかあてがわれるであろう、秘められた場所。 指先でその柔らかな輪郭をなぞってみるけれど、そこから先は怖くて、どうしても進めない。 まさか、壁を一枚隔てた向こうで、この前まで「怖い」と言っていた恋人が、こんな風に熱を持て余しているなんて、冴は想像もつかないだろうし。 抱いてほしいと淫らに、性急に彼を求めている自分を「浅ましい」と嫌いになりはしないだろうか。「……んっ……は、ぁ……」 隣の部屋の気配を耳で追いながら、俺はただ、行き場のない熱を持て余すように、冴の少し大きめの枕を縦向きに置いて、そこへタオルを敷いた。(冴が知ったら、幻滅するだろうな……) 枕を冴に見立てて、抱きつくようにしがみ付く。 シーツも、枕も。部屋そのものも、冴の匂いに包まれながら、腰を動かし、恥ずかしいところを擦り付ける。それだけで、冴の、瞳や声。長い指。勝手に頭がぼんやりと、その鍛えられた体躯を想像してしまう。 悪口を言い合いながら、なんだかんだ、ほぼ毎日顔を合わせていたけれど、その制服の下がどんな身体をしているのかは知らない。 けど、頭の中で浮かべるのは、鍛えられて程良く筋肉がついた腕や、割れた腹筋で。「ー〜〜っ、ん……ぅ……」 くぐもった声が溢れ出ないように我慢しながら、必死に腰を動かして、自分を慰めるために刺激を貪るほかなかった。 * 文化祭を一ヶ月後に控え、実行委員との折衝がピークを迎えると、校内の空気はどこか浮き足立ち、それとは対照的に生徒会室は殺伐とした熱を帯び始めた。 全ての書類に最終的な決裁を下す生徒会長・冴の仕事量は、すでに限界を優に超えつつあった。もちろん、俺や玲央、苑真たち役員も全力でサポートに回ってはいるけれど、最終的な判断を仰ぐ相手はどうしても冴一人に集中してしまう。「……どいつもこいつも、修正箇所が多すぎる。生徒会に提出する前に、なぜ自分たちで確認しないんだ」 冴が疲労と苛立ちの滲む顔でペンを置き、眉間を指で押さえ
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第54話 幼馴染たちの助言

「どうって……特に変化はないよ。この前植物園でデートしたけど、それっきりどこにも出かけてないし」「へぇ、チョイスが冴らしさ全開。お前の好きそうな場所、ちゃんと選んでくれてるじゃん」 そこで本当に恋人として結ばれたのだ―― という事実は言えないけれど、俺たちの間に流れる空気の変化を、二人は鋭敏に嗅ぎ取っているようだった。「でも、二人とも急に雰囲気が柔らかいというか。……てっきり、もう一線を越えたせいなのかと思ってたけど」 玲央は俺を値踏みするようにジロジロと見ながら、確信を得ようと畳みかけてくる。「いや……前も言ったけど、本当にシてないよ。その……キスは、増えたけど……」 正直に答えると、玲央と苑真は意外なものを見るように目を丸くした。「へー。部屋が隣になった瞬間に、速攻で手を出すと思ってたのに。……やっぱ十数年の熟成系片想いは、慎重さが違うのか?」「俺なんかさ、部屋を移した夜にヤる方に三万賭けるって玲央に言ってたんだけどな。あいつ、意外と貞操観念強めなんだ?」 苑真に至っては俺たちを何だと思っているんだと、苛立ちの混じった溜息が出る。 けれど、恋愛と性に経験豊富な二人が目の前にいて、肝心の冴がいないこの状況は、不安を打ち明ける絶好のチャンスでもあった。「そのことなんだけど……」 俺は膝の上で指をぎゅっと絡め、意を決して声を絞り出した。「……俺が、寸前のところで怖くなっちゃって……。冴が、心の準備が出来るまで待ってくれることになってて」 幼馴染の二人にしか言えない、情けない本音。 俺の言葉に、さっきまで茶化していた二人は一瞬で沈黙した。そして、見たこともないような真剣な顔で俺を見据えた。「あいつ正気? 美森に『抱いて』って言われるまで指一本触れないってこと? ……いやー、ガキの頃からやべー奴だと思ってはいたけど、自分にも相当なドSだね」「ぶっちゃけ、俺たち攻める側からすれば……普通なら、それはキツいかもな。目の前にごちそうぶら下げて、いつ終わるから分からない全力疾走をさせられてる感じ?」 二人の断言に、俺の心臓がトクン、と跳ねた。「俺も……正直、シたい気持ちはあるんだけど。この前そんなこと言ったばっかりなのに、すぐ求めるのは、冴にはしたないって思われそうで……」「……いいか美森、冴がお前と両想いになるまで、足掛け十年だぞ。そ
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第55話 アクシデントの夜

「……そんなこんなで、ようやく想いが通じて、今、あいつは人生で一番浮かれてると思うし、浅ましいなんて思うどころか……抱きたくて仕方ないと思う。けど、やっぱそこで待つのがアイツの男前なトコだよな」「だな。……美森はどうなんだよ? 肝心の、心と体の準備は出来てんのか?」 俺は思わず唇を噛んで俯いた。 冴が理性で我慢してくれているのだとしても、来たるべき「その日」に向けて、俺には知りたいことが山ほどあった。「……シたい気持ちはあるけど。俺が冴を気持ちよくさせてあげられるのかな、とか……この身体で、その、本当に興奮するのかなって考えちゃう」 俺のあまりに赤裸々な相談に、二人は一瞬だけ「うぶだねぇ~」と茶化しを入れたが、すぐに真摯な顔に戻って答えてくれた。「まずさ、美森。お前が冴を気持ちよくさせるんじゃないから。それは『攻め』である冴の役割であって、お前の責任じゃない。お前にとって大切なのは、心と体で、冴の全部を受け入れる準備。それだけでいいんだよ」「……やってみた。ベッドで、自分で……。でも、全然気持ちよくないし、ただ変な感じがして、指一本入れるだけでも痛くて……。ましてや、冴のが入るなんて」 絶望したような顔で俯く俺を見て、玲央と苑真は顔を見合わせたあと、噴き出すのを必死に堪えるような顔をした。 やがて玲央がたまらず膝を叩いて笑い出す。「自分の指でやって気持ちよくないのは当たり前だよ! だって、自分の指に『愛』はないだろ?」「愛……?」「そう。自分で自分を突っついても、そこにあるのは緊張と義務感だけ。でも冴にされる時は、あいつの熱い指とか、とろけるようなキスとか、耳元で囁かれる声があるじゃん。脳が『快感』として受け入れる準備ができて初めて、そこは柔らかく解けるもんなんだよ」 そう答える百戦錬磨の苑真と、密かに年下の恋人を持つ玲央。二人の説得力は半端じゃなかった。「まぁ、本番では冴が死ぬほど時間をかけて、お前を甘やかして蕩かしてくれるんじゃねぇ?」「そりゃーそうだろ。大事にしたくて仕方ないんだから」 二人の言葉は、恥ずかしさ以上に、すとんと俺の胸に落ちた。「それに、男の身体だったとしても。美森が自分のせいでとろとろに蕩けてる姿を見るのが、冴には一番の快感なんだよ。お前が冴の名前を呼んで、必死にしがみついて……『もっと欲しい』って顔をする。そ
last updateПоследнее обновление : 2026-05-12
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第56話 寄り添う以上に欲しいもの

「……美森?」 「待って……行かないで。俺、暗いのだけは、どうしても……」 吐き出した声が、情けなく震えた。 一瞬の沈黙。 冴は俺の震えをその背中で受け止め、重く、深い溜息を吐き出した。「……わかった。事情を話して、玲央に代わってもらう」 冴は素早くメッセージを打ち込むと、スマホをポケットに沈めた。 そして向き直り、俺の両肩を包み込むように触れる。「いつ復旧するか分からない。スマホの電池は温存しておけ」 言い聞かせるような口調。 それでは明かりがなくなると反論しようとした俺を、彼の静かな声が制した。「寝室に、電池式のライトがついたディフューザーがある。……そのくらいの光があれば、平気か?」 確かめるような、優しい響き。 俺が小さく頷くと、冴はその手を強く握り、守るようにして俺を寝室へと導いた。 スイッチが入ると、柔らかな電子音とともに、オレンジ色の灯りが灯った。細かな蒸気が甘い香りを運び、殺風景な部屋を淡い琥珀色に染め上げる。 ベッドに並んで腰を下ろすと、冴は俺の肩を抱き寄せ、厚手の掛け布団を肩に掛けてくれた。「……電池は二、三時間なら持つはずだ」 沈黙を埋めるための言葉に、俺はただ黙って頷く。 冴は何かを測りかねるように、けれど逸らすことなく俺の瞳を覗き込んだ。「暗闇が苦手なんて……子供の頃から一度も、聞いたことがなかった」 迷いは、一瞬だった。 今の冴に対して、隠し事という棘を抱えたままではいられなかった。 俺はシーツをぎゅっと握りしめ、自嘲気味な笑みを浮かべて唇を開く。「……昔さ。何か失敗したり、行儀が悪かったりすると、実家の奥にある納戸に閉じ込められたんだ。一人きりで、何時間も。だから……」 俺にとって暗闇は、逃げ場のない孤独と拒絶、そして「愛されていない自分」を突きつけられる牢獄そのものだった。 告白を終えた瞬間、俺の肩を抱く冴の指先が、微かに震えた。「……分かった、もうそれ以上言わなくていい」 冴は、俺を強く抱きしめた。その腕の力強さが、かつて納戸の隅で凍えていた幼い俺の心ごと、ゆっくりと溶かしていく。 十七になった今も、三歳の頃から変わってない。 俺はこうして彼に自分の傷口を晒すことで、どうにか過去との折り合いをつけようとしているんだ。「俺がいても、まだ怖い?」 耳元で囁く冴の声は
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第57話 冴の熱だけ

「俺の初めて、冴に全部あげるから。 冴の熱以外、何も分からなくなるくらい。めちゃくちゃに……」 言うより先に、唇を塞がれた。一度、二度と深くなり、離れるたびに、互いの呼気が熱を帯びていく。 冴の手が、直接俺の背中に回され、そのままシーツへとゆっくり押し倒された。 重なり合う鼓動を感じながら、俺たちは再び唇を重ねた。 どちらからともなく舌先を招き入れ、熱い呼気を分け合う深い口づけへと変わっていく。「ん……っ、ふ……」 頭の芯が痺れるような感覚に、俺は夢中で冴の背中に手を回した。 広い肩の筋肉が緊張し、シャツ越しに伝わる熱量が、俺の中の冷え切っていた孤独を焼き尽くしていく。 ふと唇が離れ、わずかな隙間にオレンジ色の光が入り込む。視線が絡み合うと、冴の瞳は潤み、隠しようのない情欲を湛えて熱っぽく揺れていた。「……今日は最後まで抱く」 はっきりと言葉にされて、背筋に甘い震えが走る。 自分のシャツのボタンのあたりに冴の手を導くと、その喉仏が大きく上下し、指先の感覚を確かめるように丁寧に外される。 最後の一つが解け、シャツが左右に開かれると、淡い光に照らされた俺の薄い上半身を、冴はじっと見つめていた。 「期待はずれでごめん、あんまり見ないで……」 細くて、骨ばっていて、何の飾り気もない俺の身体。 幻滅されるのではないかと怖くて堪らなかったはずなのに、冴の瞳には、まるで世界で一番価値のあるものを眺めるような、深い心酔の熱が宿っていた。「そんな訳ないだろ」 冷たい空気で、ツンと上を向いた乳首を腕で隠そうとすると、冴がゆっくりと顔を近づける。 熱い吐息が触れたと思った瞬間、首筋に柔らかな唇が押し当てられた。 何度も、何度も、存在を刻みつけるような、深く執拗な口づけ。 冴の鼻先が肌を掠めるたび、これまでに感じたことのない刺激が背筋を駆け抜けて、俺はシーツをぎゅっと握りしめた。「冴……っ、ふ……あ、」 熱を帯びた冴の大きな掌が、俺の胸を包み込んだかと思うと、その長い指先が尖った先端に触れた。 最初は、そっと掠めるだけの優しい手つき。 俺がびくんと身を震わせると、冴の指は熱を帯びたまま、そこを指の腹でじっくりと捏ねるように転がし始めた。 コリッとした硬い感触が指先から伝わる。 冴は俺の反応を愉しむように、今度は指先でピンと弾
last updateПоследнее обновление : 2026-05-13
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第58話 初体験と痛み

「美森の……ここ、殆ど生えてないんだな」「あ、……っ、やだ、見ないで……」 恥ずかしさで泣きそうになりながら足を閉じようとするが、冴の大きな手がそれを許さない。 俺の膝に手をかけると、抵抗する力など物ともせず、ゆっくりと、けれど強引に俺の脚を割った。「隠されると、余計興奮する」 こんな恥ずかしいところを、他人に晒したことなんて一度もない。 しかも、世界で一番大好きな恋人に、その秘められた部分を隅々まで見られている――。 視姦されることが何よりも恥ずかしいはずなのに、逃げ場のない支配感に、俺の心臓は暴力的なまでに高鳴っている。「見ないで」と口では言うけれど、心は見られたがっていた。 冴が、俺の震えるペニスをその大きな掌で包み込む。 そのまま根元から先端へと、質量を感じさせる確かな力加減でゆっくりと扱き始めた。「んっ……、あ……」 冴の手のひらが肌を擦るたびに、粘膜から溢れ出した先走りの液が、濡れた音を立てる。冴の手つきはさらに滑らかに、容赦なく速度を増していった。「感じやすいんだな。……こんな濡らして」「冴……、まって、……ああっ!」 脳を直接揺さぶられるような快感に耐えきれず、俺は声を押し殺そうと手の甲を口元に当てた。けれど、冴はその手を強引に退ける。逃がさないと言わんばかりに口内を蹂躙する熱烈なキスと、下半身を執拗に攻め立てる掌。上下からの逃げ場のない愛撫に、俺の意識は白濁していく。 やがて脳を焼くような強烈な熱に耐えきれず、俺は冴の腕の中で激しく震えながら、白濁した塊を吐き出した。「は、ぁっ……は……っ」 激しい余韻に視界が火花を散らす中、冴は俺を扱きあげていた手をゆっくりと離した。その大きな掌には、俺が放ったばかりの白濁液がべっとりと付着している。 冴はそれを厭うどころか、熱っぽい瞳で見つめたかと思うと、あろうことか指に絡みつくそれを、ゆっくりと舌で舐めとった。「っ……! ダメ、冴、汚いよ……っ」 冴は俺を見下ろして、れえ、と舌を覗かせて見せつけるように舐め取った。 羞恥心で、どうにかなりそう。慌てて手を伸ばして制止しようとしたけれど、冴は俺の手首を軽く片手で封じると、そのまま俺の太ももの内側へと手を滑らせた。「触るぞ」 内側の粘膜を押し広げながら進んでくる指の異物感に、俺は喉を鳴らして身悶えた。冴は俺の耳元で「力を
last updateПоследнее обновление : 2026-05-13
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第59話 十年以上待ったから

「少しずつ、俺の形を憶えて。擦る度に吸いつけるようにしてやるから」 耳元で響くのは、震えるほど慈愛に満ちた声。 「そ、そんなの出来な……っ」「させる。出来るようになるまで、毎晩抱く」 嘘か本気かわからない。けど、もう欲望を隠す気もないらしい冴は俺の涙を舌で掬い取り、腰を止めたまま、俺の身体がその大きさに馴染むのをじっと待ってくれた。「……あ、……ぅ、……は、ぁ……」 抵抗が弱まった隙を突くように、一気に腰が進んだ。 ミシミシと肉と骨が鳴るような感覚。奥の、一番敏感な場所に彼の先端が到達した衝撃で、俺の喉から声にならない悲鳴が漏れる。 冴は俺の腰を両手でしっかりと固定すると、残りのすべてを、根元まで一気に埋め込んだ。「ーーーー〜〜〜っ!!」 衝撃に視界が真っ白に弾けた。「……っ、は……。……入った、全部……」 俺は涙で滲む視界の中で、自分を貫く逞しい背中に腕を回した。 痛みで爪を立てる。けれど、それ以上に「冴にすべてを捧げた」という幸福感が、全身の細胞を一つ残らず震わせていた。「……動くぞ、」 冴が低く、熱い吐息とともにゆっくりと腰を退かせた。 内壁をズルリと擦りながら離れていく圧倒的な質量の名残に、俺の身体が反射的にキュッと締まる。 再び、奥まで。 ゆっくりと、けれど確実な重みをもって沈み込んできた冴の先端が抉った。粘膜が冴の熱に引きずられ、内側から裏返されるような感覚。「は、……っ、あ、……ふ……っ」「すごいな……熱くて、もうこんな、とろとろになってる」 生々しく俺の羞恥心を煽る言葉の熱にさらされて、俺の身体はさらに過敏に反応し、次第にその異物感にさえ、抗えない快楽を見出し始めていた。「あ、……っ、冴、もっと……っ、そこ……あぁっ!」 深すぎる。 腹の底を直接突かれるような衝撃に、俺の喉から声にならない悲鳴が上がる。 冴は狂ったようにその深いピストンを繰り返し、俺の首筋から鎖骨にかけて、痕を残すように何度も何度も熱い唇を吸い付かせた。「あ、……ぁぁっ、ん、……っ、ふあ、あぁぁあぁっ!!」 一突きごとに脳を直接揺さぶられるような衝撃が走り、俺の視界は火花が散ったようにちかちかと白く明滅する。シーツを掴んでいた指先はもう力が入らず、ただ空を掻くように冴の背中に縋り付くことしかできなかった。「や、だ……冴、それ、いじょう
last updateПоследнее обновление : 2026-05-14
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第60話 お嫁さんになりたい

「美森は俺の『お嫁さんになりたい』んだよな?」 冴の声は、鼓膜を甘く痺れさせるほどに優しく、縋るように何度も頷かせる力があった。 話し方も、いつもの威圧感のあるトーンじゃなくなっていて、繰り返し俺の夢の中に出てきた幼い「さーくん」の優しい話し方、そのものだ。「んっ、うぅ……なりたい、なりたいよぉ」 とろとろに溶けかかった脳で、泣きじゃくりながらすべてを曝け出した瞬間、愛しさを堪えきれないような短い呼気と共に、再び叩きつけられる腰。「もう、『あっち行って』だなんて言って、離れて行くなよ。……『大っ嫌い』って二度と言わないって約束出来る?」「で、できる……! やくそく、約束するから、ぁっ」 先ほどまでとは比較にならないほど、重く、情欲を剥き出しにした蹂躙が再開される。「……お前は知らなかっただろうけど。髪の毛一本、足の小指の爪だって、俺のものにしたいって思いながら、俺はずっと隣にいたんだからな」 今度は打って変わって、耳元で、獲物を仕留めた獣のような低い声が響く。 冴は俺の首筋や、鎖骨や、胸の間に熱を走らせて跡を残した。 そうして俺の腰を砕かんばかりに掴み、逃げ場を塞ぐようにして、さらに深くその身を沈めていく。「もっと、美森も俺を欲しがれよ」 最奥を激しく打ち付けられる衝撃のたび、脊髄から這い上がる痺れに、俺は喉を鳴らすことしかできなかった。「お嫁さんにしてあげるから、ちゃんとお強請りしてみせて」 慈しむように髪を撫で、優しく囁かれたかと思えば、直後には突き放すような冷たい命令が降ってくる。そしてまた、俺を蕩けさせるような甘い愛撫が始まる。 その飴と鞭の激しい高低差に、俺の理性は容易く削り取られていった。 目の前にいるのは、誰もが跪く冷徹な「王様」である今の冴だ。 けれど、その声の端々に、無邪気に笑っていた頃の幼い冴の面影が重なる。 “ずっと美森の側に居て守ってあげる” “大好きだよ、ずーっとずっと” “結婚して、二人で幸せに暮らそうね” 純粋な約束と、暴力的なまでの快楽。 過去と現在、ふたりの冴に同時に責め立てられているような奇妙な感覚に陥り、俺の記憶の境界線は泥濘のようにぐちゃぐちゃに乱されていった。「……あ、ぁっ……さえ、さえ……っ!」 呼びかける名が、どちらの冴に向けたものなのかも分からなくなる。
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